前回の続きで、8月4日の稚内発『風っこそうや2号』に乗車した時の事メインでお送りします。風っこそうやは往路と同じルートを戻るため、前回と内容が重複する場合がございますがご了承ください。

 

 

その8月4日の稚内は、ちょっと薄い雲が掛かっていながらも、朝から晴天に恵まれました。

前日に続いて絶好の乗り鉄日和♪

 

 

 

7:20位に旧友と宿泊先のホテルを後にし、稚内駅へ。

 

 

稚内駅から臨時列車が出るのは非常に珍しい事です。

宗谷本線、とりわけ北線は普通列車の減便、特急列車の運転区間短縮と、暗い話題続きでしたから…。

 

 

当駅としては珍しく列車入線前から改札が始まり、7:38頃に回送列車が到着しました。

 

 

今回乗車するのは2号車。トイレ付のキハ48 547のほうです。

 

 

 

今回もしっかりと利尻山と天塩川の見えるほうに席を確保しました(切符の画像は前回の記事をご覧ください)。

10時打ちの際、窓側向かい合わせで席を確保して頂いた札幌駅東みどりの窓口の方、感謝します!

 

 

出発前に、前日も登場した『りんぞうくん』と、アザラシと利尻昆布の合体生物『出汁の介』(だしのすけ)の稚内ご当地ゆるキャラと一緒に記念撮影。旧友に撮ってもらいました。

 

 

7:55、9342D風っこそうや2号は稚内駅を離れ、音威子府に向け約5時間の旅に出発します。

ホームでは上記ゆるキャラと、観光協会の方々が見送ってくれました。

 

 

5分で南稚内駅に到着。音威子府発の4321Dと列車交換のため5分停車します。

 

 

交換列車の4321Dは元急行礼文用のキハ54 528。

通学時間帯の列車ですが、夏休み中の日曜日なので乗客は数名しか見当たりませんでした。

 

 

 

南稚内を出ると、クマザサ生い茂る抜海の丘を登り、前日に引き続き、この日も車窓から日本海に浮かぶ利尻山(利尻島)と礼文島を眺める事ができました!

車掌の観光ガイドが流れ、見える間は景色を楽しめるように列車は徐行運転してくれます。

前日の夕刻とはまた違った、朝の表情です。

 

車掌さんも「今日は特に綺麗に見えております!」と申しておりました。

 

 

同行する旧友に訊いてみたら、この区間を乗る時は大概、利尻山が見えているそう。彼には「わざわざ天気の悪い時に行ってるんじゃないの?」と言われてしまいましたが、私も好きで天気の悪い時に行ってるワケではないのでして。現地の天気予報が晴れでも、肝心の利尻山は雲で隠れていたりで見えなかった事が多かったんですよ。

 

 

 

抜海~勇知では進行方向左側の牧草地の向こうに宗谷丘陵を望む事ができます。

 

 

 

車窓から見える利尻山の眺めを楽しみながら、風っこそうや1号の旅は続きます。

(勇知~兜沼)

 

(2枚とも兜沼~徳満)

 

 

 

9:04、豊富駅に到着。10分停車します。

 

 

豊富町は酪農が盛んなマチで、人間より乳牛のほうが多いといわれており、また北海道のコンビニ・セイコーマートの牛乳を生産している事でも知られています。ホームでは乳製品などの特産品の販売が行われました。

その豊富では、クラブツーリズムのツアー団体客が降りていきました。風っこそうやでは、全ての列車ではないものの旅行商品向けにマルスで販売される座席数が抜かれており、それも指定券の取りづらさに拍車を掛けていたようです。北斗星も末期の頃はそんな感じでしたから。団体客を乗せるのなら一般客との混乗にせず専用列車で走らせるべき(団体ツアーの参加者はリタイア組の年配者が多く、必ずしも土日に走らせる必要はない)で、前日のアンケートの際その旨を書かせて頂きました。

 

 

 

また、ホームに降りた乗客には風っこ車両の顔をデザインした厚紙製のうちわが配られており、実際の営業運転では風っこ車両が先頭に出る事はありませんが、表裏で稚内方、音威子府方それぞれ違うデザインのヘッドマークがプリントされていました。キハ48の顔も細部まで描き分けられていて芸が細かいです。残念ながら私は貰いそびれてしまい、同行した旧友が頂いたモノを撮りました(次の幌延でも配布されていたので私はそこで貰いました)。

