2019年4月25日、三菱自動車岡崎工場を見学してきた。岡崎っていってもはずれで、矢作川(やはぎがわ)西岸矢作地区のいちばんきたの橋目町(はしめちょう)と北野町(きたのちょう)にまたがってある。わがあんじょうにもきたのはずれにおんなじ橋目町(はしめちょう)があって、ほっからひがしにいくと岡崎の橋目町になるっていう位置関係になる。まあ、位置的にはわがやからもちかいわけだけど、交通不便なとこで、これまでにいったことがなかった。ところで、さいきんになって名鉄しんあんじょうえきのきたがわロータリーからこの三菱自動車岡崎工場の送迎バスが発着しとることをしって、ついでに個人むけに工場見学をやっとることもしった。おお、おもしろそうだなあっておもったとこで、開催予定をみると、ことし2019年5月17日をさいごに工場見学は中止になるってかいてある。いや、いまのうちにいっとかにゃいかんわってことで、こんかいいってきた。
現地までの交通手段は、愛知環状鉄道でぐるーってひがしがわにまわって北野桝塚駅(きたのますづかえき)でおりて、ほっからみなみにあるくっていう経路でいってきた。名鉄バスも、名古屋本線の東岡崎駅や矢作橋駅から工場のみなみがわ、あるいは工場のちょっとひがしがわにいくバスがあるだけど、なんていっても本数がすくなくて愛知環状鉄道でいくことにしたもんだ。
以下に、北野桝塚駅から工場までのいきかえりもふくめて、工場見学のようすを紹介する。
【えきから工場ひがし門まで】【事前講習】【工場見学】【ギャラリー見学】【えきまでもどる】
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えきから工場ひがし門まで
11時31分、中岡崎駅(なかおかざきえき)からのった高蔵寺(こうぞうじ)いきふつうで、北野桝塚駅にとうちゃく。高架の線路は西北方向にのびていくだけど、地平に南北にのびる長瀬北どおりがえきのきたがわで線路とはすに交差しとって、ほの交差部分の高架したにあるえきのでいりぐちから長瀬北どおりをみなみにあるいていく。いや、ほれにしてもせばっくるしくて陰気なとこにえきのでいりぐちがあるもんだ。おまけに、えきまえひろばもなんにもない。ただ、えきのでいりぐちをでて道路に面しとるっていうだけだ。ここに愛知環状鉄道の本社もあるっていうのに、こんなありさまか。ちなみに、えきの所在地は岡崎の北野町にあるだけど、こっからちょこっときたがわにいったとこが豊田の枡塚町(ますづかちょう)になるってことで、合成して北野桝塚っていう駅名になっとる。枡塚はあの枡塚みそで有名な枡塚だ。
長瀬北どおりをちょこっとみなみにすすんで、北野桝塚バス停を発見。いきさきは東岡崎駅と市民病院、西岡崎駅のみっつで、いずれも矢作橋駅を経由していくだけど、平日1日の運行本数はあわせて11本。
まあちょっとみなみにすすんで、北野町高塚(きたのちょうたかつか)交差点。みぎにクランクしていくと三菱自動車岡崎工場があるだけど、とりあえず直進。
すぐひだりにみつけた盛竜北野店にはいって、ひるごはん。たのんだのはひがわり定食のなかのすぶた。こもりラーメンに食后のコーヒーまでついてくる。満腹。
北野町高塚交差点をにしにはいってすぐに、みなみむきのT字路がある。こっから西南に三菱自動車岡崎工場がひろがっとることをかくにんして、このT字をみなみにはいっていく。めざすはひがし門。
北野桝塚駅周辺図
みぎにたかい塀をみてすすむ。あとでわかったことだけど、工場しきちのうちのきたがわ部分はテストコースになっとって、そとからみられちゃまずいだ。ひだりはずーっと住宅街がつづく。まっとたんぼんなかの工場って想像しとっただけに、ぞんがいなことだ。
たかい塀がつきて、フェンスとこだちにかわる。
工場しきち一角の、無断ではいっていける駐車場にはいっていって、工場のたてもんをみる。みぎ、きたがわにしろっぽいたてもんがあって、ひだり、みなみがわにはいいろがかったたてもんがある。
ひがし門にとうちゃく。ひっきりなしにおおきなトラックがでいりする。みちのはんたいがわは住宅街。工場のひがしがわは、ずーっと住宅街だった。ところで、門のとこに若造くんがいっぱいおる。研修かなんかでやってきたのか。ちょっとまって、工場見学担当のひとがやってきて、門のなかにまねきいれてもらう。ほんとは工場みなみがわの正門のほうが集合ばしょになるだけど、事前に電車でいくことをつたえたところ、便宜をはかってくれて、筆者ひとりひがし門からはいっただ。
