北海道鉄道旅行の計画とまとめ(19年GW)

記事上部注釈
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GWに北海道(道東方面)に鉄道旅行に行きました。このときの計画と実際の内容について振り返ります。北海道の鉄道旅行(あるいは他の形態の旅行)の参考になる部分が多いと思います。ぜひ、ご一読ください。

写真1. 最果ての感覚になる能取岬(網走市の観光スポット)

旅程の概要

北海道には何度も行ったことがありましたが、道東方面には行ったことがありませんでした。そのため、道東方面の鉄道路線に焦点を絞り、鉄道旅行の計画を立てました。

また、私は北海道新幹線に乗ったことがなく、札幌の路面電車の新規開業区間にも乗っていませんでした。したがって、この両者に乗ることも目的としました。道東の鉄道は普通列車が主体です。それでは飽きそうでしたので、アクセントにくしろ湿原ノロッコ号にも乗ることにしました。移動時間があまりにも多いと最小限の観光もできませんから、以下の旅程としました。

1日目:東京→札幌
2日目:札幌→網走
3日目:網走→根室
4日目:根室→札幌

次に考えたのが、復路です。通常の流れですと、1日で札幌から東京に帰る流れでしょう。しかし、それでは往路と同じルートで面白みが全くありません。そこで、札幌から長万部までは「山線」(小樽経由)を選択するとともに、森から大沼もマイナーな渡島砂原経由としました。このようにすると、東京まで1日でたどり着くのは難しいです。そこで、途中の青森で1泊することにしました。青森で1泊するのであれば、津軽線に乗ってみるのも手でしょう。そこで、津軽線に乗りました。後で書きますが、希望する新幹線の指定席券が入手できませんでしたので、津軽線で往復するには時間が足りずに、津軽二股と奥津軽いまべつの乗りかえというテクニックを活用しました。

このように考えて、5日目と6日目の旅程は以下の通りとしました。

5日目:札幌→青森
6日目:青森→東京

こうして、全体的な旅程が決まりました。

鉄道チケットと宿泊先の確保

このように考えて、鉄道チケットと宿泊先の確保というステージに移ります。私が行くのはGWという最も人が動く時期です。そのため、自由席での移動は無謀です。したがって、事前に指定席を確保しました。ただし、網走から根室までの移動には指定席は使っていません。この区間には指定席がないためです(いわゆるローカル線です)。

指定席は1か月前の日に確保、それでも新幹線の指定席券はなかなか空きがありませんでした。そのため、時間帯的に微妙な列車だったりしました(逆に、新函館北斗での駅観察に充当できました)。

指定席券と乗車券は同一の区間にする必要は全くありません(逆に、同一の区間にしてはならないこともありません)。そして、乗車券が売り切れることはありません(池袋から新宿までの乗車券が売り切れることはないでしょ?)。そこで、指定席券を確保してから乗車券をゆっくり確保することが重要です。

今回は長万部までは往路と復路は同じ経路(森-大沼は通る経路こそ異なりますが、運賃計算上は同じです)で、その先は経路が異なります。そこで、考えるのが、長万部までは往復乗車券にしたほうが良いのか、根室までの片道乗車券にしたほうが良いのか、ということです。今回の経路は、南千歳から白石までの区間は2回通りますので、長万部から長万部までの片道乗車券にするのは無理があります。そこで、単純に東京都区内-長万部-千歳線-旭川-網走-根室の片道乗車券と、根室-札幌-長万部-東京都区内の片道乗車券の組み合わせとしました。最初の札幌宿泊時は白石-札幌の乗車券を別途購入、青森宿泊時は新青森-青森の乗車券を別途購入としました。このようにメインとなる乗車券をまとめるのが旅行費用を安くするために重要なことです。

写真2. 長距離の乗車券(札幌からの経路は示されていない)

