9月29日に30年の活躍を終えて、ついにラストランとなってしまったJR北海道のリゾート列車第5弾・クリスタルエクスプレス。

私も、28・29日両日で行われたラストランに乗車したかったのですが、残念ながら指定券を取る事はできませんでした。

その代わりではありますが、9月14日、そして21日の2週に渡りクリスタルエクスプレス車両を使用した臨時特急・フラノラベンダーエクスプレスを利用した乗り鉄に出掛けて参りました。

今回は、9月14日分の乗り鉄旅を紹介します。

 

 

 

その日は学園都市線の2538Mで札幌駅に出て、必要な乗車券類を購入した後にフラノラベンダーエクスプレス3号が発車する5番線ホームへ向かいます。

 

 

 

苗穂方からクリスタルエクスプレス車両が入線します。5番線ホームは隣の6番線とともに快速エアポートの発着にも使われるため、入線は約10分程前となります。

(冒頭の画像とは別カット)

 

 

今回乗車したのは先頭1号車(指定席)のキハ183-5102。

 

 

 

今回使用した乗車券類。

乗車券は札幌市内→札幌市内の一筆書きです。富良野からは新得へ根室線~代行バスで出て、そこから石勝線経由で札幌へ戻るルートです。特定市内発着なので私の最寄駅からでも乗車できるのですが、特急券はえきねっと予約で、ポイントを貯めるべく指定席券売機で受け取るため札幌駅へKitacaで乗車し、改札を出て指定券受け取り後、乗車券はみどりの窓口で購入しました。特殊経路なので自動改札が使えないため(投入してもエラーで戻ってくる)、乗車券には改札スタンプが押されています。

 

 

 

フラノラベンダーエクスプレス1号車の車内。えきねっとサイトでは指定席は満席表示でしたが、実際は空席がチラホラ。

私の隣席には中華系旅行者の若い男が乗ってきたのですが、車掌とのやりとりで英語を話していました。やはり『ジャパンレールパス』利用で、指定券は取り放題。北海道フリーきっぷも指定券は6回までと制限が付いているのに、それよりさらに割安運賃で乗れる外国人向けパスは取り放題なんて不公平極まりないですね!今回の空席も多分、外国人向けパスで指定券を取ったけど予定変更で乗らなくなってそのまま放置された席ではないのでしょうか…。

 

 

岩見沢を過ぎた時点で車内見物。

気動車連結としては初となるダブルデッカー・3号車キサロハ182-5101の2階にあるラウンジ。

この日は長居する乗客やヲタがいなかったのでラウンジの撮影ができました。ラストランだとこうはいきませんからね!(乗れなかった者の負け惜しみ…)

 

 

 

2階ラウンジ階段寄りの壁には札幌時計台を描いた絵が飾られていました。

 

 

コチラは1階部分にあるラウンジ。

 

 

ラウンジの反対側の車端部には1階個室部分への階段が設置されており、通り抜け防止の観点か側通路は行き止まり構造となっています。

金ピカの手摺にバブル時代を感じます…。

 

 

キサロハの記号が表すように、1階個室は当初グリーン車扱いでしたが、2001年冬シーズン以降は普通個室となり、さらに晩年は多目的室として座席販売はされていませんでした…。撤去された先頭車の展望席同様、実に勿体ないです。財政難のJR北海道なんだから、最後はグリーン個室としてボッタクリ価格で販売すればマニアが喜んで指定券を買っていたと思うのですがねぇ。ラストランの際は記念撮影用に開放されていましたが、個室として利用できた時に乗っておけばよかった…と後悔する事しきりなのです。

 

 

個室のカードキースロット。車端部にある荷物置き場の横には個室専用のカギ付きロッカーがあり、カードキーによる施開錠が可能になっていました。

 

 

2号車キハ182-5101の車端部には自販機が設置されていましたが、隣の公衆電話スペースとともに閉鎖されて利用は不可能。

 

 

札幌から2時間、11:07に富良野駅に到着。

 

 

到着後、クリスタルの撮影もそこそこに東鹿越行き9627Dに乗り換えます。

 

 

9627Dはキハ40 730(旭アサ)の単行。

 

 

車号からのお解りのように、730は未更新車。

9月とはいえ、この日はまだ汗ばむ陽気だったので天井の扇風機が大活躍でした。

 

 

かなやま湖が見えてくると、終着・東鹿越はもうすぐ。

 

 

12:00に東鹿越駅に到着。ほとんどの乗客が、新得への代行バスに乗り継ぎます。

 

 

12:05に代行バスは新得へ向けて出発。

3連休の初日もあってか、いつもより多めの15名程が乗車していました。

 

 

東鹿越から道道を通り、幾寅の近くで列車が来なくなった踏切を渡るのですが、日高本線と同様に遮断桿は撤去され、線路には雑草が生い茂ってまるで廃線跡のような惨状に、鉄道ファンの私は心を痛めるのでありました…。

 

 

高倉健主演の映画『鉄道員(ぽっぽや)』の舞台となった幾寅駅。地元客が少しばかり降りていきました。

 

 

狩勝峠の手前にある落合駅。

 

 

狩勝峠を越えて十勝に入ると、雄大な景色が広がります。

新線切替前の根室本線の車窓からも雄大な眺めが楽しめたとの事ですが…。

 

 

代行バスはサホロリゾートに寄り道し、利用客の便宜を図っています。代行バスになった当初は停車していなかったのですが、ルートの途中にあるために要望があったものと思われます。

そういえば、今回の旅で乗車したクリスタルエクスプレスも、本来はこのサホロリゾートへのアクセスとして誕生した車両だったのですが、結局最後に石勝線を走る事なく、その歴史に幕を下ろす事となりました。

