【はやぶさ_のぞみ】新幹線を乗り継いで新函館北斗から名古屋へ|帯広→名古屋鉄道旅(後編)

夏の北海道自転車旅に出る前,

北海道から名古屋まで鉄道で移動してみたい

そう,漠然と考えていた.

前期は大学の実験や講義・試験で忙しかったため,預金には余裕があった.来年の夏は大学院入試や研究で忙しいだろうから,北海道へ行く機会というのもなかなか作れなくなるだろう…

どうせ大人になったら,面倒くさくなって飛行機に乗るだろう.時間があって多少貯金があって,しかも北海道にいる機会というのはそうそうない.実行のチャンスは今しかない!夏休み前の図書館で,試験勉強の傍ら,えきねっとと学割を駆使してきっぷの発券に取りかかった.

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後編,
新函館北斗からはやぶさ28号を東京まで乗り通し.
最後は東京からのぞみ407号自由席で名古屋へ.

【前編はこちら】

スーパーとかち&北斗を乗り継いで帯広から新函館北斗へ|帯広→名古屋鉄道旅(前編)
北の大地・北海道は帯広から,はるばる名古屋まで.まずは北海道内の気動車特急スーパーとかち&北斗を乗り継いで新函館北斗を目指す.

はやぶさ28号乗車記|新函館北斗→東京

帯広から新函館北斗まで,スーパーとかちとスーパー北斗を乗り継いでやってきた.時刻は13時過ぎ.新函館北斗からはいよいよ北海道新幹線で青函トンネルを越えてゆく.

新函館北斗駅のりつぎ

新函館北斗駅では,在来線(函館本線)と北海道新幹線が改札を隔てて線路を並べている.函館方面の列車が到着するホームと,新幹線のホームが地続きになっている.乗り換えは自動改札を通って簡単にできる.

新函館北斗駅のりかえ改札

自動改札には

  1. 乗車券
  2. 在来線特急券
  3. 新幹線特急券

の3枚を通せばOK.

僕はといえば,ここまで乗ってきたスーパー北斗のきっぷは記念に持ち帰ろうと思い,有人改札に入った.が,なぜか「持ち帰りで」と言うのを忘れ,駅員さんに「自動改札に特急券,乗車券,新幹線特急券を通せば大丈夫ですよ~」と教えてもらって,言われるがままに通してしまった.当然,スーパー北斗の特急券は自動改札機に吸い込まれてしまった…改札を通過してすぐ「あれ!?何やってんだ,きっぷ持って帰るんじゃなかったのか_?」気付いたがもう遅い.

指定席で列車名も書いたきっぷだったのに…惜しいことをした.

気を取り直して新幹線ホーム.暫定的な終着駅の新函館北斗駅では,始発列車となるはやぶさ号が入線している.だいたい,1時間間隔で列車が出発していく.

JR東海民の僕は,普段ほとんど目にすることがないE5系を目前に,興奮気味.鮮やかな緑のボディ,とにかく長い鼻.かっこいい.

乗車前に,新幹線改札内にあるキオスク(あまり大きくはなかった)にてお菓子・飲み物を買い込む.東京まで4時間半のロングラン,いくら新幹線とはいえ,東京は遠いところだ.

はやぶさ28号指定席

3028B
はやぶさ28号東京行
新函館北斗1339=東京1804

指定席に乗車する.

8号車15E席.2人掛け窓側.

グランクラス・グリーン車から近い方.

輪行状態の自転車はデッキに申し訳なさそうに置いておいた.

荷物は前日に全部宅配で送ったから,多少スリムにはなっているけど,それでもやっぱり場所をとる.東海道新幹線では,特大荷物は予約制になる.気兼ねなく自転車を入れられるようになるのはいいけど,予約が必要だから来た列車にパッと飛び乗れないのは難点といえば難点かも.

先頭車両の方を見に行ってみる.

鼻がなげぇ~・・・グランクラスの座席数が少ないのも納得だ.先頭車両の半分くらい鼻にみえる.

1号車から車内を歩いてみる.

2号車は団体客で一杯だ.ツアー客が楽しそうに談笑している.

座席の色のためか,車内の塗装のためか,東海道新幹線とは全然雰囲気が違う.色が違うだけでもこんなに変わるんだ.

定刻通り出発.いよいよ東京へ.

青函トンネル

現在開業している北海道新幹線の区間で,道内の駅は2つ.

新函館北斗と木古内駅.

北海道に来るとき乗車したはやて号は停車した木古内駅を,帰りのはやぶさは悠々と通過していく.13:50.

