【東海道新幹線】開業から55周年!速度,車両,設備はどれだけ進化した?

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1964年10月1日の東海道新幹線全線開業から55周年を迎えます。

5年前の50周年に比べるとPR等には力を入れていないものの、2019年は東海道新幹線にとって1つの節目の年となります。

開業からの進化を振り返りつつ、今後大きな転換期を迎える東海道新幹線の今を考えます。

55年前もオリンピックに向けて大工事

東京では現在、2020年の東京オリンピックに向けて対応が各事業者で進められています。

55年前の東京でもオリンピックに向けて首都高速を急ピッチで整備したり、東海道新幹線を整備したりと、今の比でない大規模な工事を積極的に行っていました。

1957年に答申・1958年に認可・1964年に開業という東海道新幹線開業までのスピード感の異例さは特筆に値しますが、この早期開業を手助けしたのは戦前の弾丸列車計画です。

この弾丸列車計画は日本から中国・満州国(当時)に物資を運ぶための新線として計画・着工されたものの、戦況悪化により中断されています。

新路線建設で特に長大な期間を要するトンネル掘削。戦前の計画の時点で難工事ポイントである日本坂トンネル・新丹那トンネルなどの工事を進めていたことが東海道新幹線建設の早期開業を手助けしました。

1964年10月1日に開業した東海道新幹線ですが、10月10日に始まる東京オリンピックに何とか間に合わせる形で整備を進められており、その後の日本経済を大きく後押ししたことは大きなメリットとなりました。

車両は現在第五世代まで・速度向上の歴史

東海道新幹線の形式は大きく分けると下記の5形式です。

東海道新幹線用に国鉄〜JR東海が投入した形式

 0系(210km/h):1964年〜1998年(1995年以降は名古屋以西のみ)

100系(220km/h):1985年〜2003年

300系(270km/h):1992年〜2012年

700系(270km/h):1999年〜2020年3月引退予定

N700系(285km/h):2007年〜

速度変化としては300系が大きく注目されましたね。

食堂車などの旅客サービスを充実させていた0系・100系と比べると、早く到達することに全振りしたという点で現在の東海道新幹線の基本体制に近いものを築きました。

従来のひかり・こだま体制を一新する「のぞみ」の登場により大きな注目を集めた一方で、一部列車の名古屋駅通過で物議を醸しました。

N700系ではカーブの多い線形を克服するための車体傾斜装置を搭載。

このN700系では285km/h運転に加え、カーブ通過速度の向上や加速性能を大幅に向上させており、のぞみ号中心ダイヤの更なる進化に貢献しています。

実は満身創痍?急工事で苦労する高速化・安全性確保

急ピッチで開通にこじつけた東海道新幹線ですが、後発の新幹線に比べて高速化や設備の老朽化に悩まされることとなります。

後発の新幹線に比べてカーブが多い線形となっている点には特に苦労しており、JR西日本の独自開発の500系や、第四世代となったカモノハシ=700系新幹線が山陽新幹線で300km/h・285km/hでの高速走行をしていながら、東海道新幹線内での最高速度は300系同様の270km/hに制限されてきました。

この課題は第五世代=N700系新幹線にて車体傾斜装置を実用化するまで苦しめられることとなりました。

また、設備面の課題も多く抱えており、1976年から1982年のシーズンオフの水曜日に午前中の全ての列車を止めて「若返り工事」を実施しています。

2013年からは100年〜150年の寿命延長に向けた大工事も各所で実施されています。

第六世代・N700S系の量産と今後

東海道新幹線では、N700系列への形式統一を2020年春に控えており、これによりのぞみが最大で毎時12本体制という新時代を迎えます。

そしてこの後、新型N700S系の量産車によりN700系列の初期車の置き換えが始まります。

このN700S系の最大の特徴は、様々な編成両数への短縮を想定された構成となっていることが挙げられます。

これは、2027年にリニア中央新幹線が開業した後に東海道新幹線の輸送体系が大きく変化することを想定してのことです。

従来ののぞみ中心ダイヤ・こだま毎時2〜3本・ひかり毎時2本という体制が大きく変化することにより、静岡県内の利便性向上に大きな期待もされています。

このほか、この変化による新駅建設に期待する沿線自治体もありますね。

第六世代のN700S系とリニア中央新幹線の開業。開業以来、高速化と増発が続く一方であった東海道新幹線の大きな転換期となることでしょう。

まだまだ日本の看板路線である東海道新幹線の今後はとても楽しみですね。

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