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災害派遣の話題を挟み、中部方面情報隊から再開します。


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[中部方面情報隊(中:伊丹・今津)]
・各所から情報を収集、分析し各部隊に共有する部隊で、中部方面隊管内では沿岸海域を航行する船舶の情報を収集・分析する「移動監視隊」と無人機の運用を担う「無人偵察機隊」に大きく分類される。
・1枚目は移動監視隊の地上レーダーシステム、沿岸地域を航行する船舶の航行経路を探知する。
・2枚目は無人偵察システム、通常の航空偵察では危険が伴う場合に出動し遠隔操作により情報収集を行う。
・3枚目は通信科部隊でも使用される衛星通信装置、収集した情報はこのシステムを利用し司令部や前線部隊に伝えられる。


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[中部方面後方支援隊(中:桂)]
・ 中部方面隊隷下の各部隊、中部方面混成団隷下の普通科連隊に対する後方支援を担う部隊であり、担当任務は輸送、補給、整備など多岐にわたる
・1枚目は重レッカ、高機動車や榴弾砲の牽引、戦車の整備を行う際などに使用
・2枚目は浄水セット、野外炊飯や野外入浴セット、野外洗濯セット、野外手術システムとともに活動し清潔な真水を供給する
・3枚目は重装輪回収車、装輪装甲車の牽引・整備で使用される大型レッカー車 
・4枚目は特大型トラック、積載量の多さを生かし多くの物資・装備品の輸送にあたる
・5枚目は不発弾輸送車、信管除去により不活化された不発弾を処理施設のある駐屯地・演習場まで輸送する。

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[中部方面衛生隊(中:伊丹)]
・中部方面隊直轄部隊に対する衛生状態の維持、負傷者に対する救護活動を担う部隊
・1枚目は1トン半救急車、通常の救急車以上の収容力を生かし負傷者後送や災害派遣で活躍する
・2枚目は野外手術システム、初期外科手術を行うことができ救命率の向上を図る

次回は施設科と戦車部隊、74式戦車の雄叫びがこだまします・・・。 

 



【解説編】
[部隊:中部方面情報隊]
中部方面情報隊は、本部が伊丹駐屯地に、実働部隊が今津駐屯地にある情報科部隊で、無人航空機による偵察任務を担う部隊と移動式地上レーダーを利用し、第13偵察隊と連携して沿岸海域を航行する船舶の動向を監視する部隊に大きく2分される。所属車両の車両表記(本部)は「中情隊」。

[部隊:中部方面後方支援隊]
中部方面後方支援隊は、中部方面隊直属の部隊や中部方面混成団隷下にある普通科連隊に対する後方支援を担う部隊であり、その職務は「整備」「補給」「輸送」「弾薬管理」「不発弾(爆発物)処理」など多岐にわたる。特に災害派遣では給食・入浴・洗濯支援などの避難所生活の支援を担うため大規模災害では全国から施設科や普通科の部隊とともに広く招集される部隊として知られている。所属車両(本部)の車両表記は「中方後支」。

[部隊:中部方面衛生隊]
中部方面衛生隊は、中部方面隊隷下部隊への衛生活動を担う部隊であり、戦闘地域から負傷者の後送、病院へ搬送する前にダメージコントロール手術を行い救命率を上げる、災害派遣における負傷者救護を担う。師団や旅団では後方支援連隊や後方支援隊に、戦闘職種の部隊には隊本部に衛生隊が置かれており、これらの部隊や自衛隊病院など各種医療機関と連携して事態に対応する。

[装備:地上レーダー1号改]
中部方面移動監視隊が保有する地上レーダーシステムで、1985年に制式採用された地上レーダー1号(73式中型トラックに搭載)の後継として2007年より導入された。高機動車に搭載されており、敵人員・車両や船舶の動向監視の際に使用される。

 [装備:新無人機偵察システム]
ヘリコプター型の無人航空機で、他国の同規模装置よりも小型軽量であるのが特徴。赤外線センサーや可視カメラを搭載し、通常の陸上偵察や航空偵察では危険が伴う場合(最前線や周辺が何らかの汚染を受けている場合など)に使用される。年によっては無人航空機以外の設備が行進に参加する場合がある。

[装備:重レッカ]
74式特大型トラックにウインチやクレーンなどを装備した車両で、高機動車以上の車両の牽引や戦車・装輪装甲車の整備などで使用される。整備部隊のほか、特科や戦車隊・機動戦闘車隊・施設科部隊で活躍し、クレーン吊り上げ能力は10000kg。

[装備:浄水セット]
泥を含んだ水や海水を浄化し、飲用可能な水を作り出すための機材。野外炊飯や野外入浴セット、野外手術システムなどとともに使用され、災害派遣では生活支援隊の装備としてほかの機材とともに出動する。73式大型トラックに積載されている。

[装備:重装輪回収車] 
重レッカだけでは吊り上げ・牽引できない車両の整備・収容作業にあたる車両。装輪車両であるため機動性に優れており、装輪装甲車に同行しての整備・故障車両の収容を行う。03式中距離地対空誘導弾の発射装置などの車体はこの車両をベースとして設計されている。

[装備: 特大型トラック]
 市販の大型トラックを防衛省が指定する規格にカスタマイズした車両であり、各種車両や物資類・多数の人員を輸送するために使用されている。今回使用されているのはいすゞ製の車両で、他にも三菱ふそう、日野などが納入するものなどバリエーションが多い。

[装備:1/2トン救急車]
方面衛生隊・後方支援隊衛生隊・本部管理中隊衛生小隊などに配備されている野戦用救急車で、1度に4〜8人を搬送できる収容力と消防の救急車並みの設備を搭載している。災害派遣では多数の負傷者を同時に搬送できるため消防の救急車とともに活躍するほか、病院移転や多数の入院患者を同時に転院させる場合のように病院の救急車だけでは対応できない事態にも出動して患者の移送を支援する。

[装備:野外手術システム]
方面衛生隊や後方支援隊衛生隊などに配備されている医療用システムで、前線にある野戦病院において開胸・開頭手術などの初期外科手術(ダメージコントロール)を行う。負傷した隊員は前線の野戦病院で応急的な治療を受け、後方にある自衛隊病院などの医療機関で本格的な治療を受ける。