【大阪梅田問題】変更してもバラバラ?大阪・神戸の複雑な駅名事情

スポンサーリンク

阪急電鉄と阪神電気鉄道の「梅田駅」の名称変更が、10月1日に迫ってきました。

駅名変更により観光客にもわかりやすい駅名になることが期待されていますが、10月1日以降も他の駅名がバラバラなことに変わりはありません。

今回は大阪・神戸の複雑な駅名事情とその背景をお伝えします。

神戸の中心はどこ? 複雑な神戸の駅名事情 

そもそも神戸の中心はどこでしょうか。

神戸駅周辺と思われがちですが、神戸の中心地は神戸駅から少し東にある三宮です。

三宮にはデパートや大型アーケードを持つ商店街などがあり、いつ訪れても賑やかです。また三宮から北に15分ほど歩くと、北野異人館街があります。

一方、神戸駅周辺はショッピングセンター、ハーバーランドぐらいしかありません。駅周辺の賑わいだけを見ても、神戸駅周辺と三宮駅周辺はまったく異なります。

三宮には以下の路線が乗り入れています。以下の表をご覧ください。

・阪急・阪神:神戸三宮駅

・JR西日本:三ノ宮駅

・神戸市営地下鉄、ポートライナー:三宮駅

阪急と阪神は2013年12月に三宮駅から「神戸三宮駅」に変更しました。

変更の背景には「神戸の中心がどこかわかりにくい」という声がありました。一方、神戸市営地下鉄や三宮と神戸空港を結ぶポートライナーは「三宮駅」のままです。

不思議なことにJRは「ノ」が入ります。「三ノ宮駅」が開業したのは1874年(明治7年)のこと。「ノ」を入れた理由としては当時、三宮という地名が全国的に定着しておらず、誤読される可能性があったから、とのことです。

ちなみに同じように「ノ」が入っていたJR西ノ宮駅は2007年(平成19年)に現行の「西宮駅」になりました。駅名変更にあたって発生した費用は地元が負担しました。

なお筆者の知る限り、「三ノ宮駅」から「三宮駅」への変更に対する地元の熱意は弱く、JR西日本も消極的な姿勢を示しています。

さて「神戸三宮駅」にした阪急・阪神ですが、神戸高速線(神戸高速鉄道)には「高速神戸駅」が存在します。駅名変更をしても、スッキリ「わかりやすい」とはならないようです。

なかなか統一できない大阪駅、梅田駅

大阪・キタの中心地、梅田。終日、三宮よりも賑わっており、最近は多くの訪日観光客が行き交っています。梅田に乗り入れる鉄道路線は以下のとおりです。

阪急・阪神:梅田駅→10月1日から大阪梅田駅

JR西日本 東海道線・大阪環状線:大阪駅

JR西日本 東西線:北新地駅

Osaka Metro 御堂筋線:梅田駅

Osaka Metro 谷町線:東梅田駅

Osaka Metro 四つ橋線:西梅田駅

Twitterを見ると「大阪駅と梅田駅が混在してわかりにくい」という声がよく聞かれます。そのような声があり、阪急と阪神は10月1日から梅田駅を「大阪梅田駅」に変更します。今回の変更により、少なくとも梅田にJR、阪急、阪神が乗り入れていることがより周知されることでしょう。

しかし、ここでも「スッキリ」解決とはならないようです。大阪メトロ御堂筋線「梅田駅」のまま。

しかも、大阪メトロには谷町線「東梅田駅」と四つ橋線「西梅田駅」があり、両路線には「梅田駅」はありません。「東梅田駅」「梅田駅」「西梅田駅」は相互乗換が認められていますが、乗換には徒歩5分~10分の時間を要するのでご注意を。

さらに「西梅田駅」の隣にはJR東西線「北新地駅」があります。

駅名が異なるせいか、JR東西線と大阪メトロ四つ橋線との間で簡単に乗り換えができることは知られていないような気がします。このように阪急と阪神が「大阪梅田駅」になっても、まだまだ注意は必要です。

意外と統一されている難波

「関西は駅名がバラバラだからわかりにくい!」という声を聞かれますが、統一されているところもあります。

それが大阪・ミナミの中心地、難波です。難波には以下の鉄道路線が乗り入れています。

近鉄・阪神:大阪難波駅

南海・Osaka Metro 御堂筋線・千日前線・四つ橋線:難波駅

JR西日本 関西本線:JR難波駅

いずれの駅名も「難波」が入っているため、比較的わかりやすいですね。

ここで注意したいのが大阪メトロ四つ橋線の「難波駅」です。御堂筋線「難波駅」から四つ橋線「難波駅」まで徒歩7分を要します。

こちらはむしろ「西難波駅と名乗ったほうがいいのでは……」といったくらい距離がありますので、御堂筋線と四つ橋線の乗り換えは大国町駅をおすすめします。

「JR難波駅」も各線「難波駅」から離れており、この「JR難波駅」は1994年(平成6年)9月3日まで湊町駅を名乗っていました歴史があります。

なぜ難波は統一されているのに梅田はバラバラ?

最後になぜ梅田は駅名がバラバラなのか、この謎を解き明かしたいと思います。

大阪駅が開業したのは1874年(明治7年)のこと。大阪駅を開業させたのは国です。以前から民間会社が大阪~神戸間に鉄道を敷くプランを持っていましたが、「民間会社が鉄道を敷くことはダメ」といって拒絶。大阪の人々は国の決定に不満を持ち、対抗心から「大阪駅」を「梅田」と呼び続けたとのことです。

その後、大阪市電や阪神、阪急が次々と梅田に乗り入れ、駅名を「梅田」にしました。このように地元と国の対立が今日の複雑な駅名事情になりました。

待ち合わせの際は「○○線の梅田駅、○○出口で」

これからもややこしい課題を抱え続ける関西の鉄道網。

待ち合わせの際は駅名だけでなく、どの鉄道路線か、そしてどの出口なのか、はっきりと明示するのが確実ですね。はじめて関西に来られる方は時間に余裕を持って行動することをお忘れなく!

関連記事はこちら

コメント