6月23日の旅の続きですが、今回で完結します。

 

石造りの美瑛駅舎は、観光地の玄関に相応しいたたずまい。 

 

 

ここから15:10発富良野・美瑛ノロッコ5号に乗車します。14:55頃に改札開始後、2番ホームの乗車口で到着を待ちます。

 

 

15:01、9434レ富良野・美瑛ノロッコ4号が到着。

そのまま折返しの9435レ富良野行きノロッコ5号となります。

 

 

今回乗車したのは、美瑛から先頭となる3号車、運転台付き客車オクハテ510-2。

 

 

 

先頭で並んでいたのをいい事に、最前列の席を確保しました。ただ、BOX席なので最前列だと後ろ向きになってしまいますが…。体を後ろにひねって前面展望を堪能する事にします…。

ちなみに、前回のブログで紹介した美瑛の丘や十勝岳連峰の風景はBOX席ではなく、反対側(富良野行き列車だと左側)の窓に向いた2人掛け座席から眺める事になります。

この日は中国人などのアジア系外国人はもとより、観光バスでやってきた日本人の年配ツアー客が自由席に多数乗り込んできましたが、それでも座席には余裕があり、私のボックス席には美瑛からは他に誰も座ってきませんでした。

 

 

オクハテ510-2の運転台。折返し時に機回しをしなくても客車側から牽引機を操縦する事が可能で、全国各地に存在するディーゼル機関車牽引のトロッコ列車はこの方式がスタンダードとなりました。

車掌からの発車合図はブザーではなく、従来の客車列車と同様無線通信でのやり取りで行います。

 

 

富良野線はあまり山岳路線のイメージはありませんが、道内のJR線の中で最も急勾配なのは美瑛~美馬牛の間(28.6‰)。

その区間に存在する通称『すり鉢』のアップダウンコース。

 

 

最初の停車駅・美馬牛駅。

 

 

美馬牛~上富良野の深山峠。

画像中央に見えるのは、反対運動を押し切って建設されたいわく付きの観覧車。「景観が台無しになる」という反対派の気持ち、良く解ります。

 

 

上富良野を出ると、正面に夕張山地の山並みが見えてきます。

 

 

夏の観光シーズンの間だけ開設されるラベンダー畑駅。ここで乗客の多くが入れ替わります。

この地域を代表する観光名所・ファーム富田の最寄り駅であり、車内放送でもその旨を案内しています。

ファーム富田といえば、ラベンダーであまりにも有名なのですが、そのラベンダー畑の風景が旧国鉄のカレンダーの図柄に採用され、それがキッカケで一躍全国的な知名度を得る事になりました。このように、富良野線とラベンダーは切っても切れない関係なのであります。

 

 

次の中富良野では7分停車し、旭川行き734Dと交換します。

ここでも多くの観光客の乗降がありました。富良野・美瑛ノロッコ号は自由席比率が高く、比較的短区間の利用が多いというのが特徴です。

そういえば、ノロッコ号のいずれの停車駅にも観光客の安全のためにJRから依頼された警備員が立っており、このための経費も馬鹿にならないんですよね…。

 

 

終着駅・富良野には16:02に到着。

側線では札幌から乗車したノースレインボー編成が待機中。同編成は16:51に発車するフラノラベンダーEXP4号で札幌に折返します。

 

 

富良野・美瑛ノロッコ号用のオクハテ510-2は、くしろ湿原ノロッコ号用の-1とは顔つきが全く異なっており、-1がキハ54のような前面形状であるのに対し、-2はキハ22発生品と思われる前照灯、Hゴムを使わない前面窓といった具合に1950年代の車両を思わせる前面形状となっています。

 

 

富良野到着後は、折返し16:12発の旭川行き9436レ富良野・美瑛ノロッコ6号となります。

運転所への送り込み運用であると同時に、富良野エリアから旭川をダイレクトに結ぶ観光列車としての役割を担っています。

私はコレに乗って旭川経由で札幌に戻ります。

 

 

そういえば、富良野・美瑛ノロッコ号の機関車のデザインが今年からリニューアルされ、左右で異なるペイントが施されています。

今回はコチラ側しか紹介できませんが、反対側はまたの機会に…。

 

 

富良野・美瑛ノロッコ6号は富良野駅を発車。

ヘルメット姿の作業員が乗客に手を振って見送ってくれました。

 

 

富良野盆地の水田地帯を走ります。

(学田~鹿討)

 

 

ラベンダーの花壇がある上富良野駅。ここもやはり咲き始めの段階。

 

 

富良野盆地が果て、上川盆地との間に介在する急勾配区間を走行します。

(以下2枚は上富良野~美馬牛)

 

(コチラは美馬牛~美瑛)

 

 

峠を下り。17:21に美瑛駅到着。ここでも観光客が多数乗車し、私のBOX席にも男性客が2名乗ってきました。

私がノロッコ号の美瑛~旭川を乗車するのは今回が初めてなのですが、同区間のほうが富良野~美瑛より乗車率が高いのは意外に感じました。

 

 

美瑛から先は、送り込み運用であると同時に列車本数の多い区間を走行するため、ノロッコ号とは言えども快速運転となります。

北美瑛~千代ヶ岡で美瑛川の支流である辺別川を渡ります。

 

 

西神楽で運転停車し、美瑛行き1759Dと交換します。コチラはキハ150-7の単行。

 

 

西御料の手前辺りまで水田地帯が続きますが、そこから先は住宅地やロードサイド型の店舗が立ち並んで旭川のベッドタウンの様相となります。私が初めて富良野線に乗車した30年ちょっと前は、何もない水田地帯がずっと続いていたものでしたが…。

 

 

石狩川水系の忠別川(美瑛川もこの川に合流する)を渡ると、高架区間に入り終着駅の旭川に到着します。

 

 

ノロッコ号から降りた後は、18:00発の3040M特急ライラック40号で札幌に戻ります。

 

 

ノロッコ号と並ぶライラック40号。

これを見送ればノロッコ号の編成写真が撮れるのですが、少しでも早く札幌に戻りたかったので今回は諦めました。

 

 

ライラック40号はHE-105+HE-205の編成。

なるべく列車の『顔』の車両に乗りたいのがテツの性なので、先頭6号車自由席(クハ789-205)に乗車しました。

 

 

3・4番ホームには以前キヨスクがあったのですが、セブンイレブンの無人店舗(自販機コーナー)にリニューアルされていました。

駅舎と独立したホーム上のキヨスクは、かつては道内各地の主要駅に存在したものでしたが、急速に姿を消し、札幌駅ホームのキヨスクが閉店後はここ旭川だけとなっていました。

 

 

ライラック40号の6号車はガラ空き。やはり低価格の高速バスの台頭や、JR北海道自体のイメージダウンなどの影響でドル箱区間の札幌~旭川の特急列車も利用客は低迷しているようです。

 

 

夕暮れ時の石狩平野を札幌に向けて走ります。

 

 

19:25、札幌駅に到着。

いつもなら到着時点で愛称名表示が『回送』に切り替えられてしまうのですが、今回は『ライラック』のマークを撮る事ができました。

 

 

今回乗車したクハ789-205のラッピングは『SORACHI』。

 

 

その後大丸のデパ地下で買い物をし、札幌20:00発の学園都市線643Mに乗って帰りました。

 

おわり