北海道新幹線と青森の鉄道(19年GW)

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北海道と青森を結ぶ北海道新幹線。その北海道新幹線の青森側の拠点駅は新青森駅であり、市街地に位置する青森駅ではありません。両者の連携はどうなのでしょうか。実際に現場で観察しました。

写真1. 青森の中心、あおもり駅

北海道新幹線に乗る

普通列車で新函館北斗に到着した私は北海道新幹線に乗ります。私が新函館北斗に着いたのは17:16、乗る予定の新幹線は17:25とそこまで時間に余裕はありません。新函館北斗で改札をいったん出て、特定特急券(自由席特急券の口座は開けませんでした)を買い、ギリギリに乗りこみました。北海道新幹線には自由席がなく、指定席の空席に座ることのできる特定特急券が設定されています(価格は自由席特急券と同額)。そのため、自由席特急券は発売できない扱いとなっています。ただし、これでは混乱の元になってしまいます。新青森までの自由席特急券を選択したら自動的に特定特急券に転送するような設定にしてもらいたいものです。

私が乗ったのは「はやぶさ38号」です。停車駅を極限までに絞った(新青森、盛岡、仙台、大宮にしか停車しない)タイプで、東京まで3時間58分で結びます。また、私が乗ったのがGW中ということもあるでしょう。そのため、座席はほとんど埋まっていました。指定席を事前に手配しておらず、発車時刻ギリギリで乗りこんだ私には窓側の空席が見つけられませんでした。そのため、車窓は見られずじまいです。

写真2. 青函トンネルを通過する際の様子

57分ほど乗り、新青森に到着します。私は3人掛けの通路側の席に座りましたが、隣に座っていた2人(カップルか若い夫婦だと思います)が有名なアニメーションをずっと見ていたことが印象に残りました。そんなにアニメーションばかり見ているのであれば、窓側の席を私に譲りなさい!(もちろん、直接言っていないですよ)

青森周辺の鉄道

青森市の中心部に近いのが青森駅、新幹線が停車し外から青森市を訪問する人の玄関駅が新青森駅と、中心駅と玄関駅が東北地方の県庁所在地の中では唯一離れています。人口30万人の青森市としてはどのようなフォローが行われているのでしょうか。実際に見てみましょう。

E751系先頭

写真3. E751系つがるの入線

18:23に新青森に着いた私は18:31発の特急つがるに乗ることにしました。新青森から青森までの1駅だけ特急に乗るのは贅沢?金の無駄遣い?そのようなことはありません。新青森-青森の1駅に限り、特急列車の自由席に乗る場合は特急料金は不要で乗れるのです。また、リゾートしらかみなどの全席指定の観光列車についても同様の処置がとられています。(例えば)弘前-新青森の利用客で埋まった席を新青森-青森で有効活用しつつ、特急列車と同等の本数だけ青森-津軽新城のシャトル列車を節約できます。また、利用客的には設備の優れた特急用車両に乗れるというメリットもあります。

E751系の車内

写真4. E751系の車内

このような落ち着いた車内です(写真4)。どことなく常磐線で走っていたE653系「フレッシュひたち」を思い出します。それもそのはず、E653系の基本設計を踏襲して設計された車両なのです。

E751系の車内

写真5. E751系の車内

E653系フレッシュひたちは常磐線の旺盛な需要(この一部は普通列車を不便にすることで意図的に演出されたものもありましょう)に対応して、1席でも多くの座席を提供するという設計思想でした(現在は普通列車グリーン車にも分散していることでしょう)。そのため、座席の間隔が910mmと狭くなっています。その設計思想を北東北まで持ち込んでいます。そのため、座席の間隔が狭いことがわかります(写真5)。

E751系の車内

写真6. E751系の車内

E751系の車内

写真7. E751系の車内

デッキ部分は意匠が凝らされています(写真6-7)。また、E653系ではガラスの扉だったのが、この車両ではガラス以外の素材が使われています。北東北の寒さに対応して、断熱性を強化したためでしょう。

E751系(青森)

写真8. 青森に着いたE751系

このように、1駅走って新青森から青森に着いたのでした(写真8)。

写真9. 青森駅前の専用塗装のバス

青森駅前にはE5系の塗装のバスがありました(写真9)。

新青森-青森はおおむね30分以内の間隔が実現されていますが、発車時刻がランダムで利用しにくいです。新幹線の時刻に応じて運転するという側面も見逃せませんが、15分間隔をベースに運転してもらい、どの新幹線からも「待たずに利用できる」ような運転間隔を実現することを実現してもらいたいものです。また、弘前直通の特急を1時間間隔で運転して、東京方面から弘前まで快適に移動することも考えてもらいたいものです(各種リゾート列車が入る場合はリゾート列車で代替可能)。現在は、せっかく快適な新幹線に乗っても、新青森-弘前まで701系に乗らざるを得ない場面が多いためです。701系に対する評価はいろいろあるでしょうが、長距離利用には適さないことは明らかなためです。

