ちょっと1回飛ばしてしまいましたが、北東パス旅行記の続きです。

急行津軽を乗り終えた私は、秋田で宿泊した後に札幌へ戻るのですが、翌朝に男鹿線を1往復してからリゾートしらかみに乗って五能線経由で新青森へ向かいます。

 

 

その7月28日。残念ながら秋田は朝からどんよりとした空模様。

 

 

 

この日も早朝から行動開始です。秋田駅から5:38発の男鹿線の始発列車1121Dに乗車します。

 

 

男鹿線は蓄電池式電車EV-E801系(ACCUM)が試験導入されていますが、2両1編成のみなのでまだキハ40系が主役の座にあります。通勤・通学列車の送り込み運用を兼ねた1121Dは前側にキハ48×2両、後側がキハ40×2両の4両編成。この日は日曜日ですが、特に運用の区別はされていない模様。

 

 

その先頭車、キハ48 1507に乗車します。

昭和54(1979)年製造で、既に40年選手というご長寿車両となりました。

 

 

先頭車キハ48 1507の車内。同じ40系でも、冷房改造や内装の更新で北海道の車両とはだいぶ印象が異なります。

早朝の始発便なので、当然ながら乗客はほんの僅か。

 

 

奥羽本線の追分駅です。室蘭本線ではありません。

ここから男鹿線に入ります。向かい側に停車中のキハ40系は男鹿からの始発便1120D。

 

 

男鹿線は盲腸ローカル線ですが、これといった車窓の見どころのない平凡な路線といった印象です(沿線の方、ゴメンナサイ…)。

地図上で見ると海に近い位置を走っているのですが、防風林や建物に阻まれて海の見える区間はほとんどありません。

強いて見どころを挙げるとすれば天王~船越の八郎潟調整池と日本海をつなぐ船越水道(馬場目川)を渡る八郎川橋梁からの景観か。この橋梁、かつては船を通すため中央部が可動橋だったのですが、八郎潟が干拓化され防潮水門が建設された事によりその必要がなくなりました。

 

 

男鹿の2つ手前、脇本で交換した秋田行き1122Dはキハ48と40の5両編成。

長編成の気動車普通列車も全国的に見て貴重なものとなりました。撮り鉄的には今、注目の路線といえるかも?

 

 

終着・男鹿駅到着は6:33。

車両はそのまま秋田行き1124Dとして折返します。

 

 

ACCUMの充電用に、片側の線路上には電化設備が備えられています。

 

 

駅舎は昨年新築移転されたばかりで、線路の車止めの先に建てられています。

 

 

従来の木造駅舎は、『男鹿ステーションぎゃらりー』として活用されています。

 

 

男鹿といえば、なまはげ。旧駅舎そばにあるなまはげ像。

 

 

折返し乗車する1124Dは、ここから先頭となるキハ40 575に乗車。

 

3つ並んだ銘板に、車両の歴史を感じます。

 

 

奥羽線に入り、上の画像の銘板に記されていた土崎工場、現・秋田総合車両センター脇を通過。列車からは様々な留置車両を見る事ができます。

コチラは185系を置き換えるため踊り子に転用されるE257系。

 

高崎のEF60 19。配給回送されてきましたが、このまま廃車となってしまうのでしょうか…?

 

奥の留置線には既に廃車となっている583系中間車と、現役JRキハ58系の最後の生き残りだったKenjiが見えます。

Kenjiは昨年に2回乗りに行きましたが、まさに数奇な運命を辿った車両といえましたね。

 

 

終着駅秋田には7:59に到着。

 

 

次に乗る8521Dリゾートしらかみ1号の車両は既に入線済みでした。今回は、最新の橅編成が充当。

1号は橅編成がメインですが、運転日によっては青池編成が入る場合があります。ちなみに私がリゾートしらかみに乗車するのは2度目で、前回乗車したのは青池編成でした。

 

 