一方、宿泊先の確保は失敗でした。指定席券の確保は1か月前からできますが、宿泊先の確保はそれ以上前から開始されています。当然ながら、安くて良い部屋は埋まっています。1か月前に宿泊先を確保するという私の心構えはどうかしている、と痛感させられた瞬間でした。1か月以上前にあらかじめ宿泊先を確保すればきっともう少し安く宿泊できたでしょう。指定席券が確保できなかったら?その場合は宿泊先をキャンセルするのが手です。そのため、旅行の計画を立て始めたら、2か月前でもキャンセル可能なプランで宿泊先を手配するのがベストでしょう。

そんなに簡単に宿泊先を確保できるの?そんな疑問もあるでしょう。そのような場合はじゃらんなどのネット予約サービスを活用しましょう。ネット予約は心配という声もあるでしょうが、このサイトで予約できなかったことはただの1度もありません。下のリンクから予約してみてください。



実際の旅程と該当記事一覧

実際の旅程と該当記事一覧を示します。

1日目:東京→札幌
・はやぶさでの東北新幹線、北海道新幹線の旅(19年GW、落とし穴は?)
・新函館北斗の乗りかえ状況を観察する(19年GW)
・スーパー北斗に乗る(19年GW、意外なトラップは?)
※1日目~2日目の札幌観光は4日目に記事にまとめています

2日目:札幌→網走
・特急ライラックの乗車記(グリーン車、19年GW)
・特急大雪の乗車記(19年GW、グリーン車)
・網走の観光スポット2選(能取岬と網走監獄)
※網走監獄は3日目ですが、便宜上2日目に入れています

3日目:網走→根室
・釧網本線快速列車の旅(19年GW、網走→東釧路、混雑もレポート)
・花咲線の旅(19年GW、車窓と混雑をレポート)
・北海道最東端の地を訪問:納沙布岬の行きかたも紹介
※根室で入った飲食店で絡まれました…。悪気はないのはわかるけど、放ってほしいの!

4日目:根室→札幌
・くしろ湿原ノロッコ号に乗る(19年GW、車内と車窓を収録)
・特急スーパーおおぞらに乗る(釧路→札幌、19年GW、グリーン車)

※以下は札幌観光(鉄道も札幌観光なの!)の内容です。
・お手軽札幌市内観光(さっぽろテレビ塔と時計台、19年GW)
・札幌市内の交通網を観察する(19年GW)
・札幌駅での列車観察(19年GW)
・721系の車内を見てみる(レア車両もしっかり観察!)
・札幌近郊の珍列車の紹介(函館本線方面)

このように振り返ると、ほとんど交通系ですね…。

5日目:札幌→青森
・札幌から小樽までの海岸沿いの列車旅(19年GW)
・函館本線(山線)の旅(小樽→長万部、19年GW、車内や混雑は?)
・函館本線の海岸沿いの旅(19年GW、長万部→新函館北斗)
・北海道新幹線と青森の鉄道(19年GW)

6日目:青森→東京
・津軽線の旅(19年GW)
・奥津軽いまべつと津軽二股の乗りかえ光景(19年GW)
・はやぶさのグリーン車に乗る(車内と車窓を紹介、新青森→上野、19年GW)

今回の旅行の振り返り

今回の旅行はきちんと考え抜いた計画ということもあり、満足度は高めでした。しかし、以下の2点が課題と思いました。

・昼食をとる時間がなく、基本的に移動中の昼食となってしまったこと
・時期柄、車窓からの景色が単調であったこと

このブログを読む人は私の自慢話よりも私の失敗や課題を読みたいでしょうから、その点をもう少し掘り下げましょう。

昼食をとる時間がなく、基本的に移動中の昼食となってしまった

基本的に、日中時間帯は移動に充てて朝や夕方に観光タイムと想定していました。それはそれで結果オーライだと自負していますが、その中に昼食を考え忘れていました。人間は放っていても空腹になりますから、昼食は必須です。その時間を計算し忘れていました。そのため、4日目と6日目を除いて昼食は車内になってしまいました。それも、3日目と5日目は普通列車の車内です。いずれも運よく席を確保できましたが、席を確保できなければ、食事もままなりません。昼食をとる時間を1時間以上確保したほうが良いと再認識しました。

