【小田急】2世代前の車両を増備!3000形10両化で考える運用変化

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新型車両5000形の製造を明らかにしている小田急電鉄ですが、2世代前の3000系の増備車の甲種輸送が実施されて話題となっています。

新形式増備を控えながら3000形をあえて製造した小田急の真意を考えるとともに、小田急の今後の運用形態の変化について考えます。

8/4修正;誤植修正・加筆を行いました。 8/6;関連動画を追加しました。

小田急3000形の大量増備と功罪

いわゆる小田急顔で親しまれていた2600形・4000形・5000形や、ガイコツの愛称もあった地下鉄直通向けに開発された9000形が製造から30年が経過することを踏まえ、既存の増解結運用をこなす地上用通勤車として2001年度から運用されている形式です。

小田急電鉄が深い繋がりを持っていた日本車輌製造の標準設計であるブロック工法を採用し、東急車輛製造(当時・現:総合車両製作所)や川崎重工業でも製造されています。

従来の小田急電鉄で採用されていた少し裾絞りがある車体ではない一方で、1次車では2000形に引き続きワイドドアとなっています。

この形式では6両編成・8両編成が製造されましたが、4両編成が製造されなかったため、5000形の4両編成バージョンの5200形の4両化などが行われています。

4形式を一気に置き換えたことで小田急の通勤車としては最大勢力となり、車両更新に大きく貢献しました。

この形式のネガティヴな点は、趣味的には小田急らしさが無くなった点が言われていますが、利用者目線としては裾絞りが無くなったことによる窮屈感・編成定員の減少です。

2000形に比べて先頭・中間車ともに立ち席を含めた定員が減少しているため、複々線化未完成だった当時の小田急の激しい混雑では賛否分かれる結果となりました。

今後製造される5000形(Ⅱ)で拡幅車体を採用しているように、小田急側もこの点は次世代に生かされることとなっています。

運用変化と10両編成増強

3000形では6両編成・8両編成が製造されましたが、相模大野駅・新松田駅で優等列車を中心に実施されていた増解結運用が一掃されたことで、10両固定編成の投入が推進されることとなりました。

これを踏まえて、3000系の10両化が行われてた実績がいくつか存在します。

小田急3000系では4両編成が製造されなかったため、6両→10両の組み込みについては、6+4両編成の4両編成部分を製造する代わりと捉えると分かりやすいでしょうか。

3090番台となっている5編成がこれに該当しており、こちらは2010年度・2011年度に実施されたため、経年差は少なくなっています。

一方で8両編成に2両を組み込む組み替えは3編成で実施されており、番号も3080番台となりました。

こちらは2017年度から開始されたパターンで、新宿口各駅停車の10両対応を控えての動きでしょう。

6両編成は4両付属編成の連結で対応できる一方で、8両編成は増結するほかありません。

これらの組み替えでは、経年差が少なくなるラストナンバー側から組み込み編成を選定をしたため、6両・8両編成時代の番号に欠番は起きていません。

8両編成については15編成のうち3編成に増結が実施済……という情勢が昨年度までの状態でした。

今回の組み込みはどうなる?

今回も8両→10両編成の組み込みについては10両編成数増加が目的と考えられ、これは各駅停車の10両編成対応の最後の課題だった代々木八幡駅の改良工事の進展と、複々線化事業完遂による新宿口の運行本数増が背景に考えられます。

サハ3384〜3387とデハ3434〜3437という付番から、引き続き8両編成の10両化が進められるものとみられており、過去の動き通りにいけば3659×8〜3662×8が10両化されるものとみられます。

5000形新造が来年度までに6編成、1000形リニューアルが本年度2編成と明かされていた一方で、3000形増結車については製造本数を明かしていません

これらの組み込みの進捗とともに、新宿口の各駅停車が順次10両化されていくことでしょう。

気になる点としては、3000形の8両編成全てに組み込んだ場合も、他形式で残る8両編成=2000形9編成・1000形1編成が残るために全列車を6両・10両とすることはできません。

8両編成が役立つのは現在6両編成で運行されている多摩線各駅停車の増結ですが、それ以外の6両編成運行列車は小田原線・江ノ島線の6両編成まで対応の駅を通る列車があるため、ホーム延伸などをしない限り困難です。

多摩線各停だけで10編成も必要はありませんが、1000形や2000形も更新時期に合わせて編成組み替えをしていくのか(現状は2000形は電動車がユニット構成で大規模な改造が必要)、それとも新宿口の完全10両化とはならないのか。

最近進んでいない1000形の10両固定化を含めて、今後の動向が気になりますね。

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動画資料集

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コメント

  1. とある小田急ファン より:

    本文を読んでて疑問に思ったのですが、
    『こちらは2017年度から開始されたパターンで、6両編成に初期車がいなかったことのほか、新宿口各駅停車の10両対応を控えての動きでしょう。』の6両編成は8両編成の間違いではないでしょうか?
    また、13000形の6両編成には1次、2次車以外に3〜7次車まであります。

    • ときぱて より:

      とある小田急ファン様

      閲覧・コメントありがとうございます。
      修正しようと思っていて漏れていた、完全なる誤記です、、、訂正させていただきます。