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阪神電車で最後の「旧赤胴車」カラーを纏う7861形、現在は武庫川線でのんびりと余生を送っている。

今回撮影したのはその中でも7868編成と7864編成。7868編成はこの日の昼間に運転されていた編成、7864編成は休憩中でした。
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 この形式最大の特徴は「片開きドア」であること。現在関西では南海6000系と和歌山電鐵の2270系くらいしかいない通勤・近郊用の片開きドアを装備している。(京阪8000系については運用の都合上「特急型」と見なしています)
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この形式に残る「バンドン式密着連結器」。現在阪神では相互直通運転をおこなっている近鉄車両と同じ「廻り子式(神戸高速線に乗り入れる阪急や山陽6000系も同じ)」を使用している一方で他線区と運用が切り離されている武庫川線では未だにこの連結器が使われる。
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運転台と行先表示装置制御盤

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乗務員室はクーラーがなく、運転台に向けて風を送る送風機が置かれている。

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行先幕(側面)

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7864編成

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武庫川駅の引き上げ線


【解説:武庫川線】
武庫川線は、1943年に川西航空機の工場に従業員や資材を輸送することを目的として建設された路線(当時は観光需要が主体の路線を休廃止させ、取り払われた線路資材を軍事的に重要な線区に転用させる政策がとられていた)。開業から1950年代中ごろまでは国鉄と線路が繋がっており、西ノ宮駅(現在のJR神戸線西宮駅)〜洲先駅(当時は武庫川団地前駅のある一帯に駅があり、貨物ホームがあった)では軍需貨物列車(〜1945年)、GHQ向けの貨物列車(1945年〜1958年)が走行していたため三線軌条となっていたという。最後の画像にある引き上げ線はかつての武庫川線本線で、ここから線路が甲子園口駅まで伸びていた。なお、開業当時の旅客輸送は「武庫大橋駅(国道2号線、武庫大橋西詰交差点南西の堤防下付近)」から洲崎駅間で実施されており、武庫川駅と武庫大橋駅間には「小松駅(未成駅なのか、廃駅なのかはっきりとしない:現在の「西宮市社会福祉事業団小松デイサービスセンター」が立地しているあたり)」が存在していたらしい。

参考資料:丸山健夫(武庫川女子大学:教授)「阪神電鉄武庫川線甲子園口駅などの歴史情報」
論文URL:https://mukogawa.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=1956&item_no=1&attribute_id=22&file_no=1

かつての終着駅「洲先駅」については「うっぴ〜な鉄ちゃんのblog」で掲載しています。
リンク:http://up-pinatettyan2016.blog.jp/archives/1008541.html

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