前回の記事で、「長野線の運行形態は、信州中野で分断されている」と
書きました。
理由は、といえば普通列車用の元営団3500系と元東急8500系で
登坂スペックが違うから、というわけなのですが。

nagaden-3000-101
ツーマン運転用のN6編成湯田中行き。接続する長野からの普通列車を待っています。

1992(平成4)年から営団3000系を譲り受けた際、
耐雪ブレーキ・抑速ブレーキの装備、主抵抗器容量の増大といった、
信州中野-湯田中間の勾配対策が施されました。
長野電鉄3500系という系列番号が与えられ、活躍しておりますですよ。

長電朝陽さくら2
「解体処分する前に乗りに来なさい。営団の貴重な車両ですよ」

営団からは、都合39両が導入され、一大勢力となったのですが、
さすがに製造から半世紀。
新車両への置き換え話が進んでいるようです。

nagaden-3000-110

3両編成のL編成が1本、ツーマン2両編成のN編成が4本、
ワンマン2両編成のO編成が1本という、計6編成が現役です。

ただ、いつ新型車両への置き換えが進むのか、
どの車両がやってくるのか、まだまだ決まっていないことが多いようですけど・・・

nagaden-3000-103

このちっこい窓が、元地下鉄車両なんだよね!感を演出してくれます。
子どもの頃は「チッ、外が見えねーじゃねーか」と思ったものですが。
え? 地下鉄だからどうせトンネルでしょ?

いえいえ、日比谷線から東急東横線にも乗り入れていましたので、
地上も走っていたんですよ。
いまは地上どころか、山を走っているので、運命ってわからないモノです。

窓が小さい理由?
・・・・・・ゆがみのない平面ガラスが高かったからじゃないのぉ(適当)

nagaden-3000-1024

3500系は、側面の行先窓がなく、前面の貫通扉の上に行先を表示。
だんだん少数派になりつつある「幕式」です。
営団3000系以来の、黒地に白文字です。
んー・・・フォントは違いますけど、そこは贅沢言わないのコト!

ngaden-3000-1021

そういえば、以前長野電鉄にお邪魔したときには、
幕が破れている子もいました。

nagaden-3000-1022

長野駅を出入りする子も、8500系が多くなってきましたね。
本数の多い長野‐須坂の区間運転、8500系と3500系で回していましたが、
8500系と新人で回すようになるのかな。

nagaden-3000-1023

今はなき屋代線の屋代行き。
この幕のカクカク丸ゴシックのフォントが、営団フォントだったみたいです。

余談ですが、長野電鉄は過去に路線名の大幅な変更を行っています。
長野‐須坂を「長野線」、
国鉄信越本線と屋代で接続し、千曲川の東側を走る
屋代-松代-須坂-信州中野-木島の区間を「河東線」、
信州中野-湯田中を、町名に由来する「山ノ内線」(旧名は平穏線)としていました。

その後、屋代-須坂間を「屋代線」、信州中野-木島間を通称「木島線」と
改称しますが、2002(平成14)年に木島線が廃止、
長野-須坂-信州中野-湯田中を一括して「長野線」と改称、
2012(平成24)年には屋代線も廃止となり、
長野県北部を走り回っていた長野電鉄、ついに長野線1路線のみの運行と
なってしまいました。

その長野線の主役、3500系に乗ってみようかな!

nagaden-3000-106

車内の銘板ですが・・・「日本電装」が冷房改造する前に、
長方形のプレートがあったよね、絶対。
跡が見えるだけに、何が付けられていたのか、気になるじゃないの!

nagaden-3000-107

縦軸マスコンに右手ブレーキのツーハンドル型。
この時代の車両って、メーター周りが夜になるときれいなのよね。
ホワイトメーターの周りから照明が当たるようになってて幻想的。

どうでもいいことですけど、ローバーのミニクーパーちゃん(28年落ち)の
3連ホワイトメーターもメーター周りから「ぽわぁぁ」と照明が当たるタイプです。
今どきの盤面が光るホワイトメーターとは一味違うのさ!

受話器やら後付けの機器が多くて手狭な感じですね。
後ろを見れば、そこは営団そのまま!

nagaden-3000-108

18メートル3扉の車内は、広告が少ない!
天井には“営団デリア”がついています。
モケットは茶色で、適度にぽわぽわする柔らかさの、
時代を感じるロングシートです。

東急の車両って、形は同じだけどコチコチなのよね。

nagaden-3000-109

信州中野で長野発の普通列車を待っている間に、
2100系「スノーモンキー」長野行きと並びました。

2100系は、2000系特急電車の置き換えでやって来た、
元・JR東日本「成田エクスプレス」253系です。
長野電鉄では、「N'EX」のロゴは使えないので、
「NER」のロゴと「Snow Monkey」ロゴに貼りかえています。

長野電鉄では、オリジナルの塗色を活かす方針で、
元小田急Hi-SE「ゆけむり」も2100系「スノーモンキー」も
オリジナル塗装を保って運行しています。

近鉄や南海の塗装を維持して走らせている大井川鉄道と
同じ考え方、姿勢ですね!
現役の鉄道博物館ですね。
※ ただしSLはこの限りじゃないです・・・

nagaden-3000-111

長野行きに乗る相方に見送られながら、湯田中行き発車です。
次回は長野行きの8500系の方をご紹介しますね。

nagaden-3000-112

ふっと思い出して古い写真をあさっていたら、
須坂駅でOS10を見てた時に長野から乗って来た電車が
N6編成でしたわ。
つくづくN6編成に縁のある“まつもと”なのでした。