名古屋鉄道。
早朝の中部国際空港。流石の早朝。
照明と床とが眩しく響き合っています。
空港独特の「これから旅だぞ」感。
飛行機には乗りませんけど。
①中部国際空港5:24発 準急 佐屋行→5:47太田川
さて、旅の幕開け。
目に留まる路線図は挑戦状のごとし。
初電、5時24分発の準急の佐屋行きです。
まずは知多半島の路線から片付けます。
拠点駅の太田川までは空港線・常滑線を北上します。
空港連絡橋ですね。
早朝に渡った者のみが目にする、贅沢な景色?
②太田川5:24発 急行 内海行→6:33内海
太田川では知多半島の深部を目指す知多新線に乗り換えます。
名鉄もかつては海水浴場をはじめとした開発に乗り出していましたが、気づけばバブルが崩壊して少々残念なことに。
知多新線からの朝焼け。初めての地で日の出を拝むとなんともいえない気持ちになります。
内海駅に到着。
③内海6:41発 普通 名鉄岐阜行→7:00富貴
④富貴7:06発 普通 河和行→7:14河和
⑤河和7:30発 特急 名鉄岐阜行→8:02太田川
⑥太田川8:05発 急行 名鉄岐阜行→8:15大江
内海から河和線の分岐駅である富貴まで戻り、河和線を往復します。
写真が富貴駅しか撮れていなかったのが残念です。
次の行き先は、東名古屋港駅。
いかにも都会っぽい名前をしていますが…
⑦大江8:15発 普通 東名古屋港行→8:18東名古屋港
この⑦の名鉄築港線の電車が今日の行程の要でした。
夕方を除けば朝の7時、8時台に8往復しかない名鉄最大の鬼門。
ならば12往復(も)ある夕方にチャレンジすればと言いたいところですが、そうすると折角知多の末端から朝早く出たメリットが相殺されて、どうあがいても1日で名鉄を制覇できないのです。
片道3分の奇跡とはこのことです。
⑧東名古屋港8:21発 普通 大江行→8:24大江
⑨大江8:32発 普通 金山行→8:39神宮前
⑩神宮前8:41発 急行 犬山行→8:49名鉄名古屋
鬼門の築港線をクリア後、常滑線を北上し神宮前で本線に合流です。
次の⑪には⑨からそのまま乗り継ぐのが楽なのですが、名鉄名古屋駅のホームに降りるため⑩の力を借りました。
名鉄名古屋駅では各地から路線が集まるため方面ごとに乗車位置を色分けしており、不慣れな人は並ぶ段階から迷う羽目になります。
後に何度かこの駅にはお世話になりましたが、客と列車の裁き方にはいつでも脱帽します。
2019年に入り漸くこの駅の拡張の計画が発表されたようですね。
⑪8:56名鉄名古屋発 特急 須ヶ口行→9:03須ヶ口
続いてはレアな特急須ヶ口行きに乗車。
利便性の確保のために特別停車を実施しているのが名鉄の特徴のひとつです。
今回は須ヶ口から分岐する名鉄津島線に乗りたい筆者には絶好のチャンスでした。
⑫9:06須ヶ口発 普通 弥富行→9:34弥富
住宅地は見られるものの、名古屋中心部を抜けてしまうとまたまたのどかな風景が待っていました。
津島線列車は津島駅から尾西線に乗り入れますが、弥富まで行ってくれる便は限られています。
一瞬の隙が命取りになるため、ここも行程作成上少し苦労しました。
弥富駅はJR東海との共同使用駅ですが、名鉄は端っこの線路一本から細々と発着しています。
実は日本一海抜が低いとか。(JR東海)
⑬9:48弥富発 普通 須ヶ口行→9:59津島
⑭10:05津島発 普通 名鉄一宮行→10:37名鉄一宮
⑮10:43名鉄一宮発 普通 玉ノ井行→10:52玉ノ井
弥富から一気に尾西線を北上です。
名鉄一宮駅では運転系統が分断されており、下の写真のような同じホームを異なる方面の電車が使い分けるという珍しい構図を目の当たりにしました。
玉ノ井駅。自転車の数に驚きましたが鉄道が利用されている証拠ですね!
