先月のことになりますが、近鉄特急に揺られて奈良まで行ってきました

とはいっても、日帰りの観光旅行ではなく、持病の関係で奈良市にある眼医者へ半年に1回通院しているためです

 

病院に向かうためとはいえ、近鉄を利用するからには、乗り鉄も楽しみたいところなので、往路はビスタカー、復路は伊勢志摩ライナーを利用することにしました

ちなみに、両車共に狙って乗車したわけではなく、診察時間に合わせて利用したところ、たまたま”当たり”を引いた格好となっています

 

前回の通院(18年12月)では、往復共に12200系だったので、ウォシュレットはおろかコンセントさえ設置されておらず、なんだかやるせない気分にさせられたんですよね

それでも特急料金は同じなので、いくらなんでも車両間、世代間で格差が大き過ぎると思った次第です

 

 

 

ということで、毎度おなじみ近鉄京都駅へとやって来ました

30000系ビスタカーも初期車の登場から既に40年以上が経過しましたが、10年から12年にかけて座席交換や喫煙室の設置などを含むリニューアル工事を受けたので、まだまだ現役を貫きそうです

 

 

登場から40年が経過しているとは思えないほど車体は美しく、近鉄のメンテナンスレベルの高さを窺い知ることができます

それでは、京都から大和西大寺まで30分ではありますが、ビスタカーの旅を楽しみたいと思います

 

大和西大寺までであれば、特急と急行の所要時間差は僅か10分ほどでしかありませんが、ロングシートの急行と回転リクライニングシートの特急では快適性に天と地とほどの差があります

しかも、急行の場合だと必ず座席にありつける保障も無いとあっては、特急料金520円が安いものに感じられます

 

 

 

 

 

 

 

かつて、ビスタカー三世からビスタEXにリニューアルされた時は、既存の座席はそのままにバックレストだけを新品に交換するというアクロバティックなことをやってのけた近鉄ですが、2度目のリニューアルでは座席が全面的に刷新されました

 

肝心の座席ですが、見ての通りアーバンライナーnext用21020系に源を発する、ゆりかご型リクライニングシートが装着されています

21020系から見た目はほとんど変化していませんが、以前の破綻した乗り心地から比べると、座面に適度なクッション材の柔らかさが確保されており、きちんと進化が感じられる座席になっています

 

一方で、リクライニングに連動して跳ね上がる意味不明なセンターアームレストは健在です

いつまで、この摩訶不思議な動きを見せるアームレストを装備し続けるかと思っていたのですが、15年に登場した22000系のリニューアル車ではきれいさっぱり廃止されましたね

 

 

客室内で最前列及び最後列となる座席には、大型テーブルも設置されていますが、コンセントまでは設置されていません

その見た目からしていかにもコンセントが付いてそうなテーブルですが、さすがにそこまでは手が回らなかったのでしょうか?

 

ところで、私がビスタカーに乗る時はなぜかしら短距離の乗車が多く、たまに長時間乗車する機会があったかと思えば、決まって夜間の列車なんですよね

車両数が多いうえに、時刻表上で運用が明記されているので、長距離運用を狙おうと思えば簡単なのですが…

 

さて、自席に収まったところで、先ほど京都駅で買ったマネケンのワッフルで朝食にしました

時計の針は正午を回っていたので、朝食というよりも寧ろ昼食の時間帯ですが、何も食べずに家を出てきたので、これが朝食となります

 

近鉄京都線はよく乗車していますし、車窓も見慣れたものですが、いつもより視点の高いビスタカーの2階席で食べるワッフルは格別です

特急料金520円分以上の優越感に浸ることができるのは、ダブルデッカー車を連結しているビスタカーならではの特権なのかもしれません

 

 

京都を発ってから30分で大和西大寺に到着しました

私の通っている病院は、この駅の徒歩圏内ではないので、ここからは病院の用意してくれている送迎バスに乗り換えます

ここまで来るともはや通院という名の小旅行です

 

 

さて、診察を終えて、送迎バスで菖蒲池駅へ戻ってきました

実は、病院で瞳孔を開く目薬を点していたので、写真を撮るのも一苦労だったのですが、烏丸線対応の3200系が奈良線を走っているのが何だか珍しかったので、一応記録しておきましした

 

大和西大寺の駅ナカで、まったり買い物でもしてから京都へ戻るつもりだったのですが、ちょうど私の大好きな伊勢志摩ライナーがやって来たので、これに乗って京都へ戻ることにしました

ちなみに、特急券は近鉄のチケットレスで購入したのですが、発車2分前でも購入できてしまうあたりに近鉄の本気が感じられますね

 

別にホームにある有人窓口で買ってもよかったのですが、チケレスで購入するとポイントが貯まる分おトクなんですよね

デラックスシートにしようかどうか逡巡しましたが、さすがに大和西大寺~京都間では距離が短すぎてもったいないし、どうせ展望デッキに居座ることになるので、やめておきました

 

 

伊勢志摩ライナーに乗車する楽しみといえば、やはりこの圧巻の前面展望が挙げられます

この特等席がフリースペース扱いで乗客全員に開放されているのですから、近鉄のサービス精神には感謝しないといけません

 

また、この車両は音鉄的にも楽しめる車両で、いまや更新工事や車両そのものの引退により数を減らしつつあるGTO-VVVF(三菱電機製)が搭載されているので、インバータ音を聞いているだけで退屈になることはありません

視覚と聴覚の両方で乗り鉄が楽しめる車両、それが伊勢志摩ライナーなのです

 

 

 

 

30分間の乗車を終えて、終点の京都に到着しました

お正月に実家からUターンする際に利用してから、およそ半年ぶりに伊勢志摩ライナーへ乗車しましたが、やはり楽しい車両ですね

 

しまかぜほどの優雅さはありませんが、展望デッキからの眺望性に加え、多彩な車内設備は登場から四半世紀を経てなお、観光特急として十分に通用するアコモといえるでしょう

以上、近鉄特急に乗って病院に行く旅でした