JRグループの駅の中に、数は少ないのですが「臨時駅」という駅があります。
その名の通り、毎日ではなくある一定の期間のみ営業する駅のことで、スポーツや季節のイベントの観覧といった、特定の時期に多くの利用者が見込まれる時期のみに営業する事例が典型的です。

そんな臨時駅の中でも、年間の営業日数がわずか二日という、まさに「臨時駅の中の臨時駅」とも言うべき駅が、香川県に存在しています。
その駅の名は、JR四国・予讃線の「津島ノ宮(つしまのみや)」。

この駅の営業日は、駅にほど近い海上にある「津嶋神社」の夏季例大祭が行われる8月4日・5日のみとなっています。
また、その津嶋神社自体に入ることができるのも、夏季例大祭が開催される8月4日・5日のみというわけでありあす。

かくいう私も、長年この「津島ノ宮」駅の存在は気にはなっていまして、果たして一年に2日間しか営業しない駅とはどんなものなのか。
いつか実際にこの目で見てみたい、ということを思っていたのですが、ついに今年(2019年)8月5日に現地訪問をすることができました。

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8月5日(月)の11時、快速サンポート南風リレー号に乗って、この津島ノ宮に到着しました。
津島ノ宮駅は、カーブ上に設置された駅であり、停車時には多くの係員が出てきて、乗降の補助をおこなっています。


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駅の建物は簡易なもので、改札内には精算所、改札外はきっぷ売場の窓口が設けられています。

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予讃線は、高松〜観音寺までICOCAエリア内でありますので、交通系ICカードでの乗降もあるため、ICカード利用者は窓口で処理することとなります。

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きっぷ売場です。
きっぷは、車内補充機で発行しています。
レシートみたいな紙で趣味的にどうか、という人もいるかも知れませんが、否、一年に二日間しか購入できない切符であります。
私自身は喜び勇んで、入場券と多度津までの切符を購入してみました。
(きっぷの画像は後ほどご紹介します。)


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駅名標です。
駅名標は表裏のデザインが違っています。
まず、線路側の駅名標はJR四国標準のデザインとなっています。

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一方、改札口側の駅名標には、JR四国のゆるキャラ的な「すまいるえきちゃん」などが描かれている上に、「日本一営業日が短いJR駅」と記されており、まさにここがJRグループで一番短い営業日であることを、誇らしげ?に記しているので、注目ポイントといえるでしょう。

このように、「津島ノ宮」の駅名標やホーム・駅舎といった駅施設そのものを撮影できるのも、繰り返しですが一年に二日間しかありません。
どれもこれも、貴重なシーンでありました。


さて、一通り津島ノ宮駅の様子を見たので、大多数の訪問客の目的である津嶋神社に行ってみます。

この津嶋神社は、島に造られた神社で、そこまで海岸から橋をわたる訳であります。
その距離はおよそ250メートルでありますが、これ自体も渡ることができるのも、8月4日・5日のみであります。
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橋のたもとで通行料(300円)を払い、橋を徒歩で渡ります。


前日の8月4日は、日曜日ということもあって、1時間以上橋の上で待つこともあったようですが、この日は月曜日でしたので、参拝客もそこまで多くなく、片道10分程度で無事参拝することができました。
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参拝を終え、帰ってきたところで、橋と津嶋神社を一望できるシーンを選んで撮影してみます。
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この橋を人が渡る光景が見られるのも、繰り返しでありますが、8月4日・5日の二日間のみです。

以上、一年に二日間しか訪問のチャンスがない、津島ノ宮駅と津嶋神社の様子をご紹介しました。

このブログをご紹介するころには、今年の津島ノ宮駅の最終列車は既に出発しているはずですので、次に訪問できるのは、来年の8月4日になるわけですが、その際にこの記事をご覧になって、多くの方に関心をもっていただければな、と思います。



さて、津島ノ宮駅にまつわるきっぷのご紹介です。
今回は、津島ノ宮駅までの連続乗車券を購入して利用してみました。
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▲連続1(和泉鳥取→津島ノ宮)

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▲連続2(津島ノ宮→高松)
「連続1」には(かすれてしまいましたが)津島ノ宮駅の無効印、「連続2」には津島ノ宮駅の日付印が押印されています。
今回は時間の都合で青春18きっぷではなく、山陽新幹線と特急「南風」を利用したため、期せずしてこのようなコレクションを手にすることができました。

また、先に述べたように、津島ノ宮駅の窓口では、車内補充券発行機により乗車券類が発券されていましたので、それらもご紹介します。
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▲津島ノ宮駅の入場券です。
律儀に(臨)と付されているのにも注目ですね。

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▲試しに、多度津まで購入してみました。

どこまでもきっぷが購入できるのかは定かではありませんが、補充券発行機での対応ですから、割と広範囲の乗車券が購入できるのかも知れませんね。


繰り返しとなりますが、今年の営業は終了した津島ノ宮駅。
次に訪問できるのは、来年の8月4日となりますが、来年夏の旅行の目的地の一つとして、今から検討してみて、実際に降り立たないと、このレア感を味わうことができません。

本記事もご参考にしていただき、「津島ノ宮駅訪問」のプランニングを検討してみるののはいかがでしょうか、と最後にオススメしたいと思います。



●関連ニュースサイト:
津島ノ宮駅 臨時営業(2019年8月4日〜) - 鉄道コム
日本一営業日が短い駅「津島ノ宮駅」、2019年も営業 停車本数は回復 | RailLab ニュース(レイルラボ)
開くのは2日だけ! 「日本最少」JR四国の津島ノ宮駅、営業しない日はどうなっている? | 乗りものニュース



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