くしろ湿原ノロッコ号に乗る(19年GW、車内と車窓を収録)

記事上部注釈
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釧路湿原観光の代名詞であるくしろ湿原ノロッコ号。予約方法から実際の車内、そして車窓をお届けします。この記事を読むことで行きたいと思うとともに、細かなオペレーションについても理解できるでしょう。

ノロッコ

写真1. ノロッコ号の車両

くしろ湿原ノロッコ号の概要

まずは、くしろ湿原ノロッコ号についてまとめましょう。まず、やや不正確なことを承知で箇条書きにまとめます。

くしろ湿原ノロッコ号の概要

・列車名:くしろ湿原ノロッコ号
 ※釧路湿原ノロッコ号ではありません。くしろはひらがな表記です。
・種別:普通(指定席は指定席料金520円が必要)
・形態:トロッコ車両による運転(自由席は除く)
・運転区間:釧路-塘路(一部の時期は川湯温泉まで延長運転)
・運転本数:1日1往復(たまに1日2往復)
・編成両数:4両
・標準的な運転時刻:以下の通り、ただし川湯温泉まで延長運転する時期は別
 釧路11:06→塘路11:54
 塘路12:17→釧路13:05
・運転時期:GWの毎日、6/1~9/30の毎日、10月上旬の毎日(7/1以降は2018年の実績)
      ※6/17-6/19(2019年計画)と9/4-9/6(2018年実績)は運休

くしろ湿原ノロッコ号はトロッコ車両で運転される、楽しい列車です。乗ることが目的となっている「お楽しみ列車」というところです。そのため、目的地までスピーディーに移動するための列車と考えるのは望ましくありません。

釧路-塘路で運転され、2019年は30周年を記念して5/25-5/26は川湯温泉まで延長されます。GWは1日1往復ですが、夏(6-9月下旬の毎日)は2往復運転されます。その場合は釧路発13:35と塘路発14:48が運転されます。1日2往復体制になるのは、6/1-9/24(2018年の実績)です。夏のあいだは1日2往復体制になると覚えておけば問題ありません。ただし、3日連続で運転されない日があります。これは車両点検の都合でしょう。2019年は6/17-6/19が該当します。6/17-6/19は月曜から水曜に該当しますので、観光客もそう多くないでしょう。2018年は9/4-9/6が運休していました。火曜から木曜に該当します。2019年も同じような日付に車両点検のために運休するでしょう。

4両編成ですが、そのうち1両(塘路より1両)は自由席車両で運賃だけで乗車できます。一方、その他3両は普通車指定席となっていて、指定席料金520円が必要です。ただし、自由席は非常に混雑すること、ノロッコならではトロッコ車両に乗れないことから、「最後の手段」と考えるのが良いです。

ノロッコ号の車内

では、ノロッコ号の車内を見てみましょう。指定席を見たあとに自由席を見てみましょう。

くしろ湿原ノロッコ号の車内

写真2. 動物がお出迎え

くしろ湿原ノロッコ号の車内

写真3. 動物がお出迎え

指定席の車内(これは4号です)に入ると、動物が出迎えてくれます(写真2-3)。釧路湿原に生息するエゾシカとタンチョウでしょうか。

くしろ湿原ノロッコ号の車内

写真4. 楽しげな車内

車内はくつろげるようにはなっていません。かわりに楽しく過ごすことに主眼が置かれています(写真4)。椅子は木ですが、外からの風が当たって、周囲の景色を楽しむことに主眼が置かれています。ここで椅子の座り心地を評価するほうがヤボというものでしょう。

くしろ湿原ノロッコ号の車内

写真5. 雰囲気のある照明

よく天井を見ると、普通の蛍光灯が並ぶのではなく、雰囲気のある電球が備わっていることに気づかされます(写真5)。あまり室内にいるように感じさせない配慮でしょう。

くしろ湿原ノロッコ号の車内

写真6. 3人がけの座席の向かい合わせ

メインの座席は3人の向かい合わせです(写真6)。国内の在来線ではあまり見かけない座席配列です。反対側は2人がけのベンチシートです。3人の向かい合わせのほうが景色の良い側を走るために、こちらに多くの座席を置いているのです。

