なぜ停める?名鉄一宮駅 | 京阪大津線の復興研究所

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大津線とは、京阪の京津線と石山坂本線の総称です。
この大津線の活性化策を考えることが当ブログの目的です。
そのために、京阪線や他社の例も積極的に取り上げます。

読み:めいてついちのみや

所在:愛知県一宮市新生一丁目

開設:1900(明治33)年1月24日

1日乗降人員:33,998人(2014年)

隣駅:妙興寺(1.7km)←→(2.1km)今伊勢

        観音寺(2.1km)←→(0.7km)西一宮

 

名鉄一宮は、名古屋鉄道(名鉄)の名古屋本線と尾西線の接続駅です。すぐ東側にJR東海道本線の尾張一宮が隣接しており、相互に乗換が可能です。

 

名鉄一宮は、快速特急・特急や中部国際空港のアクセス列車「ミュースカイ」を含めた全列車が停車する主要駅です。ただし、名古屋までの所要時間はJRのほうが数分速く、かつ特定運賃が設定されているため、名鉄より70円安い300円となっています。

 

名鉄が有利なのは通学定期運賃だけであり、それ以外では勝てる要素はないのが実情です。現に、尾張一宮の2014年1日あたり乗降人員は52,182人で、名鉄一宮を2万人近く上回っています。

 

また、JRの岐阜は62,350人、名鉄岐阜は34,140人であり、一宮以上の大差がついています。しかし、小学館の宮脇俊三・原田勝正編著『JR・私鉄全線各駅停車』シリーズによれば、1990年代初頭の1日あたり乗降人員は、新一宮(現・名鉄一宮)が45,551人、新岐阜(現・名鉄岐阜)が70,542人、JRの尾張一宮が66,804人、岐阜が46,836人でした。

 

一宮はこの時点ですでに名鉄が劣勢ですが、岐阜ではまだ優位を保っていたのです。その名鉄岐阜が、2014(平成26)年には半分以下にまで乗降人員を減らしています。名鉄においては、一宮以上に岐阜の減少が深刻であることが分かります。

 

一方で、名鉄岐阜はJR岐阜より岐阜市本来の都心に近く、かつ始発駅という強みがあります。JR岐阜駅前の再開発が進んだことで、かつてほどの立地条件の優位性は失われていますが、一宮に比べれば岐阜のほうが反撃の余地が残されているのは確かでしょう。

 

現在、昼間時の名鉄岐阜―名鉄名古屋間は快速特急・特急で28~29分を要します。この区間では快速特急と特急の停車駅の違いはなく、笠松・新木曽川・名鉄一宮・国府宮に停まります。ラッシュ時には笠松・新木曽川を通過する列車もありますが、昼間時は半数の急行が名鉄一宮折り返しとなるため、すべての快速特急と特急が停車します。

 

これに対して、JRの岐阜―名古屋間は、新快速・快速が途中尾張一宮のみの停車で18~20分、各駅停車でさえ途中待避なしで26~28分です。

 

名鉄の特急も、かつては名岐間で新一宮(現・名鉄一宮)のみに停車し、最短23分で走行していたことがあります。それならば、名鉄一宮折り返しの急行を名鉄岐阜まで再度延長するのと引き換えに、勝ち目のない一宮での競争を諦め、快速特急と特急を名岐間ノンストップに変更すれば、21~22分で走れます。

 

さらに、最高速度を120km/hから130km/hに向上させて1分、「ミュースカイ」に搭載されているのと同じ車体傾斜装置を導入して1~2分短縮すれば、名鉄岐阜―名鉄名古屋間を19分で走破することも夢ではありません。名鉄岐阜とJR岐阜の間は徒歩で5分程度を要するので、十分な競争力が得られます。

 

名岐間の営業キロは、JRが30.3km、名鉄が31.8kmです。JRの運賃は通常ならば580円となるところですが、特定区間に指定されているため470円となっています。名鉄は550円であり、逆転現象が生じています。名鉄も名岐間を特定区間に指定し、25~28km帯と同じ500円に値下げして対抗すべきです。

 

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