自社発注としては初めてとなる大型20mの車体を採用し、1964年に運行を開始した小田急2600形。
旧塗装から新塗装へと変遷した形式ですが、通常塗装とは異なる特殊な塗装を行った編成が多く存在しました。

最初に登場した特殊塗装の編成は、1967年に塗装が変更された2661Fと2662Fです。
小田急百貨店の本館が完成したことを記念したもので、白をベースとして、車体下部を赤く塗り、赤と金の細い帯を巻いていました。

翌年にこの2編成は6両化が行われていますが、その際に製造された中間車については、最初から特殊塗装とされました。
1969年には新塗装化され、旧塗装に戻ることなく通常塗装になりました。

続いて登場したのは、1982年のフラワートレインです。
2666Fの塗装が変更され、車体全体に花の絵が描かれました。

1983年にもフラワートレインは登場し、今度は2669Fが塗装変更されています。
車体下部をピンク色に塗った装いで、葉祥明のイラストが車体に貼られました。

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その後は動きがなかった2600形でしたが、残り1編成のみとなった2003年に、2670Fが旧塗装に変更されました。
冷房やスカートの有無といった違いはあるものの、懐かしい姿を最後に見せてくれたことになります。

小田急の中では、特殊な塗装になる機会が多かった2600形。
京王や東急では近年装飾編成が多く登場していますが、小田急はそういったものをあまりやらない方針のようで、ファンとしては寂しいものです。