くしろ湿原ノロッコ号の車内

写真7. テーブルの様子

向かい合わせの席の間にはテーブルがあります(写真7)。テーブルをはさんで見ず知らずの人が同席することもあります。往路は私の前にカップルが座りやがりました。私から妬みを買うことを知らずに(そんなことはどうでも良いという指摘は当然でしょう)。

くしろ湿原ノロッコ号の車内

写真8. 前面展望も可能(釧路行きで可能)

ノロッコ号は機関車で牽引するスタイルですが、塘路で機関車を入れ替えることができませんので、復路は客車が先頭に立ちます。日本国内では珍しい形態です(諸外国では見かけることもあります)。釧路行きは前面展望もできますね(写真8)。

くしろ湿原ノロッコ号の車内

写真9. 2人がけのベンチシートが並ぶ

景色の良くないほう(東側に面したほう)は、2人がけのベンチシートが並びます(写真9)。この座席は向きを変えられますので、西側(景色の良いほう)に向きを変えることもできます。

くしろ湿原ノロッコ号の車内

写真10. 売店もある

北海道では珍しく、車内で飲み物などを買うこともできます(写真10)。かわりに車内販売はありません。4両と短い編成ですので、売店まで歩くことも苦になりません。

くしろ湿原ノロッコ号の車内

写真11. 自由席は立っている人もいる

自由席の様子も軽く確認しましょう。復路の塘路で確認しましたが、もう立っている人がいました。楽しい旅行に水を差す光景です(写真11)。もう1両でも増結するべきです。

くしろ湿原ノロッコ号の車内

写真12. 自由席車内は楽しげではない

車内奥深くに立ち入るのははばかられましたので、入口だけです(写真12)。かつての711系電車を思い出すようなマニアは別として、つまらない車内ですね。というより、これは50系客車のようですね。ただ、50系客車の趣を感じたければ、室蘭本線苫小牧-室蘭に50系客車の車体を使った列車がゴロゴロしているので、そちらで満喫すれば良いと思うのです。

指定席は釧路湿原が見えるほう(西側)が車窓を楽しめます。そこまではよく書いてありますが、肝心の座席配列がわからないといらつくばかりです。そこで、JR北海道提供の座席表を示しましょう(図1)。

くしろ湿原ノロッコの座席配置

図1. ノロッコ号の座席配列

指定席は全国のJR駅にあるみどりの窓口で買うことができます。では、最寄のJR駅にみどりの窓口がなくて、指定席自動券売機しかない場合はどうしましょう?答えは、「乗換案内から購入」を選択して、乗りたい日の時刻を検索するだけです。この機能は意外と知られていないと思いますので、あえて紹介しました。指定席は1か月前(前月に同じ数字の日がない場合は1日)の10:00に発売開始されます。私はGWに利用しましたが、1か月前であれば何時でも席は確保できました。

釧路湿原の風景を堪能する

では、実際に乗ってみましょう。

写真13. ノロッコ号は3番線から発車

3番線に停車中の列車に乗りこみます(写真13)。

写真14. 自由席は混んでいる

自由席は混んでいます(写真14)。公式HPでも「自由席は混むので、指定席をおすすめします」と書いていますからね。それならば、1両増結をするほうが先です。

写真15. 釧路駅構内

こんな写真を喜んで撮るのは私くらいでしょう(写真15)。釧路に停車中の車両を撮ってみました。

写真16. カーブを曲がるノロッコ号

この旅行の前年(2018年)に乗った門司港のトロッコ列車よりもスピードは出ていますが、やはり遅いです。ゆっくりと列車は進みます(写真16)。

写真17. 釧路川を渡る

釧路川を渡ります(写真17)。この川の上流に釧路湿原があります。

写真18. 東釧路に停車

東釧路に停車します(写真18)。地元民の利用を見込んでいるのか、根室方面からの利用者を見込んでいるのか、のどちらなのでしょうか。

写真19. 郊外の景色が広がる

写真20. 郊外の景色が広がる

住宅街から次第に郊外へと移ります(写真19-20)。

写真21. 湿原が広がり始める

さっそく、湿原の登場です(写真21)。釧路湿原はラムサール条約で野生動物が保護されています。ラムサール条約の正式名称は、特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約、というものです。イランのラムサールで調印されたので、このような通称になっています。そのようなことを車内アナウンスで聞きました。そんな知識はいらん?

