なぜ停める?京急蒲田駅 | 京阪大津線の復興研究所

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大津線とは、京阪の京津線と石山坂本線の総称です。
この大津線の活性化策を考えることが当ブログの目的です。
そのために、京阪線や他社の例も積極的に取り上げます。

読み:けいきゅうかまた

所在:東京都大田区蒲田四丁目

開設:1901(明治34)年2月1日

1日乗降人員:58,396人(2016年)

隣駅:梅屋敷 (0.8km) ←→(1.4km)雑色

                                 →(0.9km)糀谷

 

京急蒲田は、京急の本線から空港線が分岐する駅です。空港線の羽田空港新ターミナルへの乗り入れと、京急蒲田駅付近の立体化の実現によって利便性が大きく向上したことは、前回述べた通りです。立体化に伴い、当駅は上下二段式の高架駅となりました。

 

問題なのは、品川方面から空港線へ直通する快特の一部(エアポート快特)が、京急蒲田を通過するようになったことです。いわゆる「蒲田飛ばし」であり、立体化に協力した地元の大田区からは当然のことながら猛反発を受けています。

 

その是非については別の記事で述べることにして、今回は空港線直通の快特ではなく、「本線系統の快特」を京急蒲田に停める必要があるのかを検証したいと思います。

 

本線系統の快特は、久里浜線の三崎口発着で、堀ノ内から本線に入り、横浜・品川を経て泉岳寺まで運転されます。半数は泉岳寺折り返しで、残りの半数は都営地下鉄浅草線に乗り入れて京成電鉄の青砥まで直通するのが基本です。

 

両系統を合わせると10分毎の運転となり、泉岳寺折り返し系統には主に2扉転換クロスシート車の2100形が充当されます。

 

本線系統の快特(当初は快速特急)は、1968(昭和43)年6月15日の設定以来、品川―横浜間では京急川崎のみに停車していました。

 

京浜間は首都圏随一の競争激戦区として知られていますが、京急は地道な線形改良と車両性能の向上の結果、1995(平成7)年4月1日のダイヤ改正で快速特急の最高速度を105km/hから120km/hに引き上げ、品川―横浜間を最短15分で走破するようになりました。並走するJRの東海道本線を凌ぐ快挙です。

 

このダイヤは、1998(平成10)年11月18日の羽田空港新ターミナルへの乗り入れ開始に伴い、快特停車駅に京急蒲田が追加されたことで過去のものとなりました。

 

ただ、地上駅時代の京急蒲田は横浜方面からの直通列車の設定に難があり、配線を改良してもなお運転本数に制約を受けていたため、本線系統の快特を停めて連絡を図ったのは妥当な処置だったと言えるでしょう。

 

しかし、高架化が完成し、横浜方面から「エアポート急行」が10分毎に空港線に乗り入れるようになった現在は事情が大きく異なっています。

 

横浜から羽田空港へは、本線系統の快特と空港線直通の快特を京急蒲田で乗り継ぐことも可能であり、そのほうが「エアポート急行」より数分速いですが、品川方面からの空港アクセスとのバランスを考えると明らかに供給過剰です。

 

よって、横浜方面からの空港アクセスは「エアポート急行」に任せ、本線系統の快特は京急蒲田を通過して「京浜間最短15分」を再現することが望まれます。

 

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