ありえないほどの暑さと、ありえないほどの豪雨の二極端な空模様の今日この頃ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
本日は以前より作成していた3450形のバリエーション展開の様子をご覧ください。

3450形といえば、先日の国際鉄道模型コンベンションにて、
総合車両製作所による事業者限定Ver.で3450形の製作が発表されました。
いずれ発表されるだろうとは思っていましたが、ついにといった感じです。
問題はどの車号・形態になるかですが、詳細は後日のようで、
デハ3450や3499、3452他3両編成となると丸被りで手痛いところです。

ということで、被らないであろうバリエーションを展開させます。

目黒蒲田電鉄モハ510 v5-2
3450形の前身、目黒蒲田電鉄モハ510です。
その後東京横濱電鉄時代を経て東急3450形と改番されました。

宮崎台の電車とバスの博物館に登場時の姿で復元されたものが置いてありますが、まさにそれです。
日車製のトップナンバー510形をモデルとしています。

今回の設計では、先にリリースしていたデハ3450最晩年仕様及びデハ3452更新後仕様の設計を基に原型化しています。
TKK3452 v8
特に屋根は、デハ3450が更新後の再改修でさらに深くなり、リベットも撤去されたので、モハ510へと復元するにあたりデハ3452の設計が大いに生かされています。
しかし、予備パンタ台付近の設計が3450と3452で違うため、作り分けなければなりません。

deha510
窓天地寸法は、実車と逆で950mm⇒850mmへと縮小させています。
ただ、実車の写真を見比べると0.1mmほど大きくてもいい気がしますね。
澁谷・櫻木町の旧字体がいい雰囲気です。
連結器は密着自連ではなく並自連なので作り分けたいところ。

モハ510といえばこの庇ですよね。
deha510-2
もうちょっと丸みが必要なようです。
実車は戦中の金属供出のせいで取っ払われてしまったようです。

側面です。
deha510-3
側面も窓高さ850mmへと縮小。
乗務員室扉は更新時に前方へ移設されているらしく、モハ510では少し客室寄りで、かつ乗務員室扉と客扉間の窓はより細かったようです。
木製扉のレトロ感が戦前製造らしさを醸し出してますね。

運転台とは反対側を見てみましょう。
deha510-4
この頃は片隅寄りの運転台で、運転台と反対側は文字通り客室でした。
乗務員扉も無くご覧の通りの窓割に。

最後は表記類を。
deha510-5
モデル化するにあたり、表記類が欲しいところですよね。
自作デカールでは白インクがないために白の再現が難しいので、インレタ外注の必要がありそうです。
特に、"ドアーエンジン装置車"の表記は市販品では見た記憶がないですから、個人的にも欲しいところです。


それにしてもよく晩年の3450形を登場時のモハ510に復元したものです。
3DCAD上でいじるだけでも結構変わってて手間なのに、それを実物でやってしまうのですから。
特にこのモハ510は車内も忠実に復元されており、その手間暇かけた作業の"凄さ"は幼少期の私にとっては知る由も無く、随分経ってからその凄さを実感しているところであります。IMG_6443
思えば90年代初頭の東急は、このモハ510をはじめ旧5000系や5200系の各先頭車を地方から呼び戻して、登場時の姿に復元していました。
5200系はステンレス素材の加工性からか登場時の復元とまではいかないようでしたが、それでも床下を明灰色に塗って雰囲気だけでも登場時に近づけてましたね。
IMG_6437
これらの復元作業は、東急の車両畑で長らくご活躍され、東急車両史を今に伝える名著を次々と世に送り出してきた宮田道一氏や荻原俊夫氏の功績が大きいのでしょう。
なかなかこの時代の私鉄車両というのはお目にかかれるものではありませんから、本当にありがたいことです。


本日はここまでですが、次回は3Dプリンタ製出力品をお見せできればと思います。
目黒蒲田電鉄モハ510 v5