 

 

 

9:14に豊富を発車します。

牛をモチーフにしたご当地ゆるキャラ『とよとみくん』も登場、手ぬぐいを持った地元の方と一緒にお見送りです。

 

 

ちょっと薄く雲が出てきましたが、相変わらず利尻山はクッキリと見えております。

(2枚とも豊富~下沼)

 

 

 

豊富のお隣、下沼駅を通過。

外壁の塗り直しの際に同駅のオリジナルキャラ『ぬまひきょん』の顔が描かれています。

ココでは地元住民と思われる方が黄色いハンカチを振って列車を見送ってくれました。

 

 

 

幌延駅には9:38に到着。9分停車します。

ココでもホームで特産品の販売や、幌延産ワインの試飲やジンギスカンの試食が行われていました。撮影に没頭していた私は試食に有り付く事ができませんでしたが…。

 

 

 

トナカイがモチーフのご当地ゆるキャラ『ホロベー』もお出迎え。幌延町にはトナカイの飼育、放牧をしている『トナカイ観光牧場』があり、それに因むものです。

 

 

 

そのトナカイ観光牧場から本物のトナカイが連れて来られ、ホームに降りた乗客の目を楽しませていました。

 

 

 

盛大なお見送りとともに、幌延は9:47に発車します。

 

 

 

幌延の次に停車するのが雄信内駅。下りの1号は通過しますが、上り2号は列車交換があるため停車駅となっています。

一応6分停車するのですが、「(列車到着の際)お戻りになれない可能性がございますので線路を渡らないようにご協力お願い致します」と車掌のアナウンスが流れたため、私はおとなしく車内に残る事にしました。

 

 

しかし…ほとんどの乗客は撮影のためか一旦降りて行きましたが…。線路を渡って駅舎側に出た者も少なからずいたようです。

本当は私も降りて駅舎の撮影をしたかったですが…。

 

 

 

交換列車の旭川発稚内行き321Dが10:14到着、そして発車します。

この321Dは宗谷本線を全区間走破する唯一の普通列車につき、18キッパー御用達の列車なのでそこそこの人数が乗っていました。

 

 

 

雄信内を出ると宗谷本線唯一の下平トンネルに入ります。白熱灯照明がいいムードを醸し出しています。

 

 

 

そして日本国内で4番目、道内でも石狩川に次いで2番目の長さを誇る大河・天塩川が寄ってきます。

その流れを特に間近で見られる問平陸橋を通過します。

 

 

 

道内の特急列車では「この先、野生動物が多数出没する区間を走行します。走行中やむを得ず、急ブレーキを使用する事がありますので…」と自動放送のアナウンスが流れますが、前日キツネが出没したのに続き、今度はエゾシカの姿が見られました。線路に近付いたワケではないので急ブレーキを掛ける事はなかったのですが。

(問寒別~歌内)

 

 

 

歌内駅(通過)では、地元住民のご婦人が1人で手ぬぐいを掲げてのおもてなし。

 

 

 

10:50、天塩中川駅に到着します。51D特急宗谷と列車交換があるため、24分停車します。

 

 

 

前日に引き続き、特産品の販売とハスカップワインの試飲会がありましたが、この2号だけのお楽しみに、地元飲食店が競作した特製弁当の販売があり、朝からまともな食事を摂っていなかった私もその行列に並びます。和洋中様々なメニューがありましたが、私が狙っていたソーセージ入りのステーキ弁当は真っ先に売り切れ、居酒屋が謹製した豚丼(¥800)の最後に残っていた1個を手に入れる事ができました。うな丼の味をイメージさせる山椒とタレの味わいがとても美味しかったです。

 

 

 

前日に続いて、地元ゆるキャラの『じゅえる』も登場。地元の小学生が手ぬぐいを持って記念撮影のお手伝いをしてくれました。

 

 

天塩中川の駅舎は改修され、1953(昭和28)年に建築された当時の外観が再現されています。

赤い郵便ポストも昭和の雰囲気を醸し出すのに一役買っています。

 

 

交換列車の51D特急宗谷が到着し、風っこそうや2号は11:14に発車します。

 

 

 

