JR北海道を除くJRグループ各社及び民鉄各社では、今年10月に実施される消費税率の引き上げに伴う運賃等の改定を、本日認可申請したことを発表しました。

消費税率引き上げに伴う運賃・料金改定について:JR西日本
鉄道線旅客運賃の改定申請について|南海電鉄
消費税率引き上げに伴う鉄道運賃の上限変更申請について|お知らせ|泉北高速鉄道
消費税率引上げに伴う運賃改定の申請について|和歌山電鐵


詳細は、上記各社の発表資料をご覧いただきたいのですが、概要をいえば、各社とも消費税増税分となる1.852%を転嫁することとし、全体がこの増税分の収入になるように改定することとしています。

前回消費税改定時(2014年4月)に関東地区等で導入されたICカード導入区間における1円単位の運賃制度が、関西地区でも導入されるのかどうか、少し気になっていましたが、今回の改定では従来通り10円単位の運賃のままとなります。
今回の運賃改定で1円単位の運賃の採用が見送られたことにより、今後、更なる消費税率の引き上げは今のところ予定されているわけではないだけに、どのタイミングで1円単位の運賃を導入するかが、注目といえるでしょう。



ところで、今回の運賃改定により、JR西日本の電車特定区間及び大阪環状線内における初乗り運賃(1km〜3km)が、現在の120円から130円と10円引き上げられることとなります。

この「初乗り120円」運賃、少しネットを探すと、遡ること1982年4月、当時の国鉄の運賃改定時に引き上げられて以降、何と37年間、「国鉄」から「JR」に、そして「昭和」から「平成」を経て「令和」へ、加えて消費税が「0%」から「3%」、「5%」、そして「8%」の時代を経てもなお、120円という運賃水準が維持されてたとのことです。
参考:付表-2:国鉄の運賃の推移 - 未確認"鉄道"研究室

この間、同じく「電車特定区間」「山手線内運賃」の運賃を設定しているJR東日本では、1997年の消費税率改定(5%)の際に130円に引き上げており、この120円の運賃については、それ以降、JRグループではJR西日本が唯一の設定でありました。


このように、40年近く維持されてきたこの「初乗り120円」が、遂に終焉を迎えるのか、と思うと、よくもまあここまで維持してこれたものだな、と感慨深いものがあります。
今後、デフレや経費節減とうにより、大幅な値下げが可能となれば、120円の初乗り運賃が戻ってくるかも知れませんが、そもそもデフレが経済に悪影響であることは経済学の初歩でありますし、初乗り運賃を押し下げるほどの画期的な経費節減が可能か、といわれると難しい状況から考えると、JRの地紋が付された120円の切符が買えるのも、この9月末までになるのかな、とも感じました。

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▲私が本格的に鉄道趣味を始めた頃の今から31年前、昭和63年の入場券(大人120円・小児60円)です。
今回の運賃改定に併せて入場券の料金も改定されることとなります。
思えばこの頃からの入場券の料金が、今まで続いていたわけですね・・・


機会があれば、一応「最後」の120円の切符をネット上にアップすることも考えてみようかな、とも思ったりした、運賃改定のニュースでありました。




●関連ニュースサイト:
JR旅客6社の運賃改定申請が出そろう JR北海道以外の5社は消費税率の引き上げ分のみ | 乗りものニュース
大手私鉄16社なども運賃改定を申請 消費税率「10%」に対応 | 乗りものニュース
JR各社、消費税率引上げで運賃値上げを申請 北海道以外は増税分のみ | RailLab ニュース(レイルラボ)



●関連ブログ:
wap ONLINE:消費税率引き上げによる運賃改定申請、りんかんバスIC対応を発表



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