車窓からの景色が単調であった

北海道といえば、雄大な車窓、緑が美しい車窓というイメージでしょう。しかし、GWはようやく桜が咲き始める季節で、枯れ木が主体となる季節でした。これでは車窓も残念です。

桜の季節のことを思い出しましょう。みんな桜に夢中ですが、その周囲を思い出してみましょう。たいていの木が枯れていることが思い出せましょう。桜が咲く季節はまだ緑は豊かではありません。緑豊かな景色を望むのであれば、北海道は夏に訪問するのが良いですね★

JR北海道への雑感

ここから、(弊サイトとしては珍しく)かたい話題となります。

JR北海道は経営再建中ということで、若干鉄道に詳しい人であれば、さまざまな情報を入手していることでしょう。経営再建中ということもあり、列車の本数が少なかったり、スピードが遅い(きょうび在来線の最高速度が120km/hのJRはJR北海道だけ!)ことが印象に残りました。

実際に触れてみて、以下の点がいかがなものと思いました。

・本数が少ない割に列車編成が長い
・多くの車両の窓が汚い
・技術の無駄遣い

それぞれ触れてみましょう。

本数が少ない割に列車編成が長い

本数が少ない割に列車編成が長いことが印象に残りました。例えば、札幌-函館は1日12往復の特急列車が運転されています。編成両数は最低7両(3往復のみ、他は最低8両)です。1日最低93両の車両が行き来しています。一方、これよりさらに人口の少ない松山-宇和島では1日16往復確保されています。こちらは2両~4両編成の短い編成の特急が頻繁に運転されています。利用者的には短い編成で本数が多いほうが便利です。札幌-函館も6両編成で15往復のほうが便利でしょう。増発する3往復は停車駅を限定した最速達タイプが良いでしょう。例えば、札幌-函館で新札幌、南千歳、苫小牧、東室蘭と新函館北斗のみの停車でも問題ありません。これらの最速達列車が通過となる駅については、「通過となる列車は増発ぶんなので、この駅の停車本数は減りませんよ★」と説き伏せてしまえば良いでしょう。

多くの車両の窓が汚い

窓に汚れがこびりついていることが確認できました。例えば、札幌→小樽や倶知安→長万部の列車です。前者では前面展望を満喫することで何とかしました。また、特急列車も編成の1両だけが窓が汚れているなどの例もありました。美しい車窓が自慢の路線であっても、窓が汚ければ意味がありません。車窓を満喫しないはずのJR山手線や東武東上線であっても、窓はそれなりの水準が保たれています。きちんと窓の洗浄をしてもらいたいものです。

技術の無駄遣い

201系気動車という車両があります。この車両は、非電化区間から電化区間に直通するために設計された車両です。そのため、電車と同等の動力性能、電車と連結できる機能、車体を傾斜させてカーブを高速で通過できる機能が搭載されています。しかし、電車と連結できる機能がきちんと使われているのは1日1本(1往復ではない!)でしかありませんし、車体傾斜機能は使われていません。せっかく投入した技術がきちんと使われていないのです。その技術のために非常に高価な車両になっており、この車両を活用した便利なダイヤにはできていません。

写真3. 電車と連結運転する201系気動車

それであれば、電車と同等の運転時間で運転できる動力性能を備えた車両(=比較的安価な車両)をもう少し増備したほうがトータル的に便利でした。現在、小樽で電車を増結していますが、割り切って気動車を増結すれば電車と連結できる機能は不要です。また、ワンマン運転できない構造という点も問題です。それがゆえに、閑散線区に運用するには人件費がかかってしまう車両です。このような技術の無駄遣いが現在のJR北海道の経営状況に結び付いたと考えるのは、短絡的なのでしょうか。

今回の旅行まとめ

このようなさまざまな感想を抱いたのは事実ですが、とても印象に残った旅行です。他人にこの旅行を勧めるか、という疑問にはYes!と答えることでしょう。ただし、鉄道旅行が好きな人という前提が残ります。このようにご自身で計画を立ててさまざまな場所に行ってみては、と思います。その計画を立案するのにこの記事が多少とも役に立てば望外の喜びです。

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