午後からの車窓は,朝の北海道内に比べると雲が増えてきた.それでも青空は綺麗.ただ,新幹線は高架区間が多く,防音壁も高い.在来線に比べると車窓はあまり望めない.

しばらく走ると青函トンネルに入っていく.13:56頃に青函トンネルへ入る旨の放送があった.進入時刻,トンネル内の所要時間,トンネルを抜ける時間,トンネルの概要が手動放送で丁寧に説明された.

放送が終わりしばらくすると,放送通り13:56に青函トンネルへ入った.

前後にいくつかトンネルが連続するけど,放送と車内電光掲示板によるお知らせで「これが青函トンネル」とはっきりわかった.

長大トンネル,かつては世界一を誇った本州・北海道の大動脈も,入ってしまえばただの長いトンネル.新幹線でも所要時間は22分.これから高速化の議論が進んで行くんだろうけど,貨物との兼ね合いでなかなか難しそうだ.せめて200km/hくらい出してくれればもうちょっと迫力のある車窓になると思うんだけど.

北海道側海底にある吉岡定点では下り列車とすれ違った.

車内電光掲示板のニュースで【岩見沢で大雨 時間雨量95㍉】と流れている.帯広から函館までずっと晴れていたのに,道央~道北では記録的な大雨になっているらしい.さすがに北海道は広い.

14:19,青函トンネルを抜けた.トンネル横の広場には何人か見物人がいたのが見えた.

14:22,北海道に来るときに新幹線に乗った駅,奥津軽いまべつ駅を通過.この駅は田舎だったなあ…新幹線駅の中で,利用客数全国最下位というのも納得の駅前だった.

新青森-盛岡間各駅停車

14:36新青森駅停車.乗務員がJR東日本に交代する.指定席も窓際の座席が埋まってきた.上り列車だから盛岡・仙台あたりで乗車率が最も高くなるだろう.

東海道新幹線の最速達列車「のぞみ」は,停車駅パターンがほぼ同一.列車による所要時間に大きな差は無い.

一方東北・北海道新幹線の最速達列車「はやぶさ」は,列車によって停車駅が異なってくる.

最近JR東日本が宣伝している「東京→新函館北斗3時間58分」という列車が最速達列車.ただし,これは下りのみ1日数本(はやぶさ5号・11号).停車駅は東京=大宮=仙台=盛岡=新青森=新函館北斗.上野や岩手青森の駅はすべて通過する速達っぷり.

その他の列車は,この駅のほかにポツポツと停まるので4時間以上かかる.列車によって新青森~盛岡各駅停車だったり,八戸だけとまったり,いろいろなパターンが存在する.新青森始発・終着の列車にいたってはもっとパターンが増えるので,ココでは省略する.

上り列車は2019年10月現在では,全列車が東京新函館北斗間を4時間以上で結んでいる.今回乗車したはやぶさ28号は新青森=盛岡間は各駅停車.加速した!と思ったらすぐに減速を始めて,コツコツと停まっていく.

また一段と雲が増えてきた,こうなると太陽も陰る時間が増えてくる.

15:05八戸駅停車.かつてはここが東北新幹線の終着駅だった.小学生のときE2系の八戸駅プラレールセット,みたいなの持ってたなあ.

下車する客数人,乗車もそれなり.反対ホームには下りのはやぶさ21号新函館北斗行きが停車していた.

15:17に,隣の二戸駅に到着.ホームの向こうにIGR(いわて銀河鉄道)が見えた.東北地方の在来線にはまったく乗車できていない.北海道は完乗も見えてきたというのに,アンバランスなことこの上ない.

新函館北斗駅を出てから2時間弱が経過.そろそろお腹が空いてきたのでおやつ.

じゃがりこうまい.

15:31いわて沼宮内駅到着.山陽新幹線新神戸駅のように,車両を傾けて停車.いわて沼宮内は東北新幹線の中では最も利用客数が少ない駅.たしか全国でも奥津軽いまべつの次に少ない駅だったかな?数人が乗車した.

いわて沼宮内を出発してしばらくすると徐々に街の車窓.大きな山も見える.

盛岡到着・E6系こまちを連結

はやぶさ28号は盛岡駅に到着.岩手県・東北地方の大ターミナル駅.ここで秋田新幹線こまち号を待って,後ろに連結する.はやぶさに乗っていると連結風景を見られるのがうれしい.

あんぐりと口を開けてちょっと情けない(?)顔のE5系.

盛岡駅では大量の乗降がある.指定席はほぼ満席となり,立ち客も出ているみたいだ.

