【富士急】元371系「富士山ビュー特急」乗車記〜スイーツプランも人気

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富士急行では、今年3月から運行開始した富士回遊号の利用増で話題となっています。

一方で、以前より自社線内完結の特急列車として富士山ビュー特急とフジサン特急を運行しており、特にスイーツプランの登場・水戸岡鋭治氏のデザインで人気の富士山ビュー特急。

実際に乗ってみて感じた魅力をお伝えします。

使用車両・8500系とは?

富士山ビュー特急の8500系は、かつてJR東海で371系として活躍していた車両です。それまで「フジサン特急」として運転されて来た2000形(元165系「パノラマエクスプレスアルプス」)に代わり、その後継車両として導入されました。3両編成に改造、内装と車体色を一新し、2015(平成27)年度中に営業運転を開始する計画が立てられました。

車両デザインはJR九州のななつ星などで名高い水戸岡鋭治さんが手掛けました。2015年3月にJR東海より譲渡された車両は同年9月に長野総合車両センターで改造を終えて出場、甲種輸送で長野→大月→富士山の経路で輸送されて納入されました。

当初の予定よりは遅れたものの、車両技術センターにて内外装の整備が施されたのち、晴れて2016年4月より「富士山ビュー特急」として運行を開始しています。

運行ダイヤ・料金

フジサン特急同様、大月~河口湖で運転されます。平日・休日ともに毎日2往復が運転され、上下とも全列車が大月駅で中央線特急「あずさ」「かいじ」とスムーズに乗り換えができます(後述)。

特急列車ですので、フジサン特急同様に基本的には特急料金が必要です。大月~富士山・富士急ハイランド・河口湖は400円、都留文科大学前~大月、富士山・富士急ハイランド、河口湖はそれぞれ200円です。

ただし、特別車両に乗車する場合はさらに900円が必要となります。また、後述のスイーツプラン設定列車では大人4,000円、子供3,000円が必要です。

なお富士山~河口湖の各駅相互間に限り、特急料金は不要となります。

【大月駅接続列車(下り) 】

特急かいじ5号→富士山ビュー特急1号

特急かいじ9号→富士山ビュー特急5号

【大月駅接続列車(上り) 】

富士山ビュー特急2号→特急あずさ10号

富士山ビュー特急6号→特急かいじ12号

車内にも魅力がたくさん!

水戸岡鋭治流の木目調デザインの内装に生まれ変わっており、車内の面影は少なめ

3両編成で、富士山方1号車は全席指定の特別車両、それ以外の2両は自由席です。

筆者が利用した自由席車両は、木目調で温かみのある印象を受けました。座席も座りやすくなかなか快適だと思います。

また、同社線内に富士回遊として直通してくるE353系に乗り慣れた身としては、E353系よりも豪華で快適だというのが率直な感想です(もちろんE353系も快適ですが、それを凌駕する勢いといった感じでしょうか)。

四季折々の富士山周辺の景色を楽しめます

また富士山「ビュー」特急というくらいですから、8500系から眺める山梨の車窓も格別のものでしょう。特に、定期富士回遊では楽しめない前面展望を楽しめるのも大きな魅力です。

筆者が乗車した日は、4月にも関わらず平成最後の雪(富士山駅の駅員さんもこんなのは初めてと苦笑いされていました。)が降りしきり、一層景色が綺麗でした。

また、車内でのサービスが充実していることも特筆すべきことでしょう。

特別車両1号車ではドリンクサービスがあるほか、2,3号車の自由席でもアテンダントさんによるワゴンの車内販売があります。飲み物、軽食に加え富士急のグッズが数多くあり充実していました。

富士急グッズに限らず、富士山ビュー特急限定グッズ(ビール、クリアファイルなど)もあり、鉄道ファンは必見ですね。また取り扱いは特別車両に限りますが、山梨のワインや山梨産ぶどう・桃ジュースも取り扱っており、お土産を車内で買うのもよさそうです。

もっと楽しめる特別な「スイーツプラン」も!

前述のスイーツプランでは、「ハイランドリゾートホテル&スパ」のパティシエが手掛け、山梨の魅力も感じられる「富士山ビュー特急特製スイーツ」を楽しむことができます。タルトやヴェリーヌのほか、お土産に限っては持ち帰ることもできるという至れり尽くせりなプランです。

季節ごとにメニューの入れ替えもされており、このプランは土休日の1,2,5,6号で楽しむことができます。

注意点としては挙げられるのは

・富士山~河口湖の各駅相互間のみでは利用ができないこと

・富士急トラベル株式会社が企画するツアー商品のため、乗車券と併用は不可能なこと

・都留文科大学前発着の設定はないこと

この3点でしょうか。

狙って乗りたい素敵な列車

前面展望も魅力的です。富士回遊と富士山ビュー特急、乗り比べも良さそうですね。

種車の371系が1編成しか在籍していなかったため、必然的に富士急8500系も1編成のみの所属です。したがって検査と重なる場合は別の車両での代走となりますので、事前に運転日を調べた上で利用することをお勧めします。

特急富士回遊号の運転で、今まで以上に国内外問わず注目を集める富士山・河口湖エリア。新宿から直行できないというデメリットはありますが、大月で乗り換えてでも乗る価値があるのが富士山ビュー特急だと筆者は考えます。富士回遊では楽しめない、富士急の自社特急ならではのサービスを堪能できる富士山ビュー特急。皆様も機会があれば是非乗車してみてはいかがでしょうか。

(趣味的には、車両使用料などを鑑みていつかJR線内に富士山ビュー特急やフジサン特急が乗り入れてくれたら、それこそ大人気になると思いますが…)

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