⑯11:01玉ノ井発 普通 名鉄一宮行→11:09名鉄一宮
⑰11:10名鉄一宮発 特急 名鉄岐阜行→11:18笠松
⑱11:25笠松発 普通 新羽島行→11:47新羽島
始めて本格的に本線特急に乗りますが、笠松で降り、竹鼻線・羽島線へ。
終着の新羽島駅は東海道新幹線岐阜羽島駅に連絡しています。
東海道新幹線とツーショットも撮れました。
⑲11:51新羽島発 普通 笠松行→12:13笠松
⑳12:19笠松発 特急 名鉄岐阜行→12:24名鉄岐阜
昼過ぎに岐阜に到着です。約7時間で知多半島と尾西地方を制覇しましたが、まだ先は長いです。
そのまま岐阜から東に伸びる各務原線に飛び乗ります。
㉑12:28名鉄岐阜発 普通 犬山行→13:03犬山
㉒13:12犬山発 普通 平安通行→13:43上飯田
㉓13:45上飯田発 普通 犬山行→14:17犬山
名鉄の牙城、犬山からは小牧線と広見線が分岐しています。まずは小牧線から。
小牧線については上飯田の一駅先、地下鉄の平安通まで行きたかったのですが、それだけで今回の行程が破綻するので諦めました。
㉔14:21犬山発 普通 新可児行→14:40新可児
㉕14:44新可児発 普通 御嵩行→14:55御嵩
名鉄完乗のハイライトのひとつが広見線です。手軽にローカル線感を味わうことができます。
新可児までは優等種別も乗り入れますが、新可児~御嵩は別系統になっています。
後述の蒲郡線と共に廃線の筆頭候補であり、地元民は必死で存続を願っています。
㉖14:59御嵩発 普通 新可児行→15:10新可児
㉗15:14新可児発 普通 中部国際空港行→15:34犬山
㉘15:37犬山発 特急 豊橋行→16:02名鉄名古屋行
㉙16:08名鉄名古屋発 特急 名鉄岐阜行→16:23名鉄一宮
㉚16:31名鉄一宮発 快特 豊橋行→17:37豊橋
犬山まで戻ると特急祭りスタート。
犬山線は名鉄の基幹路線の一つで、特急に乗るとあっという間に名古屋まで戻れました。
本当ならばそのまま豊橋まで行きたかったのですが、目標は全線乗りつぶし。
午前に須ヶ口~名鉄一宮だけ乗り残していたのですね。そこはストイックに。
一宮からは快速特急で一気に豊橋まで。普段はケチな筆者ですが折角なので指定席に座りました。
名古屋市内を出ると知立と東岡崎以外ノンストップという俊足ぶり。
なんだかんだで電車は30本目。
多分豊川です。
㉛豊橋17:45発 特急 名鉄岐阜行→17:52国府
㉜国府18:00発 準急 豊川稲荷行→18:12豊川稲荷
㉝JR豊川18:21発 特急伊那路4号 豊橋行→18:31豊橋(自由席¥320)
快特の余韻に浸る暇もなくいそいそと国府まで戻り、豊川稲荷への参拝路線の豊川線に乗ります。
実はこの界隈は朝の築港線に次いで頭を悩ませた場所です。
というのは、豊橋駅付近の名鉄とJR飯田線は線路を共用していて、その影響で名鉄は毎時6本しか豊橋駅を発着できません。
国府に停まらない電車、豊川線の接続時間も考えると、豊橋から名鉄経由で豊川までを往復するだけでかなりの時間を失うことになります。
そこで…豊川と豊橋とを直線で結ぶ、飯田線を使うことにしました。
しかもよりによって特急。さすがノンストップ10分は速い。名鉄ごめんなさい。
こうして筆者はJRに一時的に鞍替えし、豊橋まで早期の帰還を果たしたのであります。
目的はあくまで名鉄制覇なので。
㉞18:36豊橋発 JR東海道線普通 岐阜行→18:53蒲郡
㉟19:11蒲郡発 普通 吉良吉田行→19:39吉良吉田
ところが、またJR…いや、こちらははじめから予定通り。
蒲郡線は吉良吉田側では西尾線と連絡していますが、蒲郡ではJRだけ。必然的に豊橋~蒲郡はJRで短絡しなければ間に合わないです。
前にも述べましたが、この路線は広見線末端区間同様、廃線が危ぶまれています。
蒲郡駅から発着する蒲郡線の電車。
吉良吉田からは西尾線(尾西線ではない)で本線方面へ戻ります。
㊱吉良吉田19:45発 準急 佐屋行→20:23知立
㊲知立20:31発 普通 碧南行→21:07碧南
㊳碧南21:12発 普通 知立行→21:43知立
新安城で本線に合流後、知立から南北に伸びる三河線を攻略。
南の碧南まで行き、折り返します。
かつて先ほどの吉良吉田まで線路は続いていましたが廃線になってしまいました。
㊴21:50知立発 普通 猿投行→22:24猿投
㊵22:30猿投発 普通 知立行→22:37梅坪
㊶22:39梅坪発 普通 犬山行→23:17(地下鉄)上前津
いよいよ終盤。
猿投駅の様子です。今日も夜遅くまでお疲れ様でした。
次は梅坪から豊田線に乗り換え、名古屋方面へ。
赤池からはそのまま直通で地下鉄線へ出ました(一応犬山方面にも抜けられますね)。
上前津駅。これにて終了!
ではない。
名鉄瀬戸線、愛称瀬戸電が残っています。
瀬戸線は名古屋の繁華街、栄を発着する孤立路線。最後に豊田線を使ったのも計算のうちです。
㊷上前津23:27発 地下鉄名城線 ナゴヤドーム前矢田行→23:30栄
㊸栄町23:45発 普通 尾張瀬戸行→0:22尾張瀬戸
日付は超えましたが、鉄道の一日は終電までなので本当のギリギリセーフ。
出札後に尾張瀬戸駅のシャッターが閉まる音で終わりを感じました。
【乗りつぶしポイント】
一日で乗りつぶす場合注意すべきなのは、
・摘み食いをしない
一日は相当ハードなので行程は似通います。ただ一刻一秒を争うのでマクロミクロ双方のレベルで一筆書きを心がけましょう。一部を残してあとで片付けるのは非効率です。新幹線ワープは移動時間や待ち時間の関係で推奨しません。
・豊橋は要注意
東名古屋港や弥富には苦労しましたが、やはり最大の敵は遅延です。豊橋駅周辺はJRと共有しており、いざとなればJRが優先されるので行程を崩される恐れがあります。筆者は豊橋からすぐに折り返すことを選択しました。
・大事なのは慣れや予習ではなく注意力
筆者は今回が名鉄初乗車で、完全にアウェーでのぶっつけ本番で決めることができました。行程表作成時に時刻表を睨む以外は当然下調べなどしていません。案内表示やアナウンスに注意して機敏な行動を取るだけで乗り換えや乗り継ぎにまず失敗はしません。
電車43本
全行程 18時間58分
※この記事は2016年の旅を2017年に記録したものを2019年に手直ししたものです。