となりのホームにはE5系単独運転のはやぶさ号が入線中.「ときわグリーン」と名付けられたボディが美しい.

11番線には「はやぶさ・こまち」のコンビが30分間隔でやってくるみたい.

遅れること数分,秋田からやってきたこまち28号が,E5系の後ろに連結.

これで17両編成となった.E5系E6系の連結した編成は,日本の新幹線でも指折りの迫力がある編成だと思う.

盛岡駅を5分遅れて出発.自分の隣にも乗客が乗っていた.

320km/hで爆走!

盛岡宇都宮間では営業最高速度320km/hで運転する.盛岡までは準備運動のような雰囲気,流しで走っていたが,盛岡からは明らかにスピード感が違う.遅れ回復運転であることも相まって,めちゃくちゃ速い.

流れていくのどかな車窓に視点を合わせるのも大変なくらい.近くを見ていると疲れてしまうスピードだ.

仙台には3分遅れ,大宮には定時到着予定とのアナウンスが流れる.

車窓には四角錐型の低い屋根の家が多い.野焼きの煙と薄曇りで白くぼんやりとした空気の中を17両編成の列車が高速で駆け抜けていく.

新花巻,北上を高速で通過.

車窓がまた都会に戻ってきたな~と思ったらあっという間に仙台に到着した.16時半.新函館北斗から約3時間.仙台では7号車から20人近く下車し,またそれに近い人数が乗車してきた.車内の乗客は半分近く入れ替わった.

定刻より少し遅れているので,乗降が終わったらすぐに出発.

東北一の大都会,車窓にはしばらく高層マンションも見えた.

仙台出発後の車内放送では,大宮にも遅れて到着するとのこと.

白石蔵王駅を通過,E2系とすれちがった.

北上高地が,住宅の背後に大きく見えるようになった.すっかり曇り空.

福島駅をフルスピードで通過.それにしても速い.カーブになると身体がじわーっと遠心力で外側へ押し出される感覚が強い.東海道新幹線にはない感覚だ.

17時ちょうどに郡山を通過.仙台=郡山はわずか30分足らずで駆け抜けた.遅れ回復のため,快走が続く.

車窓を見たり,旅のまとめを綴ったりしながら過ごす.

進行方向右側の座席,西の空に沈んでいく夕陽が見られることを期待したけど,午後から雲の厚さが増して,太陽の光はうっすらと差し込むのみ.

ふと目に入った車内の電光掲示板.

讀賣新聞ニュース【高校生、5人に1人が休日にスマホを6時間以上触る.3時間以上は全体の6割越え】…

スマホがなかった小学・中学時代は,休日何をやっていただろうか…おそらく僕は近所の公園で草野球をしたり,神社に虫取りに行ったり,そういう感じだった気がする.割とディジタルには無縁だった.スティーブジョブズが世に送り出したスマホは,おそらく「人類最大の発明」だ.こんなに小さいコンピュータで,たくさんのことが簡単に,誰でも,できるようになった.便利であることには違いないけど,便利すぎるとも考えられる.YouTubeやSNS,常にインターネットに繋がれるようになって「しまった」が故に,自制しなければ何時間でもスマホで時間をつぶせる.だから高校生が6時間もスマホを触るのだ.いい暇つぶしといえばそれまでだけど,スマホで体験できることはあくまでも画面を通した2次的なこと.五感に直接訴えかけてくるリアルワールドの方が,もっと面白いことが体験できるのでは?と思う.

そんなことを考えていたらいつの間にか車窓は大都会.

余っていた予算で買った,ちょっと豪華なサンドイッチでもぐもぐタイム.ロイヤルブレットなんてそうそう食べない.

大都会にやってきた

大宮駅14番線に入線.1分遅れでの到着.盛岡からの遅れは320km/h運転でほぼ取り戻した.

ふと目に入ったホームの立て看板「JR東日本の新幹線Ⅱ」には,懐かしい列車が載っていた.400系もE1系も,憧れの存在だったな.今ではE2系もだいぶ少なくなった.

大宮駅を出発,車窓から緑は消えた.びっちりと詰まった住宅高層マンション雑居ビル,長い間北海道を走っていたせいか,都会の車窓は息苦しく感じてしまう.

17:58上野駅地下ホームに到着.上野駅の地上ホームは降りたことがあるけど,地下にある新幹線ホームには降車経験が無い.

上野から東京までは数分で到着する.車内では乗客が降車の準備を始める.長いようで短い北海道・東北新幹線の旅もそろそろおしまい.

東京駅到着

東京駅についた.20番線に入線したE5系&E6系は折り返し,新青森・秋田行きのはやぶさ・こまち35号として運転される.

