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エトセトラ

2019.09.16

約7年ぶりに復活した京急車の特急佐倉行。

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京急新1000形 1033編成
2019.8.10/仲木戸

▲特急佐倉行として走る新1000形1033編成。土曜日に限り金沢文庫で後ろに4両増結し、神奈川新町まで12両編成で走る
  • [土休日]779H 特急佐 倉
  • 始発:浦 賀757 → 終着:佐 倉1026
  • ダイヤ:2017.10.28修正
  • 備考:品川から快速、土曜日は金沢文庫〜神奈川新町間で後4両増結

土休日779Hは、浦賀始発の特急佐倉行である。2017年10月ダイヤ修正で設定されたもので、もとより同じ列車番号で走っていた浦賀発7時57分発特急青砥行を京成本線方面に延長した格好の列車として登場した。品川から種別を快速に変更し、都営浅草線・京成線内は快速佐倉行として走行。佐倉到着後は折返し快速西馬込行となり、西馬込〜佐倉を往復する運用に入る。京急車が京成線内を快速として走る運用は2015年12月より平日81H運行で設定されていたが、これが土休日にも見られるようになった。

京急線内で特急佐倉行が定期列車として走るのは、2007年12月から2010年7月まで設定されていた平日717H(2010年5月から723H)以来2度目のこと。約7年半ぶりの復活となっている。ここでは同じ特急佐倉行ながら、かつての717Hにはなかった、779Hならではの特徴を取り上げてみよう。

ひとつ目は、12両運転。779Hは、土曜日に限り金沢文庫〜神奈川新町間で12両運転を実施している。717Hも金沢文庫〜品川間で12両となっていたが、大きな違いは増結車の連結位置。717Hが品川方に増結だったのに対し、779Hでは浦賀方への増結となっている。この結果、717Hでは見られなかった、特急佐倉の表示を前面に掲げた12両編成が実現することとなった。717Hでは、金沢文庫で前に4両増結すると8両編成側で表示している特急佐倉の行先表示が増結車で隠れてしまっていたのである。

ふたつ目は、浦賀始発という点。快特や特急の多くが京急久里浜・三崎口発着のため勘違いしそうになるが、浦賀は京急本線の終着駅。そんな京急本線の末端部からの佐倉行というのも779Hならではの特徴であろう。浦賀から京成本線へ直通列車が定期的に走るのは、当列車が史上初めてのことと思われる。

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京急600形 607編成
2018.3.31/ユーカリが丘〜うすい

▲品川で種別を快速に変更。京急車ではもはやお馴染みの姿となっている快速佐倉行で京成本線を下る

京成本線に乗入れる京急車と言えば、車両に搭載している機器の関係からかつては原則的に600形と新1000形10次車(1121以降の編成)に限定されていたが、2018年7月より1500形やその他の新1000形も乗入れられるようになった。779Hにおいても冒頭の写真のように新1000形アルミ車がもはや当たり前のように充当しており、京成本線を走る車両のバリエーションを増やすのに一役買っている。

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