大阪メトロ千日前線 南巽～弥刀間【延伸データベース】

Osaka Metro(大阪メトロ)千日前線は、2019年現在野田阪神～南巽間を結ぶ地下鉄路線です。

1965年に第一期区間である野田阪神～桜川間を開業させたのを皮切りに路線延伸を進め、1981年に新深江～南巽間が開業・全通し、現在の形を形成しています。

弥刀延伸構想

現在の延伸構想としては南巽駅からJR平野方面へ南下し、弥刀（みと）方面への4.2kmを延伸する構想があります。

ルートはざっくりとしか提示されていませんが、図示された資料によると、全く道路のない部分を整備して現在の南巽駅からまっすぐと南下、平野川大橋交差点から東側で大きく東向きへと進路を変え、おおさか東線を抜けて久宝寺緑地方面へ、再度方角を北東に修正して弥刀方面へと達する計画です。

マップで示すとこういった感じ。近接する大阪府営久宝寺緑地地下に車庫を作る計画があります。

途中駅を予測してみる

需要予測で検討された駅数は、南巽駅を除いて3駅。今回は弥刀”方面”と必ずしも近鉄弥刀駅を目指すものではなさそうで、ざっくりとしたエリアへの延伸構想となっています。

大阪の地下鉄はおおよそ1kmごとに駅が設置される傾向がありますが、今回は郊外区間ゆえか延伸区間4.2kmに対して途中駅は3駅と少なめなので、1.5kmごとと仮定して予測を立ててみました。

起点である南巽のみ確定していますが、残りは全て予測駅です。終点も「弥刀方面」となっていて必ずしも弥刀かどうかは不確定要素になります。

途中駅の「加美北六丁目駅」とした予測駅は、おおよそ山水エレクトロニクス・喫茶フレンドに挟まれた交差点（加美北6丁目6-15）のあたり、

「大蓮（おおはす）駅」とした予測駅は東大阪市立長瀬南小学校の南側あたりと見込んでいます。

終点の弥刀はあくまで「方面」なものの、今回は近鉄弥刀駅にあわせました。

新設部建設計画

千日前線の延伸区間開業にあたっては、全4編成の車両が準備されます。

車庫は久宝寺緑地地下に新設とありますが、コスト削減プランでは既存の森之宮検車場にて対応するとあります。

最大編成数は、他千日前線駅と同様に8両を想定しています。

新設部運転計画

・朝ラッシュ時：4分5秒～4分10秒間隔
・データイム時：7分間隔
・夕ラッシュ時：4分45秒間隔

この他、国道309号線を南下して国道25号線地下に入って東進するルートや、谷町線平野駅へと接続するルートも議論の俎上に上がっているようです。

「道路がない！」

延伸4路線構想の中で唯一、導入区間となる道路がまともにないのがこの千日前線延伸区間の特徴です。長堀鶴見緑地線は大正通が、今里筋線には今里筋が、9号線は長居公園通が既に整備されていますが、この千日前線延伸区間はまず道路の整備から始めないとならない状態です。

それらもあり、開業から40年後の予測では費用対効果（B/C比、1を切ると黒字化の見込みがない）が基本プランで0.47と延伸4路線の中で最悪、コスト削減プランを適用しても1に届かないことから、建設が凍結されたままとなっています。

更にこの見積もりが建てられた時は、大阪市南東部の鉄道空白地帯を埋めるという大義名分がありましたが、既にそれもおおさか東線の開業によって失っており、また近傍には衣摺加美北駅が開業したことから延伸4路線の中では最も実現性が薄い路線となっています。

民営化したこともあって近い内に延伸構想が練り直され、谷町線平野に接続するプランや国道25号線に入るプランへと切り替わるかもしれませんね。

他の延伸構想データベース

【大阪メトロ 延伸データベース】長堀鶴見緑地線 大正～鶴町

【大阪メトロ 延伸データベース】9号線(敷津長吉線)　住之江公園～喜連瓜破

参考資料

『「大阪市交通事業の設置等に関する条例」に位置づけられた未着手の地下鉄計画路線の整備のあり方について 』平成26年8月28日　大阪市鉄道ネットワーク審議会

『条例路線の調査結果について』平成８年12月臨時会常任委員協議会（交通水道）-12月13日

『第７号線（長堀鶴見緑地線）の延伸[鶴町～大正] 』大阪市

『「大阪市交通事業の設置等に関する条例」に位置づけられた未着手の地下鉄計画路線の整備のあり方について（答申）内、資料1－2　「大阪市交通事業の設置等に関する条例」に位置づけられた未着手の地下鉄計画路線の整備のあり方について（答申）（その2）』-　2014年8月30日

『第4回大阪市鉄道ネットワーク審議会』- 2014年7月2日

『第５号線（千日前線）の延伸［南巽～弥刀方面］（詳細版） 』 – 2014年7月2日

書いた本

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