 

 

代行バスは終着・新得駅に到着。定刻だと13:13ですが、余裕時刻があるため5分以上早着しました。

 

 

 

新得駅前にある『火夫の像』。新狩勝トンネル開通以前の狩勝峠は蒸気機関車にとっては大変な難所で、機関士の窒息事故が起きた事もありました。この像はそんな労苦を偲ぶべく建てられたもの。

 

 

新得からは14:07発のスーパーとかち8号で新夕張へ向かいます。13:30発のスーパーおおぞら6号は次のトマムには停車しますが、新夕張には停車しません。

 

 

新得駅には今では珍しくなった電照式の発着時刻表が現役で残っています。

 

 

新得町は9月28で終了したNHK朝の連続テレビ小説『なつぞら』の舞台でもあり、駅舎内に出演者のサインが飾られていました。

 

 

お昼時はとうに過ぎたのですが、腹ごしらえのために駅そばを食べようと店に入ろうとしたら『準備中』の札が…。

代行バスから降りた乗客が続々と入店して私が入り込む余地はありませんでした。

 

 

仕方がないので駅周辺で食事のできる場所を探そうと外へ出ると、駅前の角に食事処『暖笑』があったのでそこに入る事に。

 

 

私が注文したのは『上カツ丼』(確か¥1100)。

結構なボリュームで、お腹がかなり満たされました。その後入った客は普通のカツ丼を注文していましたが、チラ見したらそれも十分なボリュームでした。

なお、駅前食堂らしく『列車に乗る方は声を掛けてください』と張り紙されており、待ち時間に余裕がなければ列車内で食べられるように持ち帰り対応する事も可能だそうです。

 

 

お腹が満たされた処で駅に戻り、38Dスーパーとかち8号に乗車します。

この日は1両増結の5両編成で、先頭は幕式ヘッドマークのキハ261-1206。

 

 

スーパーとかちは自由席1両なので、私が乗るのは先頭5号車。

3連休なのでさぞかし混んでいると思いきや、予想に反して自由席はガラガラ。

 

 

新夕張までは普通列車のない『特例区間』なので、乗車券のみで特急列車に乗車できます。

今回はなぜか車内改札が回ってきませんでした。

 

 

 

3月31日限りで廃線となってしまった夕張支線の橋梁が見えてくると、新夕張駅に到着します。

 

 

最後尾はLEDヘッドマークに改造されたキロ261-1102でした。

消費電力の関係か、LED版は黒地ベースとなっています。

 

 

夕張支線への隣駅・沼ノ沢は白テープが貼られただけの駅名標。

 

 

夕張支線が廃線になった事で、乗り換え路線も消滅しました。

 

 

夕張支線廃線後は3・4番ホームは使用停止され、通路には立入禁止のバリケードが。

 

 

今回、新夕張駅で下車したのは9月30日を以て販売終了となる『わがまちご当地入場券』を購入するためです。

夕張支線廃線後は夕張駅に代わって新夕張駅のご当地入場券が新たに発行されたのですが、まだ未購入だったので土曜日のこの日に買いに行く事にしたのです(画像にもある通り、窓口は日祝定休日)。

 

 

そして購入したご当地入場券。今回の購入を以て、入場券分は全てコンプリートしました!

しかし、まだ応募券を送付して貰える列車カードはまだゲットしておらず…。11月中までに忘れずにJRに送らなきゃ。

 

 

ここから札幌へは特急で一気に戻ります。100㎞以下なので自由席はプラス¥1130で済みます。

 

 

釧路行き4007Dスーパーおおぞら7号が停車中の新夕張駅。

 

 

駅前の広場には夕張支線の廃線代替バスの車両が待機していました。

 

 

私は駅前にある道の駅・夕張メロードに立ち寄りお土産を物色します。

 

 

道の駅で買ったお土産品。

夕張といえば『夕張メロン』なので、その果汁を使用したゼリー『シャーベリアス夕張メロン』(¥583)です。

 

 

再び駅に戻ります。

待合室の一角には新夕張駅の前身・紅葉山駅をはじめ、新夕張駅にまつわる貴重な写真を展示するコーナーが設けられていました。

 

 

 

新夕張からは4008D特急スーパーおおぞら8号で戻ります。

出改札の営業時間は15:30で終了するため、時間を見計らってホームに出ます。

 

 

夕刻になったのでホームに照明が灯りましたが、使用停止中の3・4番線ホームの照明は点灯状態になっています。

 

 

 

釧路からの4008Dスーパーおおぞら8号が到着します。

コチラは所定の283系6両編成。スーパーおおぞら系統にもいよいよ261系を導入という噂が流れていますが、JR四国の特急が再び振り子式を採用したのに対してJR北海道は振り子式はおろか車体傾斜すら捨ててしまい、スピードアップへの道が閉ざされてしまったのは残念でなりません。

 

 

 

やはり、先頭6号車に乗車します。

この日は指定席がある程度埋まっていましたが、自由席は1つおきにシートが埋まっている程度。

このキハ283-10は初期型の車両で、オリジナルの丹頂柄モケットのシートでフットレストが装備されていますが、普通車のシートピッチにはフットレストは馴染まず、以降の車両には装備される事はありませんでした…。

 

 

新夕張から約70分、札幌駅には17:56に到着。

約400㎞、9時間に及ぶ道央圏一周の旅が終わりました。

 

 

次回は、私にとってクリスタルエクスプレス(車両)の最後の乗車となった、9月21日の乗り鉄旅のブログをお送りします。