京成のダイヤ改正案 | 京阪大津線の復興研究所

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大津線とは、京阪の京津線と石山坂本線の総称です。
この大津線の活性化策を考えることが当ブログの目的です。
そのために、京阪線や他社の例も積極的に取り上げます。

京成上野駅の昼間時は、京成高砂から成田スカイアクセス線に直通して成田空港へ向かう有料特急の「スカイライナー」が毎時2本(20・40分毎)、本線経由成田空港行きの料金不要特急が毎時3本、京成津田沼行きと京成臼井行きの各駅停車が毎時3本ずつ発車するのが基本です。

 

京成スカイライナーAE形(2代)

 

これに、都営浅草線の西馬込発で押上線経由の快速が毎時3本青砥から合流して加わり、京成佐倉まで運転されます。千葉線は京成津田沼から千原線ちはら台までと、新京成電鉄の松戸から京成津田沼経由で千葉中央までの各駅停車が毎時3本ずつ走ります。

 

本線特急の停車駅は、京成上野・日暮里・青砥・京成高砂・京成八幡・京成船橋・京成津田沼・八千代台・勝田台と京成佐倉以遠の各駅です。快速は浅草線内各駅停車・押上線内無停車で、その先は青砥・京成高砂・京成小岩・京成八幡・東中山・京成船橋・船橋競馬場と京成津田沼以遠の各駅に停まります。

 

特急・快速による各駅停車の追い越しは、京成高砂または京成小岩と、東中山・京成津田沼で行われます。

 

青砥―京成津田沼間は優等列車と各駅停車が毎時6本ずつ走り、都市鉄道の面目を保っていますが、京成上野発の特急が毎時3本とは少なすぎます。浅草線直通快速を青砥折り返しに短縮して接続を図る代わりに、京成上野―ちはら台間に毎時3本の特急を設定して利便性の向上を図るべきです。

 

増発特急は千葉線経由で千原線直通とし、京成津田沼を千葉線各駅停車の1分前に発車させ、幕張メッセへのバス連絡駅である京成幕張本郷と、千葉大学に近く逆方向輸送が見込めるみどり台に停めます。

 

これならば、1本前の各駅停車の3分後に京成千葉到着となり、待避線の新設は不要です。ただし、新京成線の折り返し線となっている京成津田沼駅6番線を5番線同様に千葉線へつなげて、列車交換を可能にする必要があります。

 

千原線内は特急のみを走らせて各駅に停めます。加えて、京成上野―京成津田沼間の各駅停車を京成佐倉まで延長し、京成津田沼で増発特急に接続させます。

 

京成の昼間時時刻表改正案(下り)

 

京成の昼間時時刻表改正案(上り)

 

京成上野―ちはら台間に特急を運転することができれば利便性は大きく高まります。ただ、現状のダイヤの延長上で考えると、京成上野―京成千葉間は下り47分・上り50分を要することになり、JRの総武快速線の東京―千葉間より約10分余計にかかるのが実情です。

 

競争力を高めるためには、拙著【不都合な停車駅 36選】で「なぜ停めない?」の第1位に選んだ町屋に特急を停車させるべきです。同駅は東京メトロ千代田線との接続駅であり、ホーム有効長も足りているのに、どういうわけか現在は各駅停車しか停まりません。

 

千代田線は町屋から大手町・霞ケ関・表参道などを経て、代々木上原で小田急小田原線と相互直通を行っています。駅の立地条件は概して都営浅草線と同等以上であり、京成沿線から東京都心西部への最短ルートを構築しています。これを活用しない手はないはずです。

 

一方、前回提案した京成金町―京成上野間の直通列車は、町屋に停める必要はありません。金町を通る常磐線の緩行線が千代田線と相互直通を行っているため、対抗しようがないと考えられるからです。

 

京成金町―京成上野間の直通列車は、種別を快速特急とし、「スカイライナー」と交互に走らせるものとします。この場合、町屋の隣駅の千住大橋で各駅停車を追い越すことになります。その待避時間に無駄を生じさせないためにも、町屋は通過させるのが妥当です。

 

この快速特急は、JRの金町から日暮里・上野への利用客を奪うだけでなく、柴又へ観光客を誘致する上でも重要です。柴又は成田山新勝寺と並んで京成沿線を代表する観光名所なので、今以上に集客に力を入れるべきです。

 

その成田山新勝寺の最寄り駅である京成成田には、以前はほぼ全ての「スカイライナー」が停車していましたが、成田スカイアクセス線の開通により経由地から外れてしまいました。成田空港のアクセス改善と引き換えに成田山への参拝輸送が大幅に不便になったことはあまり指摘されませんが、かなり深刻な問題です。

 

これを緩和するためには、空港第2ビル駅で「スカイライナー」と本線特急を乗り継ぐルートを積極的に推奨する必要があります。このルートならば、京成上野→京成成田は57分、京成成田→京成上野は60分に収まります。

 

空港第2ビル駅で約10分の乗り継ぎ時間が生じるので、本線経由時代の「スカイライナー」の所要時間52分には及びませんが、現在の本線特急を乗り通すと京成上野→京成成田は67分、京成成田→京成上野は70分を要するので、それよりは速くて快適です。

 

かつ、直前を走る本線特急を「スカイライナー」が成田スカイアクセス線走行中に追い越すので、利用価値は高いものがあります。

 

成田山への参拝輸送は、京成本来の創業目的でもあります。空港輸送の好調さばかりに心を奪われることなく、時には原点に立ち返ることが求められます。

 

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