はじめに

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狙ってないのに毎回東側ばかり訪ねてしまう
筆者。今回は,狙って東ヨーロッパを縦断することにしました。
簡単な行程としては,まずモスクワ経由でフィンランドに入り,エストニア,ラトビア,リトアニア,ポーランド,(スロバキア,)ハンガリー,セルビア,コソボ,北マケドニア,ブルガリア,トルコというように,鉄のカーテンの向こう側を2週間で陸路縦断していきます。
個人的な期待としては,前からフィンランドとエストニアの関係に興味があったのと,世界で最も新しい国コソボの現状や,ギリシャとの国交樹立のため国名を変えたばかりの北マケドニアなど,旧ユーゴスラビアに関心がありました。
惜しかったのはチャウシェスクのルーマニア,内戦が起こったボスニア・ヘルツェゴビナ(首都サラエボも)ですが,今回は日程の都合で泣く泣く外しました。

結論から言うと,各国は大なり小なりソ連の影響を受けており,それらの受け止め方は国によっても異なりました。一国あたりの滞在時間を考えると一つ一つの訪問先を深く知ることは困難だったかもしれませんが,現地ガイドらのリアルな話を聞くなかで,共産主義との距離という観点から東ヨーロッパ諸国を俯瞰できたように思います。

旅の始まりは北欧フィンランドから

元々フィンランドは行きたい国の一つだったので,バルト三国に行くならせっかくだし,ということでフィンランドから旅を始めることにしました。
とはいえ,今回は旅のメインの目的ではないし,滞在も一泊一日だったのでこの記事では軽く流したいと思います。
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まずはアエロフロートでモスクワ・シェレメーチエヴォに向かい,コードシェアしているフィンエアーに乗り継ぎ。
フィンエアーはいつか乗りたいと思っていたんですが,まさかモスクワ〜ヘルシンキ線のエンブラエルになるとは思いませんでした。
CAさんは2人のおばちゃんで,とても陽気な方々でした。国際線なのに地方路線のようなゆるさがあります。飛行機は,10時半を過ぎても微妙に明るいヘルシンキ・バンター国際空港に着陸。

入国審査では,二週間かけてトルコまで行くとか言ったらあっさりスタンプ押してくれました。
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空港駅で24時間券を買い,ヘルシンキ市街へ。
日付が変わる頃,バックパッカー向けの安宿にチェックインしました。それにしてもヘルシンキは夏でも結構寒くて,特に夜は10度くらいまで下がるので体感は冬と変わりません。
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翌日はヘルシンキ観光。ツアー等に乗らなかったので,有名どころを見て回っただけです。
元老院広場,ヘルシンキ大聖堂を起点として,歩きながら街並みを楽しみます。
フィンランドは東側ではありませんが,ヘルシンキには機能主義の建築が多く,どことなく共産主義を彷彿とさせるような街区も見られます。かつてソ連を舞台にした映画が撮られたこともあったとか…。
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移動にはトラムが便利でしょう。
24時間券なら残額を気にせずトラムで徒歩をショートカットできます。
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岩の教会。
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ヘルシンキはフィンランド湾に面しており,大統領府などの中央省庁も港の周りに集中しています。


渡船に乗ってヘルシンキイチの観光地であるスオメンリンナ島へ。
船で20分ほど要する場所ですが,乗船にも24時間券を使うことができます。
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スオメンリンナ島にはかつてスウェーデン時代に建設された要塞が残っており,世界遺産にも登録されています。外国人観光客が多いところですが,特に中国からの観光客の姿が多かったように感じます。

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ヘルシンキ地下鉄は,暖色で統一された車両と,各駅ごとに個性あるデザインのホームが魅力です。
フィンランドはマリメッコを生み出した国ですから,公共図書館なども独特の設計になっており,北欧らしさを全身で感じられます。
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フィンランドは教育水準の高さでも知られていますが,図書館も単に蔵書目的のみならず,学習空間,会議室など,多彩な利用を想定して作られており,市民の学問を支える場としての矜持が感じられました。


夕刻。
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ヘルシンキ港からクルーズ船に乗って対岸タリンを目指します。

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