2012年に5255Fが引退したことで、一段下降式の側窓を持つ5200形が先に消滅した5000形。
正確にはそれらのグループも含めて5000形ですが、分かりやすくするために今回は5200形の呼称を用いることにします。

5200形といえば、4両の5000形の後を受けて、6両で登場した車両です。
4両の5000形を基本としていますが、新たに設計認可を受け、側窓が一段下降式になっていることが最大の特徴となっています。
その車体構造の違いから、小田急顔を持つ形式の中で、最も整った外見となりました。

その5200形ですが、6両という比較的長い編成がモデラー泣かせで、昔はグリーンマックスのキットを組み立てるしか手にする手段がなかったこともあり、短くすることで製作を容易にした、4両の5200形が鉄道模型の世界では時折見られました。
5200形だけで揃った美しい10両編成は、小田急ファンにとって夢の中でしか見られないものですが、たまに鉄道模型の世界で実現していました。

その5200形において、2007年に大きな変化が起こりました。
それは一部編成の4両化で、5256Fを皮切りに合計3本が改造されました。
5256Fの改造後は、5258F、5255Fの順で改造が行われています。

20190316_01

2007年12月8日に行われた、5256Fの試運転です。
4両の5200形が本当に実現してしまうという、夢が現実になった瞬間でした。

4両化に際しては、制御装置の限流値を変更し、一部の機器を移設する改造が行われています。
後期車ではなくこれらの編成が選ばれたのは、集電装置が3基残っている編成だったというのがその理由です。

この4両化で、ついに5200形だけの10両編成が見られるようになりました。
短い期間だけ見られた光景ですが、小田急ファンにとっては嬉しいプレゼントでした。
過渡期には、4両の5256Fと6両の5255Fが繋がったこともあり、今振り返ると貴重な姿だったことになります。

4両化された編成は、結果的に5200形で最も長生きすることにもなりました。
約4年程度しか見られなかった4両の5200形、晩年の珍改造だったといえるでしょう。