事前講習
ひがし門からはいって、ほのままあるいてしろっぽい工場のほうにはいる。あるくとちゅう、このひの見学者数をきくと、なんと82人だっていう。いや、せいぜい数人かなっておもっとっただけに、びっくり。1階東南かどの部分がおおきな講習会場になっとって、ほこにはいって、工場見学にさきだつ講習をうける。さっきみた若造くんらも見学者だったのかもしれん。工場内はさつえい禁止で、もらったシールをスマホのうらおもてレンズにはる。さらに、スマホは生産設備に支障がでるといかんで、電源をきるか電磁波のでんモードにせよとのこと。いや、徹底しとるわ。
13時22分、講習開始。さいしょに工場しきちの説明。きたがわ部分がテストコースをふくむ技術センターで、みなみがわ部分が工場。ひろさは東京ドーム22個分。いや、ほれよりすなおに100ヘクタールっていってくれたほうがわかりやすい。正方形に換算すると1キロ四方。やっぱりひろいや。
ほれから、岡崎工場の歴史と生産車名の説明。1962年、テストコースが完成。1977年、工場が完成。2011年、あたらしい塗装工場が完成。2015年、くみたて工場を改装。つくっとるのはアウトランダー、アウトランダーPHEV、エクリプスクロスのみっつ。いずれも海外むけでなじみがないだけど、2018年度に23万6千台生産したとのこと。月産2万台だ。
主要生産拠点の説明。国内は4か所で、この岡崎工場のほか、水島工場、京都工場と岐阜県は坂祝町(さかほぎちょう)にあるパジェロ製造。海外はアジアを中心にいくつか工場があって、この岡崎工場が「マザー工場」になっとるとのこと。技術指導なんかをしとるとのことで、マザー工場はまあ模範工場っていうぐらいの意味か。
完成車になるまでの工程の説明。さいしょの状態はロール状になった鋼鈑で、これをコイルっていう。コイルをてきとうなおおきさに切断したうえで、しかるべきかたちにプレス、パネルになる。パネルを溶接してボデーになる。「ボディー」じゃなくて「ボデー」っていう表現をしとった。ほのあと、みずあらいからうわぬりまで、ボデーを塗装。ほのあとがくみたてで、内装部品、エンジン、サスペンション、タイヤなんかをボデーにとりつけていく。さいごに検査。きわめてかんたんにいうと「コイル、パネル、ボデー、塗装、くみたて、検査」っていうながれになる。
工場見学
さて、82人がいくつかの班にわかれて工場見学。わがD班はバスにのりこんで、はいろがかった工場のほうまで移動。
なかにはいって、順番に見学。切断されたコイルが、ばかでかい機械でぷしゅんぷしゅんプレスされてパネルになっていく。ロボット溶接で、パネルがボデーになっていく。クルマ1台につき40枚のパネルがいるとのこと。塗装工程の見学はあとまわし。ボデーに内装部品がとりつけられていく。バッテリーがとりつけられていく。エンジンがとりつけられていく。ドアがとりつけられていく。ラインをながれてくるボデーに、つぎからつぎへと各種部品をとりつけていく。いや、はたらくひとはいきつくまもないぐらいだ。1日830台ものボデーがラインをながれてくるっていう。おもたいドアのとりつけなんかは、助力装置のロボットがドアをもちあげとってくれてたすけてくれるだけど、ほいでもけっこうなちからがいるみたいだし。くみたてのラインは全長1キロで200の工程があるだけど、自動化率は1パーセントだっていう。200工程が30段階にわけられて、それぞれの段階でも検査員が検査するっていう。くみたてがおわって、さいごに高圧大量のみずをかけられる。完成品の検査はやっつの項目。検査がおわったクルマは、工場みなみのモータープールへはこばれていく。完成品の9わり以上が海外103か国に輸出されるもんだっていう。
14時24分、また、バスにのりこんで、塗装工場のほうにむけてしゅっぱつ。移動のとちゅう、バスの車窓から従業員のひとたちが工場たてもんのわきのこだちのなかで、たばこをすっとるのがみえる。ちゃんとくつろげる時間もあるだ。安心。塗装工場にとうちゃく。事前講習をうけた、しろっぽい工場のほうがほれだった。
塗装工程はまず、講習会場まえの廊下においてあるカットモデルカーで、4度ぬりすることの説明。したぬり、なかぬり、うわぬりベース、うわぬりクリアーの4度ぬりだ。したぬりはさびどめのために電着塗装をおこなうもんで、うわぬりクリアーはよりつやをだすためにおこなうもんだとのこと。