リゾートしらかみが発車する2番線ホームに降りると、駅弁屋である関根屋の売り子さんがワゴン営業しているではありませんか!朝から何も食べていなかったので、朝食として『こだわり鶏めし』を購入しました。

 

 

この7月28日は、リゾートしらかみの出発に合わせて、ホーム上でなまはげに扮した奏者が勇壮な演奏を披露する『なまはげ太鼓』のパフォーマンスがありました。

 

 

リゾートしらかみの指定券もえきねっと予約の事前受付で購入しましたが、これまたシートマップに対応していないため五能線の日本海側の風景を車窓から堪能するためには『A席』と予め指定する必要があります。

 

今回指定席を確保した1号車の車内。リクライニングシートが並びます。天井や窓框などに秋田杉の天然木を使用した内装は、非日常を演出する観光列車に相応しいものです。

どうせならJR北海道の新製観光列車もキハ261系ではなく、このHB-E300系ベースで造って欲しかったですね。既に発表されている通りの内外装だと特別感や非日常性が感じられず、『また乗りたい』列車にはならないと思うのですが。

 

リクライニングシートは、グリーン車よりも広い1200mmという破格のシートピッチ(但し、座面の奥行きは狭い)。

乗車券に520円の指定券をプラスするだけで乗れて、しかも風景を堪能できるのですから、観光客のみならず乗り鉄にも嬉しい列車といえます。

 

 

リゾートしらかみ1号は9割方の乗車率で秋田を発車。私の隣にも初老の男性が座ってきました。

奥羽本線を走行し、東能代から五能線に入ります。ここから私が乗る1号車が先頭になります。

 

 

列車は五能線に入り、1つ目の能代駅へ。ここで10分停車します。

 

 

能代市はバスケットボールの強豪校・能代工業高校がある事から『バスケの街』として知られています。

それにちなみ、ホームにはバスケのゴールが置かれており、リゾートしらかみの乗客が停車中にフリースローにチャレンジして見事ゴールを決めると記念品が貰えます。私は『超』文化系人間なのでやりませんでしたが…。

 

 

リゾートしらかみは先頭車の展望室付近に乗車記念証とスタンプ台が設置されています。

能代の停車中に記念スタンプを押してきました。

 

 

能代は、日本海に注ぐ米代川河口の街でもあります。能代を出ると、その米代川を渡ります。

 

 

東八森を通過すると、いよいよ日本海が見えてきます。

ここから90㎞弱、青森県の鯵ヶ沢あたりまで車窓の友となります。残念ながら、雨が降ったり止んだりで、絶景を楽しむには残念な天気となってしまいました…。

 

 

 

なんと、アイスクリームの車内販売が廻ってきたので買いました。

シンカンセンスゴイカタイアイス』でおなじみのこのアイス、東北・上越・北海道新幹線ですら車内販売で買えなくなってしまいましたが、まさかリゾートしらかみで買えるとは思いませんでした。なお、橅編成には3号車に『ORAHOカウンター』という簡易ビュッフェ的な売店があり、沿線の特産品、そして飲食物を買う事ができます(私は今回立ち寄らず)。

 

 

岩舘を出て列車は青森県に入り、特に絶景ポイントといわれている大間越海岸を徐行で通過します。

 

 

その後も日本海の荒々しい岩場の風景が続きます。

 

 

深浦ではキハ48のくまげら編成によるリゾートしらかみ2号と列車交換します。

 

 

深浦を出ると、絶景ポイントの行合崎海岸を徐行で通過します。

ポスターやパンフレットなどで紹介されるリゾートしらかみの走行風景の写真はこの辺りで撮影されたものが多いとの事。

 

 

五能線沿線の中でも特に有名な観光地・千畳敷海岸を徐行で通過。付近には千畳敷駅があり、リゾートしらかみのうち今乗っている1号は対象外ですが、2・3・4・5の4本が15分間停車し、乗客が一旦下車して観光できるようになっています。

 

 

鯵ヶ沢で交換した2826Dは国鉄色のキハ48形2連。五能線の普通列車もキハ40系が活躍していますが、コチラも新型のGV-E400系に置き換えられる運命にあります。

