札幌駅前から沿岸バスに飛び乗り,羽幌に着いたのは夜9時頃。(→前回
宿すら取ってなかったので,途中の砂川SAで休憩してるときに3軒くらい電話を掛け,何とか宿を確保しました。
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こちらがお世話になった登喜和旅館
当日の夜に突然電話を入れただけなのに,女将さんが風呂を沸かして待っていてくださいました。
温かく出迎えていただいたことに感謝の気持ちを込めて,ブログでも紹介させていただきます。


さて,羽幌フェリーターミナルは宿から歩いて15分ほど。
朝7時に今日の運航が決定したのを確認し,余裕を持ってターミナルへ。
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本日の目的地は,羽幌の西30kmにある焼尻(やぎしり),天売(てうり)の2島。
弊ブログをご覧になるようなマニアックな皆様ならご存知かもしれませんが,大方の日本人は名前すら聞いたことないんじゃないかという小さな島々です。そもそも初見で読めないし。
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こちらが焼尻島まで乗っていく羽幌沿海フェリーの高速船「さんらいなぁ2」。
学割はありますが学校長のハンコ入りの証明書がないと使えないので,予め何枚か持っていくことをオススメします。私はなけなしの1枚を宗谷本線の乗車券を買うときに使ってしまったので…。
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30分ほどでオンコの島,焼尻島に到着。
この「さんらいなぁ2」がとんでもないゲロ船で,吐き気を抑えるのに必死で何も覚えてません。筆者のみならず,だいたい真っ青な顔して降りてきました笑
ナチュラルで揺れる仕様みたいですが,焼尻のおばちゃんによると今日はすごい揺れたでしょ?とのこと。悪名高い香港マカオのジェット船も,フェリーよなくにも酔わなかったんですがね…。
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帰りのバスの都合で,天売島も行くとなると焼尻島には1時間も滞在できなかったので,とりあえず港の周りを散策しました。
この島の名物は羊とオンコ(イチイ)の原生林だそうです。
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人を見ても転がったままのネコ
島の人口は僅かに200人ほど,人を恐れることを知らないのかもしれません。人もネコも,ゆっくりと時間が流れていました。
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港に戻ってくると,天売島へ向かうフェリー「おろろん2」が接岸していました。
オロロンというのはウミガラスのことで,このあたりでよく見られる海鳥の一つ。たとえば天売島は「オロロンの島」と呼ばれていたりします。
この船も,さすがに「さんらいなぁ2」ほどではないものの結構揺れましたね。アレに比べれば幾分かマシというだけで,船が苦手な人は絶対に無理だと思います。

20分ほどで天売島に到着。
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港のレンタルバイク屋で貸しチャリを借り,島を一周することにしました。
一周は高々10kmちょっとですが,平地のない島なのでそこそこの山道を登っていきます。しかし,朝の雨模様から打って変わって,空はすっかり晴れ渡りました。
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天売島は海鳥の楽園として知られており,8種の海鳥が繁殖しています。
ここは島の西端に位置する赤岩展望台で,見渡すかぎりウトウの巣穴が広がっています。
暑寒別天売焼尻国定公園の一角で,また鳥獣保護区でもあり,法律的にも鳥の楽園というわけです。
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展望台からは見渡すかぎりの絶景。
悠々と飛び回る海鳥に,海面を見下ろすとアザラシやトドがいました。
ほかにも島内には海鳥を観察できる場所がいくつかあり,多くのバードウォッチャーで賑わっていました。こんな空港もないような遠隔離島まで鳥を見に来る感覚は,鉄道マニアが日本全国津々浦々で神出鬼没なのと同じような現象なのでしょうか。。
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島一周を終えて港近くの商店にお邪魔すると,店のおばちゃんが「自転車は疲れたでしょ」と言って売り物のお菓子まで色々土産に持たせてくれ,さすがに申し訳ないので天売産の昆布餅を買って帰りました。
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帰りは再びゲロ船,さんらいなぁ2。
殺人兵器なのに萌え絵でだまそうとしてるのが許せないですね。

焼尻島を経由し,1時間ほどでやっとこさ生きて羽幌に帰還。
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天売島も焼尻島も羽幌町に属しており,羽幌は町全体が海鳥推し。
オロロンのキャラクターをあしらった看板やモニュメントがあちこちにあり,北海道海鳥センターなる立派な施設もありました(海鳥について学べて結構よかったです)。

ということで,弾丸羽幌離島ツアーは,優しい女将さんとの出会いに始まり,人を見ても動じないネコ,数えきれない海鳥,そしてゲロ船に終わりました。

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再び羽幌から沿岸バス特急はぼろ号に乗って札幌へ。
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日本海オロロンラインは風車と日本海と夕日で最高の景色でした。
札幌の宿はGWで高騰しており,一番安かったすすきの近くのドミトリーを予約しておきました。
同部屋に韓国人やカナダ人がいて,三ヶ国語が飛び交ってて面白かったです。札幌の名前の由来とかいう最強の薀蓄を英語で披露できたので最高でした。
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最終日は苫小牧へ。本旅行6回目の船に乗ります。
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商船三井フェリー「さんふらわあ さっぽろ」で脱北しました。
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船は2年前に就航したばかりの新造船で,綺麗なレストランで食べる大洗しらす丼は格別でした。
個室はテレビ付き,トイレはウォシュレット,大浴場も清潔で,実質優雅なホテル旅でした。某沿海フェリーに比べれば揺れなど誤差ですしね。
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翌朝は太平洋を望みながら一路大洗へ。
こうして北海道8日間の旅は終わりました。