塗装げんばのほうに移動。さいしょにみずあらい。ふかい水槽にボデーをくぐらせて、ひきあげる。つぎにしたぬり。ボデーが塗装液のはいった水槽にくぐって、でていく。くぐっていく角度、でていく角度に、それぞれの車種で最適な角度があるそうで、イーディップっていう最新装置で制御しとるとのこと。つぎにシーラー。うわぬりにはいるまえの工程で、ロボットが板金のすきまにシール剤を塗布していく。うでロボットが、ふぃーん、ふぃーんってかってに角度をかえながら、ボデーのあちこちに塗料を塗布していくようすがおもしろい。ただ、一部、て作業をのこしとるだけど、ほれはこの岡崎工場が「マザー工場」であるがゆえに技能を維持するがためにしとることだっていう。ほー。あとのうわぬりベース、うわぬりクリアーの工程は企業秘密のためみせれませんってことで、以上で工場見学を終了。14時45分。
ギャラリー見学
また、バスにのりこんで、正門にちかいへんにある三菱オートギャラリーのたてもんに移動。おたのしみのギャラリー見学だ。
レオっていうクルマがある。ミゼットかっておもったらレオだった。こがた3輪車はつの密閉式キャビンがうりだったらしい。
三菱Aがた。Tがたフォードの時代だ。にほんはつの量産乗用車として1917年に製作されたもんで、排気量2800ccで35馬力、全長3800ミリで7人のり。当時の主要諸元に寸法や重量がヤードポンド法でしるされとる。
世界ラリー選手権に参加したギャランVR4。このクルマで、しのけんこと篠塚建次郎(しのづかけんじろう)がにほんじんとしてはじめての優勝もはたしとる。ほれをふくめて通算6勝。すごいな。
ふつうのギャランVR4もある。ふつうにさりげなくかっこいいセダンにして、DOHCインタークーラーターボ、4輪駆動、4輪操舵、リアがダブルヰッシュボーンサスペンションの4輪独立懸架、4輪アンチロックブレーキングシステムっていうもりだくさんのハイテク技術が投入されとる。1987年登場。バブルまっさかりだった。
おまけでべつむねの PHEV World にいって、プラネタリウム作品をみる。PHEV World は、電気自動車の充電をまつおきゃくさんを退屈させんようにってことで、2015年にこの工場内につくったもんだった。
予定はすべて終了。工場見学担当のひとが電気自動車で筆者ひとりをひがし門までおくってくれて、わかれる。ちなみに、しんあんじょうえきまでいっとる三菱自動車岡崎工場の送迎バスがあることをいったら、ほのバスにのっていってもらってもいいですよっていわれたけど、辞退した。
えきまでもどる
かえりは、ひがし門からまっすぐひがしにむかって長瀬北どおりにでて、ほっからきたに北野桝塚駅まであるいていくことにする。ひがし門からひがしにむかうみちも住宅街なだけど、ふるくからのうちがおおくて、神社や公園、集会所としての公民館なんかもある。このあたりがもともとの北野の集落にちがいない。あとから地図でみてみると、北野廃寺あともある。ほれと対照的に、長瀬北どおりはあたらしいみちだ。いかにも郊外のクルマどおりっていうふぜいで、いくつかの事業所もある。ただ、いっぷくしたくて喫茶店をさがしながらあるいとっただけど、けっきょくなかった。
ずーっときたにあるいて、いきにひるごはんをたべた盛竜北野店をすぎて、北野桝塚駅にとうちゃく。16時37分の岡崎いきふつうで中岡崎にむかう。
(さんこう)
- しんあんじょうにくる三菱自動車の送迎バス - 2019年3月29日 - おぼえがき(ゆめてつどう)|2019/04/22
- 三菱自動車、岡崎工場の塗装ラインも新世代化|レスポンス|2014/06/23
- 今回公開されたのは、塗装ライン、組立ライン、PHEV用の電池パック工場の3つだが、このうち最初に新世代化されたのが2011年から稼働している新塗装ライン(新塗装工場)だ。従来の塗装ラインは、組立ラインと同じ建屋内にあったが、新しい塗装ラインは隣接した別棟でリニューアルされている。
- 新塗装工場の下塗り工程(電着工程)では、電子制御の自走式ハンガーを使った「E-DIP(イーディップ)」を採用。ボディ形状に最適な角度でボディを槽内に降ろし、槽内でボディを揺動して空気たまりを排出することで、塗装もれをなくしている。
- 三菱自動車工業(株)岡崎製作所 - 工場見学|岡崎の観光スポット|岡崎おでかけナビ - 岡崎市観光協会公式サイト