高速列車の集約化で運転見直しへ SNCF・Renfeダイヤ改正(2018年12月9日)

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フランス国鉄(SNCF)及びスペイン鉄道(Renfe)はヨーロッパ鉄道時刻表にて2018年12月9日にダイヤ改正を行ったと公表した。今回はこれについて見ていく。

1. 高速列車TGVで減便実施へ

今回の2019年ヨーロッパ冬ダイヤ改正に伴う2018年12月9日SNCFダイヤ改正では、高速列車TGVのみが走るLGVライン・ローヌ線で減便を実施する。

ストラスブール~LGVライン・ローヌ線経由~マルセイユ間のTGVは4往復運転されていたが、今回のダイヤ改正で3往復に減便した。なお1往復はマルセイユ発着からニース発着に延長した。

またナンシー~リヨン間の1往復がヌフシャトー経由からパリディズニーランド最寄りのマヌル・ラ・ヴァレ・シェシー経由に変更した。これによりナンシー~リヨン間では最速4時間00分から3時間50分に短縮した。

またヌフシャトー経由で運転されていたメス~ナンシー~リヨン~ニース間の高速列車TGVが廃止されることとなった。

これによりヌフシャトーに高速列車が経由しなくなった。代替として中距離普通列車TERをナンシー~ディジョン間に2往復運転し、ディジョンでマルセイユとLGVライン・ローヌ線方面を結ぶ高速列車TGVと20~60分接続で連絡させることとなった。

フランスでは高速列車の上下分離が近々実施される予定で、従来の高速列車TGV(inOui)に加え格安高速列車ouigoを2013年より運転開始している。将来的に上下分離され他社の高速列車運転が可能となった際にはパリを結ばない運転系統の維持は難しくなることから、不採算運転系統を整理する目的で今回のダイヤ改正で減便を実施したのだろう。

日本で高速列車の上下分離実施と他社による車両での格安新幹線運転についても考えてみたが、東海道新幹線と東北新幹線ではダイヤの制約が多く下手に車両性能の低い車両を導入されては全体の利益を損なうので確実にあり得ない。考え得るとすれば山陽・九州新幹線や上rつ新幹線・北陸新幹線などであるが、上越新幹線・北陸新幹線の場合は第三者企業が新宿~大宮間で標準軌新線を建設した場合、韓国SRTのように格安高速列車を運転させることは可能そうだ。ただ新幹線を運営している5社中4社が既に完全民営化をしていることもあり、一筋縄ではいかなそうだ。

2. 直通列車の設定で利便性向上へ

また今回の2019年ヨーロッパ冬ダイヤ改正に伴う2018年12月9日Renfeダイヤ改正では、

マドリード~グラナダ間のタルゴ1往復で、グラナダ7時35分発タルゴ231列車マドリード行きとマドリード16時58分発タルゴ230列車グラナダ行きで、所要時間は5時間24分となっている。

これによりグラナダに初めてタルゴが設定され、スペインの首都マドリードまでの直通列車も設定されることとなった。


3. 結び

今回の2019年ヨーロッパ冬ダイヤ改正に伴う2018年12月9日SNCFダイヤ改正では、フランスでは高速列車TGVの見直しが行われた一方、スペインでは運転系統の復活を実施した。

今後ヨーロッパでどのようなダイヤ改正を実施するのか、見守ってゆきたい。

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