【名古屋市交通局】珍編成!3159H運用離脱か〜特異な経緯と延命

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名古屋市交通局では、鶴舞線にて開業以来製造されていた3000形について、新型のN3000形への置き換えを順次進めています。

そのなかで、増備車であった3050形についても初めての運用離脱編成が登場した模様です。

特異な出で立ちで登場以来ファンの人気が熱かった3159Hの登場から今を振り返ります。

3000形の登場と組み替え劇

鶴舞線開業・路線延伸とともに製造が進められた3000形は、1976年(昭和52年)から1984年(昭和59年)にかけて4両23編成・92両が製造されました。

その後、1993年(平成5年)には鶴舞線の全線開業・名鉄犬山線との相互乗り入れ開始に伴って、次世代型の3050形が登場しています。

これと同時期に3000形についても6両化が進められることとなり、既存の4両編成を組み替える形での6両編成化改造が進められました。

6両15編成が組成され、余る形となった3706-3806の2両については、1993年度の最終増備となった3159Hを4両編成で新造・3000形組み込み機器を搭載の上でこの中間車として収まることとなりました。

この2両は開業時から活躍する初期車が選定されていますが、これは3000形初期車の置き換え開始時に3050形により編成統一をすることを前提としていたのではないかと推測できますね。

圧倒的な違和感がある連結面が見どころでした。
運転台撤去がされた元先頭車側。

置き換えについては結局しばらく行われず、後継形式・2011年(平成23年)に登場したN3000形により進められることとなりました。

この際にも当然ながら開業時からの車齢が高い編成から置き換えが進められたものの、3159Hに紛れ込んでいた初期車・3706-3806Aの2両はなかなか置き換えられることがありませんでした。

N3000形2両を組み込んだ新たなる形態となるのか、はたまた既存の3050形のリピートオーダーを久々に行うのか……ファンからの憶測は様々なものでしたが、結局編成単位での置き換えとなったようです。

3050形自体は今後もまだまだ活躍する形式であること、先に製造された3050形8編成より短命に終わってしまったことなどを含め、24年という随分と短い生涯に幕を下ろすこととなりました。

同業他社でもよくある不憫な事例

同様の事例として、東京都交通局・新宿線で薄命に終わった10-300R形が最も有名でしょうか。

こちらについても、増備車で経年が浅かった10-000形の増結中間車を有効利用しようとした結果、特殊な先頭車を新造、その後すぐに編成丸ごと置き換えられるという「安物買いの銭失い」となってしまった点で非常に似ています。

今後は東急目黒線・東京メトロ南北線系統でこういった経年が大幅に違う増備がありそうですが、彼らについても今後の展開が少し心配ですね。

いつの時代も異端な車両は不遇な最後を迎えることが多い鉄道業界。

現在製造中のN3000形についても、第一編成であるN3101Hだけアルミ車体(以降はステンレス製)という異端児が既に居ますが、彼には長い活躍に期待したいところですね。

3000形の置き換えの計画は本来は全然違っていた?

現在置き換えが進められている3000形ですが、本来だったら置き換えの時期は2006年〜2010年の5ヶ年で実施されるはずでした。

こちらについては、名古屋市交通局が東山線5000形を先に置き換えることとしたために延期となっています。

もしこの際の順番が逆になっていたらまた違った展開だったかもしれません。

この計画時点では3050形の増備再開を前提にしていたため、この時点では登場から10年ちょっとであった3159Hが編成単位での置き換えにならず、中間の3000形の置き換えとなっていたはずです。

個性的な形態が今日まで見られたのも計画変更故。
開業時の車両もついに見納めです。

計画延期とする際にも、この異端な3706-3806Aの2両だけは3050形製造で置き換えておけば現在の置き換えは回避できました。

そして、N3000形の投入開始の2011年でも車齢は16年でしたので、この時に増結用中間車を製造する判断をしていれば……ですが、これを実施すると今度はこの2両が短命に終わるということで見送られたのでしょうか。

いずれにせよ、もし計画が遅れなければ3159Hは今日も元気に走り回っていたかもしれないと思うと、やっぱり不遇な編成と言えそうです。

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元ツイート紹介

今回の画像は、きんとき様(@kintoki_1013)から画像をお借りしました。

末筆ながらたくさんの画像提供ありがとうございました。

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