【相鉄】乗入直前で新展開?10000系がJR東・長野総合車両センター入場へ

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相模鉄道の悲願であった都心乗り入れプロジェクトがいよいよ実現間近となってきており、相鉄線を巡る動きが話題を集めています。

直通用の新造車・旧来の車両の引退・試運転での珍運行など色々な視点でクローズアップされていますが、誰もが眼中になかった相鉄10000系がJR東日本・長野総合車両センターに甲種輸送予定という予想外の動きが出てきました。

相鉄の車両情勢の変化とともに、この意外なニュースを考察していきます。

相鉄10000系の生い立ち

今回話題となる相鉄10000系は、従来独自色が濃かった相鉄車両から一転して、JR東日本の設計思想を強く取り入れた電車です。

最近の車両同様にJR車両の設計をベースとしていますが、その思想を最初に取り入れた車両となっています。

なお、最終増備となった10708×10については、8707×10の事故代替で追加製造の編成です。

標準化後の相鉄車の変遷

10000系(10両×3編成・8両×5編成):E231系準拠・前面は独自設計

11000系(10両×5編成):E233系準拠・前面も酷似しているが少し異なる

12000系(10両×6編成):E235系ボディ+E233系足回り・JR直通

20000系(10両×?編成・8両×?編成):日立A-trainベース・東急直通

→2018年株主総会時点では16編成予定(現在10両1編成・計画変更の可能性も)

登場時には相鉄の旧来車を自社設計を捨てた車両が置き換えたこと、前作の8000系・9000系の人気が高かったこと、8000系の事故車代替も行われたことなど、相鉄ファンからは落胆の声も大きい存在でした。

この辺りは他社の標準化の流れにも似たものですが、相鉄は直角カルダン駆動・自動開閉の側面窓・身だしなみを整える鏡などの拘りが強い車両の製造が続いていたうえ、前面形状以外はE231系ほぼそのままという内容でしたので、ファンからはとにかく不人気な車両でした。

デビュー後の変化としては、相鉄のCI・コーポレートカラー導入にあわせ、登場時の水色のカラーから現在の帯色に貼り替えが行われています。

相鉄念願の都心直通プロジェクトの構想から、様々な点をJRに近づけるという背景も見受けられる一方で、11000系のような直通を想定した車両でもないほか、8両編成も多い布陣から花形列車にもあまり入らない不遇な車両となっていました。

相鉄10000系の入場甲種輸送の経緯は?

本日発売の商業誌にて、JR東日本・長野総合車両センターへの入場甲種輸送の設定が明らかになり、一躍注目を集めることとなりました。

一部の車両が新津車両製作所製の相鉄10000系ですが、編成単位で製造された10707×8のみ信越本線・中央東線経由で輸送された実績(新潟中越地震の影響)があるものの、現行カラーが中央線を通るのは初となります。

そして気になる入場理由ですが、まずE233系に限りなく近い11000系もJR直通の対象外とされていますので、JR直通対応工事という可能性は限りなく低そうです。

入場の理由については明かされていないものの、JRの同世代車が床下機器類の更新工事を施工していることを考えると、同様のメニューとなる可能性が考えられます。

また、12000系が10000系・11000系とは逆向きで製造されているため、必要があれば出場甲種で逆転させる形となる可能性もあります。

何よりファンからの注目点としては、外観イメージを大きく左右する点となるヨコハマネイビーブルー(YOKOHAMA NAVYBLUE)の施工の有無でしょうか。

ラッピングで施工するのか、ステンレス車体で塗装前提の処理もされていないボディに塗装をするのか。はたまた機器更新のみに留めたメニューとなるのか。

9000系では塗装変更と同時に自社施工の内装工事についてもJRに外注しているのか。

引き続きの使用と、乗り入れに使用される予定はないこと、そしていずれヨコハマネイビーブルーとなるはずの10000系。どのような姿が見られるのか注目が集まっています。

相鉄の車両技術は高かったはずだが……

旧来の相模鉄道は、17m車の20m化改造をしたり、車体載せ替えをしたりと大規模な工事を自前で出来る、技術力は大手に引けを取らない会社でした。

これについては今も健在なのか、最近の9000系の横浜ネイビーブルー化についても、ヘッドライトなどの移設や内装更新などの大規模なメニューながら自社工場内にて施工されています。

その一方で、相鉄の事業用車・モヤ700系に検測機器を設置する改造については東急テクノシステム(恩田)に輸送して行なっています。

長野への輸送という経費をかけてまで外注した背景として、JR・東急との直通開始を前に関係を深めるという狙いもあるかもしれません。

また、自社の9000系リニューアルと並行するためにJR設計の10000系は外注とした可能性も考えられますね。

この場合は12000系に代替される廃車予定分の編成を改造完了まで残しておくことで、今後も活用する予定の車両のリニューアルを加速させることができます。

近年の相鉄の車両計画は二転三転している印象が否めませんので、東急直通までは予想外の大きな動きが出てきそうです。

既に2度に渡る塗装変更や、11000系の乗り入れなし、そして新ダイヤなど、近年はファンの予想を超えた動きを続ける相模鉄道。

最終的な車両の布陣がどういったものになるのかを含めて、今後とも目が離せない相鉄の今後が楽しみですね。

動画資料集

YouTubeチャンネル【鉄道ファンの待合室資料館】にてこの列車についての動画を公開しています。チャンネル登録・コメント・評価もお願いします。

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サムネイル元画像紹介

今回のサムネイル画像には、フォロワーのカードキャプターそうてつ様(@TY132021F)から、話題のE233系と10000系10両編成が並んだ貴重な画像をお借りしました。

この場を借りてお礼申し上げます。

コメント

  1. ☆非公開☆ より:

    私の記憶が正しければ他のJR車も長野など大きい工場に行って施工されたりしていたモニタリング装置の取り付けでは?

    なぜ新造車につけないのかというのは気になるが…