西鉄・地下鉄直通列車の運用案 | 京阪大津線の復興研究所

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大津線とは、京阪の京津線と石山坂本線の総称です。
この大津線の活性化策を考えることが当ブログの目的です。
そのために、京阪線や他社の例も積極的に取り上げます。

現在の地下鉄箱崎線の昼間時は、貝塚―中洲川端間の線内折り返し列車と、空港線に乗り入れる西新発着列車がそれぞれ毎時4本ずつ走っています。西鉄貝塚線は15分に1本の運転なので、地下鉄との直通運転実施時には、西鉄香椎―西新間を一本化すれば事足ります。

 

なお、箱崎線の昼間時の線内折り返し列車は需要が相対的に少ないので、西鉄用の新造車両を分割して3両で運行するのも一案です。

 

一方、ラッシュ時の箱崎線は空港線への直通列車が貝塚発7時38分から8時03分まで途切れ、増発もなされないので昼間時より不便なのが現状です。貝塚線に合わせて西鉄香椎―姪浜間に直通列車を10分毎に設定し、貝塚―中洲川端間の線内折り返し列車と交互に運転する必要があるでしょう。

 

この場合、中洲川端から先の区間で、西鉄からの直通列車が空港線列車と重なるケースが発生します。ただ、現ダイヤで8時台に中洲川端を発車する列車は19本ですが、その中で箱崎線からの直通列車は4本に過ぎません。

 

空港線の需要のほうが大きいとはいえ、あまりに偏っています。ダイヤの調整がつかない場合は直通列車を優先し、空港線列車の一部を中洲川端折り返しに変更するべきです。

 

なお、西鉄香椎―姪浜間の直通列車を貝塚―中洲川端間無停車の「快速」に格上げすれば所要時間を5分程度短縮できます。快速通過駅では停車列車が昼間時より減ることになりますが、箱崎線の各駅は職住近接地帯に位置しており、ラッシュ時の都心直通需要は相対的に少ないと考えられます。

 

ここは、郊外からの流入が期待できる西鉄貝塚線からの直通列車を優先すべきでしょう。中洲川端では折り返し列車の直後に快速が到着し(夕ラッシュ時はその逆)、空港線ホームへの移動が必要なくなるので、全体的な利便性はむしろ向上します。

 

西鉄と地下鉄の直通効果は貝塚線沿線だけに留まるものではありません。西鉄千早で接続するJR鹿児島本線からの乗り換え客の獲得も見込めます。

 

千早乗換は西鉄と地下鉄の運賃が合算されるため概して割高ですが、西鉄にとって幸運なことに、鹿児島本線の主要駅であり乗降人員(JR九州発表の2016年度乗車人員の2倍)が16,854人の福間と、同18,362人の赤間からは、天神までの片道普通運賃が博多乗換の場合よりも安くなっています。

 

具体的には、福間→博多間460円+博多→天神間200円=660円に対して、福間→千早間280円+西鉄千早→貝塚→天神間350円=630円です。

 

また、赤間→博多間650円+博多→天神間200円=850円に対し、赤間→千早間460円+西鉄千早→貝塚→天神間350円=810円です。西鉄千早→貝塚→天神間は本来150円+260円=410円ですが、西鉄と地下鉄が30円ずつ割り引いているのが奏功しています。

 

一方、天神までの1ヵ月通勤定期運賃は、福間―博多―天神間21,970円に対し、福間―千早―貝塚―天神間23,030円です。また、赤間―博多―天神間27,420円に対し、赤間―千早―貝塚―天神間28,950円であり、いずれも博多乗換のほうが安くなります。

 

千早―貝塚―天神間の乗継通勤定期券では、地下鉄が1ヵ月10,030円を1割引の9,030円に下げていますが、西鉄側には割引がありません。千早でのJRとの乗継時に、西鉄も通勤定期運賃を1ヵ月6,350円から1割引の5,720円に下げることが望まれます。

 

これに加えて、地下鉄を2割引に拡大して8,020円とすれば合計で1,640円引きとなり、博多乗換より安くなります。貝塚線と箱崎線の直通運転の初期投資は西鉄側に重くなるので、直通開始後には地下鉄側の割引を手厚くしてバランスをとるのが妥当です。

 

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