初夏ですね。
先月はグレーの国産輸送機に乗って沖縄に行ったりしてしました。
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ご承知の通り,今回のGWは令和改元ということで10連休でした。
もちろん海外を狙ってはいたのですが,航空券の値段を見て諦め,かねて制覇したかった道北を旅することにしました(結論から言うと離島巡りのせいで海外行くくらいの旅費が掛かった)。
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言うまでもなく限界行程なので,行きは成田0710発新千歳ゆきの春秋航空日本。
始発では成田空港に間に合わないため池袋駅西口0100発の東京空港交通で成田入り。3タミに着くと,あらゆる座席やソファは既に限界行程者によって確保されていたので,陸上トラックみたいになってる床にゴミ袋敷いて寝ました。
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新千歳から快速エアポートで札幌に抜け,地下鉄東豊線で終点栄町まで行き,徒歩で丘珠空港へ。
ここからHokkaido Air Systemで利尻島に飛びます。おそらくプロペラ機は南大東島以来ですが,前回はBombaldiaで今回はSAABなので更に一回り小さくなりました。
飛行時間は1時間ほど。CAさんがドアクローズ,アナウンス,機内サービスまで全部一人でやってて尊敬しました。
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利尻島は稚内の西に位置する離島です。
島好きの端くれとして,稚内へ行くときには利尻・礼文もセットで行きたいと考えていたので,ついに夢がかないました。
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利尻空港,さすがに絶景過ぎでは…?

空港を出てすぐに分かったのですが,天気が良ければ島のどこからでも白雪を冠した利尻富士を拝むことができ,こりゃすげえ島だなと思いました。
利尻という名前はアイヌ語のリ・シリに由来しており,その意味は”高い島”だそうです。古来から畏敬の対象だったのでしょうねえ。
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港に突き出た展望台より,黄金色に染まる利尻富士町を見下ろす。背後には利尻富士が映り込むので絵になるんですよね…(溜息)
いくつか飯屋もあり,セコマやスーパーもあり,それなりに栄えていました。
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夕飯には集落の食堂で巨大メンチカツ定食をいただきました。
そうして気付けば,利尻島の夜が更けていきました。
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宿は集落から離れていたので街頭のない夜道を延々と歩いていたのですが,この星空よ(写真で伝わらない)。北斗七星を見つけ,柄杓の部分を延長して北極星の位置を導いたのは生まれて初めてだと思います。
さすがに4月末でもこのあたりの空気はかなり冷えていて,ストーブを付けずに寝たら翌朝寒さで目が覚めました。
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翌朝はレンタサイクルを借りて島一周。
一番状態がいいやつを選んだのですが,サドルが低いのを直せなかったので些か不便でした。。

海を望む道をひたすら時計回りに走っていくわけですが,島の南側に差し掛かると天気が曇り始め,強風が向かいから吹き付けるように。進めないくらいの風は初めての体験でした(ヤバい)
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利尻島随一の景勝地であるオタトマリ沼に着いたものの,あまりに寒すぎるので小屋入ってホタテ食べてました。
晴れていれば絶景だったに違いありません。先帝も利尻島行幸の折に訪ねられたそうです。
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4分の3周ほど走り,島の北東側に出てくると,再び青空に。
利尻富士を見ると向こう側は雲に覆われており,やはり利尻富士によって島の天気が分かれているようです。
このあたりには島一周道路から分岐する自転車専用道などもあり,とても綺麗な景色の中を爽快に走ることができました。上に貼った自転車と利尻富士の写真もそこで撮ったものです。
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ゴールは鴛泊(おしどまり)港。ちょこちょこ寄り道して60kmほどでした。
ロータリーに面して貸しチャリ屋があるので返却。
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駅前の食堂で利尻ラーメン大盛。
中にホタテとか沈んでます…!スープの出汁に利尻昆布を使っていて,本当に美味でしたので皆様もぜひ。

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鴛泊港には,ちょうどハートランドフェリーが入港するところ。想像より大きいのと,染色体みたいな斬新なデザインが気に入りました。利尻島に別れを告げ,第二の目的地,礼文島へ向かいます。

***

礼文島・香深(かふか)港に入港後,そのまま港近くの宿にチェックイン。
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限界旅行とは思えない夕食が…!普段の一人旅では絶対にこんなの食べられません。
島内の宿が少ないのかGWで埋まっていたのか,それなりの価格帯の宿になってしまいました。
宿の近傍には海の見える温泉もあり,チャリの疲れを癒やしました。

2日目。
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とりあえず香深港から路線バスに一時間揺られ,最北端・スコトン岬に来てみました。
礼文島の名前はアイヌ語のレプン・シリに由来しており,その意味するところは「沖の島」。利尻島より更に沖合に,そして北にあることが由来なのでしょうか。北の果てに来たなあと感じます。

港に戻るバスが3時間後なので,ハイキングコースなどを歩いて時間潰し。
分かったことは,礼文島は標高こそ低いものの島全体が山がちであるため,可住地が極めて少ないのと,吹き付ける冷たい風により,とにかく樹木が生えにくいようです。
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再び香深港に戻ってきたので,今度は島の南部を遊歩道で散策することにしました。
遊歩道って聞いてたのに,それなりに登山寄りのハイキングコース。前述の通り標高こそ高くないのですが,結構山がちなのです。
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これがどうなのかは分かりませんが,気温が低めの礼文島では低い高度でも高山植物が見られるそうです。そういった特殊な植生を求めてこの島を訪れる人も多いようです。

島の南端には,映画のセット「北のカナリアパーク」があります。
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借景として映り込む利尻富士とともに,CGかと思うほど美しいセットでした。
初夏,夏,冬で全く違う景色が待っているのでしょう。

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再びハートランドフェリーに乗り込み,稚内港を目指します。
フェリーターミナルのアナウンスで「Thank you for choosing Heart Land Ferry」と流れていたわけですが,礼文空港が休止になっている今,この島を訪ねる手段はもはやハートランドフェリーしかないんですよねえ…。

船内では,BSで先帝陛下の退位に関する儀式を見てました。歴史の変わる瞬間を船上で共有できるなんて,現代に生きててよかったなあと思いました。

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