現在の青森-弘前には5両編成の列車も見かけます。可能であれば、このような長編成低頻度運転ではなく、2両編成か3両編成を中心とした短編成高頻度運転にシフトするべきでしょう。E751系も6両編成から4両編成になったのだから、そのような基盤は整っているのです。青森-秋田の特急も1日3往復でなく、4往復以上を確保するべきです。

拠点駅の観察

では、青森の2つの拠点駅を実際に見てみましょう。

玄関駅:新青森駅

新幹線が停車し、奥羽本線が接続する駅です。2010年12月に新幹線が新青森に延伸するまでは無人駅でした。多くの人が勘違いしそうですが、新幹線ができる前からあった駅です。

写真10. 在来線から多くの人が降りる

私はこのときに在来線で新青森に着きました。乗った電車は津軽新城行きだったのですが、多くの人が降りていました(写真10)。やはり新幹線と青森の市街地の連絡として定着しています。

写真11. 新幹線乗り換え通路を歩く

新幹線のホームまでやや距離があります。新幹線と在来線(奥羽本線)との乗りかえ時間は8分とされています。やや遠いですね(写真11)。

写真12. 在来線の改札を出る

在来線の改札口を出てみました。改札近くに時刻表が掲げられています。おおむね青森-新青森は1時間に2本程度確保されていますが、間隔が一定ではないことがわかります。なお、新青森で折り返すことはなく、隣の津軽新城で折り返します。

写真13. みやげ物店が並ぶ

日本の交通の拠点に必ずあるものといえば、みやげ物店です(写真13)。なお、ここの近くに食事どころもありました。会社員であればどうしてもみやげ物を買う場面に出くわしますので、大きな駅には必要といえます。

写真14. 寒い地方なので仕切りはきちんとある

青森県は日本で最北端の県です(北海道は県じゃないし)。そのため、冬はかなり寒いです。その寒さに対応するために、要所には仕切りがあります(写真14)。

写真15. ガラスが多用された明るい駅舎

写真16. ガラスが多用された明るい駅舎

最近のトレンドはガラスが多用された建築物です。そのトレンドに乗っています。このような建物ばかりだと個性がないという批判もありましょう。しかし、建物には個性よりも快適性などが重要です。そのため、似た建物が多いのは仕方ありません。ましてや不特定多数の人が使う「駅」という建物であれば、個性よりも快適性を重視するべきでしょう。明るい良い駅舎です(写真15-16)

写真17. 出入口付近もガラスが多く採用される

写真18. 出入口付近もガラスが多く採用される

駅の外に出てみましょう(写真17-18)。やはり駅舎はガラスが多く使われていることがわかります。コインロッカーも西口側に備わっており、総じて機能的で明るい駅といえ、必要十分な条件が整った駅であることがわかりました。今後もきちんとメンテナンスを保っていただき、利用客に好印象を持たれるように維持してもらいたいものです。

地元の中心駅:青森駅

新青森が玄関駅として整備されても、新青森が市街地の中心にあることはありません。従来の市街地に位置するのは依然として青森駅です。その青森駅の様子も眺めてみましょう。

写真19. あおもり駅の表示が特徴的な駅舎

青森駅のメインは東口です。こちらに市街地があります(多くの飲食店もこちらにあります)。ただし、GWはどの和食料理店も満席でイタリアンにしか入れないのは改善すべきです。

写真20. 発車案内がある

東口の改札から中に入ると、さっそく階段があります。階段を上がる前に発車案内があり、どのホームから発車するか確認できます。11:01発の津軽線普通蟹田行き(蟹田で三厩行きに連絡)は6番線から2番線に変更のようです。

写真21. 昔ながらの跨線橋を行く

写真22. 昔ながらの跨線橋を行く

階段を上がると、昔ながらの跨線橋を歩きます。

写真23. ホームの発車案内

ホームに降りてみましょう。普通津軽新城行きの表示です(写真23)。この列車の使命は新青森連絡ですが、新青森で折り返せません。そのため、その次の駅である津軽新城まで行きます。主目的である新青森がきちんと表示されています。

写真24. 701系電車が進入!

701系電車がやってきました(写真24)。これは秋田支社のカラーリングですね。ただ、津軽線は盛岡支社管轄です(余談ですが、指令はつい最近までJR北海道管轄でした)。

写真25. 青い森鉄道の車両

青森は青い森鉄道の駅でもあります。そのため、青い森鉄道の車両もやってきます(写真25)。青い森鉄道の青森の隣は筒井で4.4kmも離れています。この間は青森の市街地ですから、駅を設けないことは非常にもったいないです。あと2駅あっても罰は当たりません。

写真26. 青い森鉄道の車両

側面を見ると、ラッピングされています(写真26)。せっかくの美しい車両がもったいないですね…。

前後を読みたい!

さて、前後ではどこに行ったのでしょうか?

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★今回の旅行の全体的な計画~まとめは以下のページに記載しています。
北海道鉄道旅行の計画とまとめ(19年GW)

※それぞれ別ウィンドウで開きます。

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