休日日中時間帯の山手線の混雑状況(池袋-目白)

記事上部注釈
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休日も混雑することで有名な山手線。その中でも繁華街を結ぶ池袋-新宿-渋谷の区間は休日こそ混雑するイメージがあります。では、実際の混雑はどの程度なのでしょうか。実際に調査しました。

最新の通勤型E235系

写真1. 池袋に停車中のE235系(でも撮影したのは平日夕方)

山手線日中時間の混雑状況

以下、長い文章を読みたくない人のために、簡単に結論をまとめます。

・おおむね混雑率は60%程度で楽に立てる(ドア付近に数人の立ち+座席前にわずかな立ち)
・内回り(新宿・池袋方面行き)は1号車、外回り(上野・東京方面行き)は11号車が空いている
・内回り(新宿・池袋方面行き)は2号車~10号車が均等に、外回り(上野・東京方面行き)は1号車から5号車が比較的混雑している

混雑調査の概要

簡単に調査方法を紹介しましょう。一部の個人サイトでは混雑状況を書いているところもありますが、調査方法や混雑指標の言及がないのでう~んと考えてしまうところがあります。そのようなことを踏まえて、弊サイトではきちんと方法を示します(さすがー)。

調査区間の選定

山手線は、休日は池袋-新宿-渋谷の混雑が激しいと聞きます。最も混雑するのは新宿-渋谷でしょうが、一番北側の池袋-目白(池袋の1つ新宿より)の混雑を調査することにしました。これは、ベースの混雑状況を把握するためでもあります。

調査方法と調査結果

弊サイトでは混雑ポイントという概念を導入しております。その概要を示します(表1)。

表1. 混雑ポイントの概要

乗車ポイントの概要

せっかくなので、120ポイント~160ポイントの様子をご覧いただきましょう(写真2-4)。いずれも個人情報を守ることを目的に、画質を落としています。

混雑ポイント120ポイント相当

写真2. 混雑ポイント120ポイントの様子(右上に私の指が写っていますね…)

混雑ポイント140ポイント相当

写真3. 混雑ポイント140ポイントの様子(右上に私の指が写っていますね…)

混雑ポイント160ポイント相当

写真4. 混雑ポイント160ポイントの様子(写真3と異なり、ドア部分が圧迫されていることがわかります)

混雑調査結果とその分析

生データを示した後に、詳しい分析をしましょう。

混雑状況の生データ

まずは、各列車の各号車ごとの調査結果を示します(表2-3)。各列車の混雑率も示すことにしましょう。

表2. 池袋-目白の混雑状況(新宿・渋谷方面行き)

19.2.10 山手線池袋-目白混雑調査

池袋から新宿・渋谷方面に発車する電車の混雑です。1号車が空いていることがわかります。池袋の階段が1号車だと不便ですから(一番北側の階段は2号車の目の前であり、1号車に向かうには歩く方向を変える必要があるため)、どうしても1号車に足が向きにくいことが理由として挙げられます。

表3. 目白-池袋の混雑調査(上野・東京方面行き)

19.2.10 山手線目白-池袋混雑調査

これは新宿方面から池袋に着く電車の混雑です。特定の車両が混雑するという様子はあまりありません。こちらは1号車が空いているという傾向はありません。多くの乗客の乗る渋谷や新宿は1号車よりに出口があることが影響しているのでしょうか。

混雑状況の分析

生データだけ示しておしまい!というのは不親切です。そこで、私は混雑状況を分析することにしました。山手線は全てが各駅停車で行先も(朝夜の途中駅始発、途中駅どまりを除けば)環状運転だけと差はあまりありません。そのため、列車種別ごとの層別(たくさんのものを、ある特徴によって、いくつかのグループに分けること)は行いません。

大まかな傾向をつかむために、平均値を求めてみます。表2と表3に書いておりますが、再掲いたします。

・池袋発車(池袋→新宿方面):64.0%
・池袋到着(新宿方面→池袋):60.9%

この時間帯は新宿に向かう需要のほうが大きいのでしょうか。新宿方面に向かうほうがやや混んでいます。それでも混雑率の差は大きくなく、おおむね60%~70%とドア付近に数人立ち、座席前の吊革も一部が埋まるという理想的な混雑状況です。全体として混雑状況に問題ないと判断できます。