 

 

 

その鯵ヶ沢から五所川原までの間は、先頭車の展望室(イベントスペース)に演者が乗り込んで津軽三味線の迫力ある生演奏を聴く事ができます。1号車の通路にはその生演奏を聴こうと人だかりができていました。

 

 

津軽鉄道線が合流すると、五能線の中枢ともいうべき五所川原駅に到着します。

ストーブ列車で有名な津軽鉄道、実はまだ未乗なのですが、次回青森へ行く機会があれば是非乗ってみたいです。

 

 

五所川原からは、今度は津軽の伝統芸能である『金多豆蔵(きんたまめじょ)人形芝居』が上演されます。金多と豆蔵の人形が津軽弁で漫才のような掛け合いをするのですが、コレは橅編成の一部の列車でしか見られないもの。

 

 

列車は川部から奥羽本線に入り、弘前に停車します。弘前~川部の間は重複運転で、五能線から来た列車はまず川部に停車し方向転換をして弘前に向かい、再び元の向きに戻って弘前を発車し、その際川部は通過します。

リゾートしらかみ1号の旅もいよいよ終盤です。

 

 

秋田から約5時間経過した13:21、新青森に到着。本当は終着の青森まで乗っていたかったのですが、接続する北海道新幹線の3015Bはやぶさ15号を逃すと次は2時間後になってしまうので、やむなく当駅で下車する事になりました。

 

 

その北海道新幹線にも乗れる『北海道特急オプション券』ですが、まだこの日の分を購入していなかったので急いでみどりの窓口に出向きます。幸いにも混雑していなかったのですぐに購入できたのですが、事前に購入しておくべきでした…。

 

 

そして売店に立ち寄り、新幹線車内で食べる昼食として私の大好きな駅弁・大舘の鶏めし(花善謹製)を見つけたので購入。全国数ある鶏めし駅弁の中では最高峰だと私は思います!大舘駅をはじめ、秋田県のみならず青森県の主要駅の売店でも買う事ができます。

 

 

そして新幹線ホームに上がってはやぶさ15号に乗り込むのですが、既に入線済みのため乗る事で精一杯だったので画像はありません…。

青函トンネルを抜けて北海道に入ると、雲は多いですが青空が広がっていました。

 

 

はやぶさ15号は往路に乗ったはやぶさ18号よりは乗車率が高めで、デッキのくず物入は溢れ返り、女性用トイレには行列ができる位混み合っていました。

終着の新函館北斗駅到着は14:33。

 

 

新函館北斗から乗車するのは15Dスーパー北斗15号。残念ながらコチラも261系による運用ですが、往路と同じく9両の増結編成。

40分近く時間がありますが、自由席なので炎天下の中ホームで待つ事にしました。

 

 

もちろん今回も先頭の9号車に乗車します。9号車は昨年新製されたばかりのキハ261-1214。

 

 

 

混雑していたら東室蘭で途中下車してすずらん11号に乗り換えるつもりでしたが、海側、そして窓側に空席を確保したので札幌まで直行する事にしました。

新函館北斗からは窓側席は全て埋まりましたが、乗車率は6割方といった具合。

 

 

天気が良かったので、大沼、駒ヶ岳の風景もご覧の通り。

新幹線が札幌まで開業すると、長距離移動中にこんな風景も楽しめなくなってしまうんですよ!

 

 

コレが見えてくると旅の終わりも近い…。

新札幌付近に見える北海道百年記念塔。解体が決まり、あとどれ位車窓から見る事ができるのやら。

 

 

終着・札幌駅には18:41に到着。2日間の東北遠征旅が終わりました。

 

 

というワケで、急行津軽に乗りに行った時のブログをようやく書き終えました。私、7月以降はほぼ毎週のように乗り鉄に出掛けており、ブログにするのもままならない位なのですが、次回はあの、話題の観光列車に乗った時の事を紹介したいと思います。お楽しみに…。

 

おわり