天塩中川の隣、佐久を通過すると蛇行する天塩川流域の人里離れた山林の中を走り、次の筬島の間にあった1977(昭和52)年に廃駅となった神路駅(信号場)跡を通過します。廃駅後は信号場として機能していましたが、1985(昭和60)年に完全廃止、その後長年残っていた旧駅舎も解体撤去されて今では駅を偲ばせるモノは何も残っていません。かつてはこの地に開拓農家が定住していたのですが、対岸の国道40号に通じる天塩川の橋が災害で流された後は外部へ通じる道は閉ざされ、鉄道以外では当駅に到達する事が不可能となり、やがて農家も離農して無人地帯となりました。『秘境駅』という言葉が出てくるはるか昔から、正真正銘の秘境駅だったワケです。

 

 

 

筬島の手前で『北海道命名之地』を通過。

 

 

 

雄大な天塩川の流れは続きますが、風っこそうやの旅は間もなくフィナーレを迎えます。

(筬島~音威子府)

 

 

 

前日、私が撮り鉄した音威子府川の橋梁を通過します。そして音威子府駅構内に進入。

 

 

 

12:02、風っこそうや2号は終着駅の音威子府に到着。約5時間の旅が終わりました。

特急だと札幌まで行けてしまいますが、風っこそうやは特急では味わえない、充実した時間を楽しめる列車でした。

 

 

 

この日も常磐軒は大行列で、列の途中で売り切れてしまい営業終了…。私は最初から諦めて列に並ぶ事はしませんでした。

 

 

 

網走の旧友は15:03発64Dサロベツ4号で帰るのでココでお別れ。彼は、駅の隣接地で開催された『森と匠の村ふるさとまつり』のイベントの一環として開かれた保線車両の見学会に参加したとの事です。

 

 

 

 旧友と別れた私は、早々と改札を抜けて炎天下の中帰りの普通列車の到着を待つ事にしました。

 

 

 

18きっぷ利用のため、音威子府からは普通列車乗り継ぎで札幌に帰ります。まずはキハ54 528の名寄行き4326Dに乗車します。

 

 

 

18きっぷ期間に加えて、風っこそうや2号からの乗り換え客で普段の宗谷北線では考えられない位混んでおり、座席は転換クロスのほとんどが埋まっており、私は諦めて車端のロングシートに座りました。

 

 

 

名寄からは旭川行き3326D快速なよろに乗り換えます。キハ40 829の単行で、これまた車内は混雑のため、やはりロングシートに座ります。

名寄~旭川の普通・快速は単行が多く、いつも混んでいるイメージがあるので18きっぷではあまり乗りたくない路線です。

 

 

 

士別でBOX席が1区画空いたので移ろうとしたら、同じく狙っていた若い男に先に座られてしまい、仕方なく向かいの通路側に引っ込んだのですが、男はカーテンを引いてスマホ動画を見ているだけ。窓側に来て景色見ないんだったらわざわざ席変わらなくてもいいんじゃないの?

 

 

 

旭川は15:55に到着。721系の16:12発岩見沢行き2336Mに乗り換えます。冷房付、転換クロスの快適な車内です。

 

 

 

岩見沢で乗り換えた函館本線3238M手稲行き区間快速いしかりライナーが、なんと!721系快速エアポート仕様のF-1009の運用で、勿論、唯一のuシート先頭車クハ721-1009に乗車しました。同車には何度か乗車した事がありますが、函館本線の江別以北で乗車するのは初めてです。

 

 

 

18キッパー垂涎の普通列車uシートですが、電車3両編成の列車ではこのF-1009が当たらないと乗れないワケで、まさにサプライズ。ちなみに、前週は733系と組んで学園都市線の運用に入っていました。他の車両だったら札幌で学園都市線に乗り換えてそのまま帰るつもりでしたが、終着の手稲(19:02着)まで乗っちゃいました。

 

 

手稲からは折り返し19:07発千歳線直通1824M千歳行き普通となり、結局そのまま乗車して千歳まで行ってしまいました。

 

 

20:17着の千歳からは折り返し運用の20:43発手稲行き普通1837Mで戻り、札幌で学園都市線に乗り換え、2日間の旅を終えました。

 

 

さて…、8月17日からは旭川~音威子府の風っこそうや3・4号の運転が始まったのですが、実はソチラのほうにも私、乗ってきました。

その時の事は、時期を見てブログで紹介したいと思います。

 

 

 おわり