号車ごとの混雑状況

それでは、号車ごとの混雑はどうなのでしょうか。山手線は列車ごとに混雑状況が異なることが多く(私は日常的に山手線を見ますが、混雑状況にムラがあることを実感しています)、一概に「何号車が混んでいる」ということができません。それでも、数列車の平均をとることで傾向はつかめることでしょう。そこで、各方向での号車ごとの混雑状況を分析します(表4-5)。

表4. 山手線池袋発車時混雑調査(号車ごと層別)

19.2.10 山手線池袋-目白混雑調査(号車ごと層別)

新宿方面行きの混雑状況を分析しましょう。

・1号車と11号車は空いているが、1号車がダントツに空いている
※11号車は(利用者は多くないものの)メトロポリタン口に最も近いため、ここから乗車する人もいるのです
・他の車両は車両前の吊革の1/4程度が埋まる混雑状況である

表5.山手線池袋到着時混雑調査(号車ごと層別)

19.2.10 山手線目白-池袋混雑調査(号車ごと層別)

新宿方面からやってきた外回りの混雑状況を分析しましょう。

1号車から5号車が比較的混雑している
※渋谷や新宿は1号車よりにメインとなる出口があります(その結果、座席前の吊革が1/4程度埋まる混雑です)
・6号車から10号車が比較的空いている
※渋谷-目白で6-10号車はメインの改札から距離がある駅が多いです(その結果、ドア付近に数人が立つ程度の混雑です)
11号車は空いている(といっても内回りの1号車ほどではありません)

空いた車両を狙いたければ、内回りは1号車、外回りは11号車が良いということです。

乗り込んだ号車が重要なの?

以上の分析では、「乗客が乗る駅の便利な場所の車両が混んでいる」という趣旨で分析しました。ここで、1つの疑問が思い浮かびます。それは、「降りる駅の便利な場所の車両が混むのでは?」という疑問です。しかし、そのようなことはあまり考える必要はありません。山手線は3分~4分間隔で運転しています。ランダムに駅にくる乗客の平均待ち時間はその半分の2分程度と考えることができます。ホームに着いてから2分でどこまで移動できるでしょう?人間の平均的な歩行速度は時速4kmです。その2分は60分の1/30ですから、130mしか進めません。それもまっすぐに進んでいての速度です。多くの乗客が乗る渋谷や新宿という駅の山手線ホームではホーム上の混雑を考慮しなければなりません。すると、その半分も歩けたら上出来というものです。つまり、ホームで60m程度しか歩けないうちに次の電車がやってくるのです。そのため、多くの乗客が乗る駅では階段(やエスカレーター)に近い車両に多くの乗客が乗ることになるのです。

ダイヤを考える

現在、理想的な混雑にまで緩和しています。新宿-渋谷ではもう少し混雑しているのでしょうが、いたずらに運転間隔を詰めて遅れが波及することも得策ではありませんので、現状の本数が適切でしょう。現在、埼京線と相鉄線の直通が始まっていませんが、この直通が開始されたら、(りんかい線直通の本数が減ることはないでしょうから)新宿以南で増発になることを意味します。それが毎時2本であっても増発は増発です。現在は新宿以南で(埼京線毎時3本+湘南新宿ライン毎時4本の)毎時7本設定されていますので、これが毎時9本~10本になることが確実です。毎時10本になれば新宿以南の速達輸送として戦力になることでしょう。こうすると、山手線の混雑が緩和します。

さらに、渋谷駅の改良工事が行われています(写真5)。この工事が終わったら、多くのリア充爆発しろ!利用者が通るハチ公口から埼京線や湘南新宿ラインのホームまで便利になります。すると、ホームが遠いという理由で埼京線や湘南新宿ラインを避けて山手線を利用していた人が、速達性を求めて埼京線や湘南新宿ラインにシフトします。このように、少しずつ山手線の負荷は減少しているのです。

渋谷のホーム移設のお知らせ

写真5. 渋谷のホーム移設工事のお知らせ(現場で撮影)

こちらもチェック!関連リンク

山手線の基本的な混雑データと、混雑調査結果へのリンクを完備したページを作成しました。

山手線(混雑基本データ)

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