【100歳】箱根登山鉄道モハ1形「サンナナ」引退へ・最後の吊り掛け

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箱根登山鉄道開業以来の活躍で、その車齢はなんと100歳!

紀寿を迎えた箱根登山鉄道の看板車両・モハ1形のうち、最後まで吊り掛け駆動方式を維持していた「サンナナ」ことモハ103号-107号の固定編成がついに引退となります。

登場時は「チキ」

この車両たちは、1919年(大正8年)の小田原電気鉄道が湯本駅〜強羅駅開業とともに製造された車両でスガ、登場時はチキ1形を名乗っていました。

チキというと国鉄由来のレール輸送貨車のイメージが強いですが、こちらはチ=地方鉄道線用、キ=客車から付与された名称です。

主電動機などにアメリカ製の部品が採用されています。

7両が製造されたものの、チキ5号については1926年(昭和元年)の転落事故により廃車となっています。

モハ1形なのに100番台の理由は?

残った6両の改番は戦後に入って行われました。

1950年(昭和25年)の小田急線が箱根湯本駅まで乗り入れるため、1500Vに対応する必要が生じています。

この際に、後輩のチキ2形・3形と同じ鋼製車体に更新されているほか、制御方式も間接制御装置に改めるなど、現在の外見に近くなる大幅な改造を行なっています。

この大掛かりな改造を施工した車両が元番号+100となったため、モハ1形だけど車番は101〜107(105は引き続き欠番)という現在のスタイルになりました。

なお、チキ→モハに形式が変更されたのはその後の1952年(昭和27年)と少し後のこととなっています。

更にその後、台車の交換とともに電磁吸着ブレーキからレール着圧ブレーキに変更されるほか、各部品も少しずつ交換が進められています。

他の編成は引退・カルダン駆動化

吊り掛け駆動で活躍していた3編成のうち、モハ104-106号についてはモハ2形で実施された駆動方式の変更が2006年・2007年に行われています。

そして、モハ101-102号については2002年の小田原駅発着終了に伴う運用減にあわせて引退しています。

このモハ103-107号については改造を行わなかったため、ここ10年は最後に残された吊り掛け駆動編成としてファンから人気の車両となっていました。

最新の3000形アレグラ号は開発当初は増結用だったものの、その後の増備により固定編成3100形が登場。ついにその長すぎる歴史に終止符を打つこととなりました。

引退後の保存が決定済

一世紀もの間箱根の急勾配を登り下りし続けていたこの編成のうち、モハ107号については引退後の保存が決定しています。

譲渡先は小田原のかまぼこメーカーの大御所「鈴廣」さんで、本店敷地内にてすでに工事用の囲いが設置されており、期待が高まっています。

吊り掛け駆動の音色を聞くことは出来ませんが、小田原・箱根観光の際にはぜひ足を運んでみたいお店ですね。

遠くて行けないけど鈴廣さんの心意気に賛同された方はお近くのお店やネット通販でも入手出来ます。

なお、新幹線などのかまぼこを販売しているメーカーさんは「籠清」さんで、こちらも小田原の人気のかまぼこメーカーさんです。

それぞれ得意分野の違いもありますので、あわせてぜひ。


小田原籠清 ドクターイエロー&新幹線切り出しかまぼこ

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写真;写真ACより

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