写真22. 水門が見える

写真23. 水門が見える

水門が見えてきました(写真22-23)。人工河川である新釧路川と旧流路である釧路川の分岐点にあり、釧路市内の水害を防ぐことを目的として建設されました。完成後、1度も水門は開いていません。これも車内アナウンスで学びました。

写真24. わがノロッコ号を撮影する人

ノロッコ号を撮影する人がいました(写真24)。このように、列車を撮影する趣味の人もいます。このような人は撮り鉄といいますが、私のような時刻表や実際の列車の運転、そして駅での混雑の定点観測から考察するような趣味の人は何なのでしょうか?

写真25. 細岡に停車

写真26. 細岡に停車

細岡に停車しました(写真25-26)。ログハウス風の駅舎が素敵ですね。観光地らしさが引き出される駅舎です。この駅の近くにはカヌーの拠点があります。

写真27. 美しい湿原が広がる

美しい湿原が広がります(写真27)。この土地は昔から不毛の土地とされて、有効活用ができませんでした。つまり、この湿原は「お荷物」だったわけです。しかし、その不毛の地は開発から逃れたため、動物たちの楽園として残っていました。今や自然環境が条約によって保護され、観光資源として有用になっています。世の中何が幸いするかわからないものです。

写真28. 美しい釧路川

写真29. 美しい釧路川

写真30. 美しい釧路川

写真31. 美しい釧路川

美しい釧路川が車窓を飾ります(写真28-31)。釧路湿原は釧路川沿いに広がる湿原です。釧路川は一級河川としては珍しくダムがありません。これは高低差が少ないためです。ダムがないことから、カヌーの愛好家が訪れます。私もカヌーに乗った人と出くわしました(写真30)。

写真32. 塘路に到着

ゆっくり走っていたはずですが、48分のショートトリップはあっという間に終わりました。塘路に到着です(写真32)。つまらない授業や仕事でのくだらない会議よりも早く時が過ぎますね。

塘路駅近くの観光

塘路で23分の滞在が許されましたので、軽くお散歩しましょう。

写真33. 客車側の先頭

まずは客車側の先頭です(写真33)。

写真34. 機関車側の先頭

駅の外に出て、機関車側の先頭を観察しました(写真34)。

写真35. 美しい塘路駅の駅舎

駅を見てみると、ログハウス風の駅舎です(写真35)。細岡や釧路湿原とキャラクターがかぶっていることを気にするのは私くらいでしょう。

写真36. 警官とバスの運転手がだべっている

私の訪問した日は4/30、平成最後の日(注.私や弊サイトは西暦派です)でした。また、地域外から多くの人がやってくることもありましょう。警戒のためか警官がやってきていました。それでも塘路はのどかな所なのか、バスの運転手と話していました(写真36)。雑談をしつつ、貴重な情報交換もなされているのでしょう。そういえば、GWの初日の新函館北斗でも警官の姿が認められました。

写真37. だいたいの観光スポットが5月から!(この日は4/30でした)

観光スポットの案内もあります。釧路湿原観光の拠点らしい様子がわかります。でも、この日は4月だから、アクティビティはできません(1日違いで惜しい!)。

写真38. のどかな塘路駅前

のどかな塘路駅前です(写真38)。ただ気になるのは、昼食をとれる場所が駅前にないことです。駅前にイモダンゴを売る店がありますが、その程度です。

このように23分の滞在時間を満喫して、復路の列車に乗ったのです。復路の売店は釧路湿原までの営業でした。つまり、釧路湿原から釧路まで乗る人は売店を使えません。また、売店では弁当を売っていますが、完全予約制です。ふらりと売店に趣いて弁当を買うことはできないのです。

前後を読みたい!

さて、前後ではどこに行ったのでしょうか?

←(前)北海道最東端の地を訪問:納沙布岬の行きかたも紹介

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★今回の旅行の全体的な計画~まとめは以下のページに記載しています。
北海道鉄道旅行の計画とまとめ(19年GW)

※それぞれ別ウィンドウで開きます。

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