日ノ出前検車区

趣味は朝活で。最近は備忘録と化しています

鉄道模型の自動往復運転キットを買ってみた


鉄道模型を走らせる場合は基本的に環状線をグルグルさせますが、自分は作っている模型が模型なので短い線区を手動で往復運転させるのが好きでした。今は亡きセンター南の「レトモ」でも引き上げ線を訓練線に見立てて往復させて遊んでいたぐらいです(笑)

実車も短い区間を往復していた拙作・大宮の101系103系でございます

しかし、頻繁に操作をするのは面倒だったので、自動でやってくれる装置がないかなぁ~~とか考えていました。


で、探したらありました。あるものなんですね。トライステート社から出ている『N-ゲージ鉄道模型往復走行基板キット』です。秋月電子で購入しました。税込3850YEN也。他にACアダプターが必要です。メーカー推奨の物は税込650円で、合わせて4500円です。KATOのスタンダードSXがN用アダプターと合わせて定価ベースで約6800円(税込)、TOMIXのN-1001-CLが定価約10500円(税込)なことを考えればキットとはいえ安いと言えるでしょう。ちなみにこのキットは往復運転をさせるだけでなく、通常のパワーパックとして使用することもできます

この往復運転キットの最大電流値は250mAです。一般的なパワーパックと比べると少ないですが、M車3両以上の重厚な編成や長大編成を往復させることもないと思うので問題はないでしょう。



容器を考える

このキットは、緑色の基板に部品をハンダ付けすれば完成といった形を採っています。完成した後も基板や部品がむき出しになり、保管や運搬に難があると感じたので組み立てる前に容器を探しました。

全高のアタリを付けるために大きな部品を仮置きしました。

結果、速度調整のツマミが一番上下に大きいことが判明。上のつまむ部分が大きく、下の可変抵抗の部分も大きいんですね。

下に10mm、上に20mmでだいたい30mm程度でしょうか。この基板が入って深さ30mm以上の容器を探せばいいわけです。

100円ショップや無印良品、ホームセンター等を巡りまして、


セリアで購入したディスプレイボックスLに入れました。ちょっと大きすぎますが……店員さんに尋ねたところ、セリアではLしか扱っていないとのこと。
ケースと基板の固定はプラ製の六角スペーサーで行っています。キットには基板の足として秋月のP-01861が付いてきていましたが、長さが14mmとケースに収めるには長すぎたので秋月のP-01864を使用しました。基板とは六角ナットで、ケースとはキット付属のプラネジで固定しています。


ケース裏の縁がネジ頭よりも低かったため、滑り止めも兼ねてゴム足を付けておきました。


また、ケース本体にはケーブルを挿す用の穴を開けておきました。


……と、ここまでやって先述のディスプレイボックスのMを帰省先で発見しました。

おまたせいつもの和泉化成
丁度よい大きさです。100円ショップのレモンで売っていました。

同様の加工をやり直します。

これで安心して組み立てて保管できますね。


穴の位置もバッチリ。

孔開け作業の際に箱に傷を付けてしまったので、

ヤスリがけしてからタミヤコンパウンドの粗目で磨きました。思いがけない副作用なのですが、これをやると穴のカドが落ちて手作り感が低減します( ^^)




キットを組み立てる


説明書に実体図が印刷されているので、その通りに組んでいけばきちんと動作する回路ができあがります。ただ、少し気になる部分があったので補足を。

フォトカプラ

クリーム色の四角いやつです。極性を持ち、切り欠きの方向が決まっているのですが実体図にはあまり鮮明に写っていません。
説明書に小さく向きの指示が書いてあります。

この向きで正しいようです。

制御マイコン


足がたくさん生えているやつです。実体図には鮮明に写っていませんが、半円の凹みはこちら向きです。
下の白い印刷と向きを揃えましょう。


タクトスイッチ

カチカチ鳴る押しスイッチです。キットに4色それぞれ1つずつ入っています。左から運転・停止・後進・前進で、説明書にはそれぞれ白・黒・赤・緑とするよう指示がありました。
が、
運転が緑で停止が赤のほうが自然じゃない??