となりの21番線は,上越新幹線Maxたにがわ号越後湯沢行きが出発間近.Maxと冠する列車はE4系での運転.こうやって近くで見ると,本当に大きい.流線型の新幹線のイメージとはかけ離れた,箱のような形だ.

繰り返しの出発放送がなされたのち,ゆっくりと出発していくE4系を見送って,名古屋方面の東海道新幹線に乗り換える.

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のぞみ407号|東京→名古屋

東京駅からはいつもの東海道新幹線.

東京→名古屋の特急券を買っていなかったので,のりかえ改札は通れないのかな?と思って右往左往しながら日本橋改札まで歩いた.

東京駅で東海道新幹線乗り換え

日本橋改札で途中下車.ホームの端にある小さな改札.わざわざこんなに遠いところまで歩かなくても,東北新幹線=東海道新架線のりかえ改札で事情を話せば通してくれたのでは?と思ったけどもう遅い.東京駅はとにかく広くて,今自分がどこら辺にいるのかあまりわかっていない.多分,端の方にいる.

日本橋改札からさらに歩いて,東海道新幹線の自動券売機で自由席特急券をさくっと購入.東海道新幹線日本橋口から入場.

こだまか,ひかりか,のぞみか迷った.東北新幹線とは違い運行本数が多く,どれに乗っても帰れる.できるなら空いているこだまかひかりがよかったけど,ちょうどよく臨時ののぞみがあったので,乗ることにした.

のぞみ407号新大阪行
東京1847=名古屋2028

隔日運行の臨時のぞみ.新大阪までの列車だ.

始発駅からの乗車なので座席はしっかり確保できた.

のぞみだから混雑は覚悟したけど,思ったより空いている.この列車の3分後に東京駅を出発する博多行きの最終列車「のぞみ59号」から乗客を分離する狙いもあるのかもしれない.

N700のラージA編成.

博多行き終列車ののぞみ59号.こちらはスモールA編成.いろいろな列車が一堂に会すバラエティ豊かな東北・北陸・上越新幹線のホームとは違い,東海道新幹線のホームはN700系に統一されている.これはこれで洗練されていてかっこいい.

チキン弁当&シンカンセンスゴイカタイアイス

のぞみ407号は東京駅を定刻で出発.東海道新幹線の車内は,東北新幹線とは客層が少し違う.車内の雰囲気も静かで非常に落ち着いている.

そんな中で僕はといえば,最後の楽しみである駅弁をまったりと楽しむ.車窓は暗くて見えなかったので別記事参考.

ホームで売っていた#シンカンセンスゴイカタイアイス

一度はやってみたかったこれ.念願が叶った(ちなみに,買ってから少し時間が経っていたのでガッチガチではなかった)

アイスクリームが食べ頃になるのを待つ間に,夕食として駅弁を食べる.

今回は【チキン弁当】をチョイス.赤い外箱にレトロな字体で「チキン弁当」の文字.

中はこんな感じ.

唐揚げにかけるのはタルタルソース,チキンライス,ケチャップ味のスパゲティ,ピーマン.結構歴史ある駅弁らしい,シンプルな中身.

素朴な見た目だけど,味はいい.昔ながらの唐揚げ,濃いめの味.チキンライスはパサパサしてなくて,ケチャップの味がちょうどよくて美味しい.

東京~品川の夜景を眺めながら,駅弁を堪能.

食後はちょっと溶けかかっていたスジャータアイスを楽しんだ.想像以上に味が濃厚だった.ちょっとお高いアイスクリームなだけあって,そこら辺のカップアイスとは違う.

名古屋駅到着~旅の終わり~

東海道新幹線は何度も乗っている.のぞみは東京から名古屋まで1時間40分.スマホでPENTAXのレンズをウィンドウショッピングしていたら,もう静岡県内を通り過ぎていた.途中新横浜しか停まらないから,本当に速く感じる.

名古屋到着.20時30分.

まだまだ多くの乗降客で賑わう日曜日の名古屋駅で,この鉄道旅はおわり.長いようで短い,夢の旅だった.

まとめ:新幹線のおかげ

丸一日かけて帯広から名古屋まで鉄道で移動した.「丸一日」かかったのは長いように感じるけど,新幹線のおかげで名古屋から北海道まで1日で行けるようになったとも考えられる.鉄道ファンにとっては素晴らしいことだ.

いずれ北海道新幹線が延伸して,札幌まで乗り換えなしで行けるようになると思うと,ワクワクする.また開通したら乗りに行こう.

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