ということでこのような配置にしました。

出力端子

このキットには出力用の端子が2種類付いています。センサー用の端子と同じターミナルブロックと、2.54mmピッチのピンヘッダーです。

これはこのキットを買うまで知らなかった本質情報なのですが、TOMIXのコネクターにはピンヘッダーを挿すことができます。すげぇ。
ただし、このピンヘッダーのハンダ付けには少々スキルが必要です。

樹脂部分を基板から浮かせたままハンダ付けする必要があります。ベタ置きすると挿せません。


組み上がったらCdSセルをターミナルブロックに直接入れて試験しました。

本体完成。出力用のターミナルブロックは使わないので付けませんでした。


全体的にみて、キットそのものの組み立てで面倒なところはピンヘッダー取り付けぐらいかと思います。コネクターでなくターミナルブロックを使えばこの作業も必要ないので、難易度は高くないかと思います。


このキットを組んでいる最中にこんなハンダ付けアドバイスを見たので貼っておきます。


何度もTwitterで共有されていますが、引用元はこちらのようです。
https://blog.adafruit.com/2016/12/26/new-reference-card-soldering-101/




配線類

センサー

このキットは、光センサーであるCdSセルを2本のレールの間に設置し、車両が上に来ると光が遮られて車両が来たことを感知するという方式で往復運転を行っています。

光センサーはレールに固定しておき、そこに配線をハンダ付けするよう指示があります。つまり、使いたいレールの種類の分だけCdSセルが必要になります。ユニトラック、ファイントラック、ロクハンの3種類を使いたかったのでセンサーを買い足しました。

キットに含まれていたMI527を買います。秋月だと1つ30円。千石だと1つ50円、5個100円です。なんでやねん!


レールにCdSセルを設置しました。
ここで一工夫。説明書には道床に切り欠きを作ってコードを出し、さらにレールが浮かないよう道床を接着固定するよう書いてあります。

しかし、道床に横から穴を開けてコードを挿してやればレールが浮くことはありません。

基板とセンサー用ケーブルはターミナルに剥いた線を挿して接続します。ちなみに2つのセンサー間の距離の制約ですが、説明書曰く

前センサーと後センサーの距離ですが、制限はありませんが、最大で100m程度以内とお考えください。

とのこと。レイアウトでも1周100m超えは聞いたことがないので、まずどのような線区でも使えるでしょう。

電源ケーブル

組み立ての項目で述べた通り、TOMIX以外の給電ケーブルを使いたい場合はコネクターを切ってターミナルブロックへどうぞ、というスタイルです。

自分はTOMIXのパワーパックをKATO式に改造修理するほどのKATO電源派なので、TOMIXとKATOの延長コードを買ってきて、

こんな変換ケーブルを作りました。
これでTOMIXのみならずKATOとロクハンのケーブルも無加工で使えるようになりました。なお、KATOとロクハンのコネクター小加工で互換性を持たせられます


複雑でもない電子工作キットを組むのに長々と書いてしまいました。凝り性ってやつですね……(笑)

このキット、楽しいです。私は訓練車で遊んでいますが、路面電車や貨物列車などでも楽しいでしょう。

説明書には書いていませんが、停止と発進を頻繁に繰り返させる装置ならではの素敵な機能が付いています。

接触不良などで折り返し地点での発進に失敗し車両が検出されたままになった場合、全自動で発進操作を繰り返してくれます。線路と車両とを綺麗に保つのが一番よいのは言うまでもありません


実はこのキットの基板は穴が余っていて、それぞれの穴の繋がっている先が説明書に書いてあります。電気に詳しい人なら改造して遊べるかも。自動解結できるカプラー(Mカプラーやマグネマティックカプラー)を使えば全自動で突放もできるかも!?なんていう妄想も膨らみます。


末永く遊んでいこうと思います。


余談

キットを組んでいる最中に見かけたツイートです。


……Twitterを見ているから進捗が遅いんだって?そうですね(素直)

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