2019年3月ダイヤ改正における上野東京ラインの変化を探る

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特に大きな変化がなかった2019年3月ダイヤ改正。この前後で上野東京ラインについては本当に変化はないのでしょうか。簡単にまとめてみました。

上野に進入するE531系

写真1. 上野に進入する上野東京ライン品川行き(常磐線系統)

復習:2019年3月ダイヤ改正のポイント

まずは、2019年3月ダイヤ改正のポイントを復習しましょう。JR東日本管内の主な改正点は以下の通りです。

・中央線特急の変革(E353系化とそれに伴うスピードアップ)
・夕方時間帯の南武線快速の運転
・夕方時間帯の京葉線(武蔵野線方面)の増発

以上の中身を見ると、上野東京ラインについては全く言及がありません。では、本当に変更点はないのでしょうか。

ダイヤ改正の前後の時刻を比較する

実際に比較するには、前後の時刻を並べて確認することが一番です。では、実際に確認しましょう。東京着7:00~9:00、東京発17:00~19:00について時刻表から時刻を抜き出しました(表1、表2)。赤字が常磐線特急、青字が常磐線(快速・中電)、橙字が高崎線、緑字が宇都宮線をそれぞれ示します。簡単のために始発駅と終着駅についての情報は省略しています。

表1. 朝ラッシュ時東京到着時刻の比較

上野東京ライン 朝東京到着時刻 19.3ダイヤ改正前後比較

表2. 夕方ラッシュ時東京発車時刻の比較

上野東京ライン 夕方東京発車時刻 19.3ダイヤ改正前後比較

みごとにダイヤ改正前後で時刻に変化がありません。2018年3月ダイヤ改正では1本のみ運転時刻が動いていましたが、それさえもありません。ただし、東京20:41発常磐線大津港行きが高萩行きに変更になるという軽微な行先の変更は指摘できます。これは大津港までの終電が早まったためです。当該の列車は水戸で26分も停車(22:41着、23:07発)しています。水戸で乗客が入れ替わるとはいえ、26分停車はやりすぎだと思います。

また、宇都宮線内では夕方の上りにダイヤ改悪が実施されています。宇都宮17:30発の通勤快速上野行き(土休日は快速ラビット上野行き)がしれっと普通に格下げされています。具体的には、17:18発の普通電車になっています(上野着19:04は変わらず)。これは17:14発普通高崎行きが宇都宮-小山で減便になり、その穴を埋めるためです。17:14発普通高崎行き、17:30発通勤快速上野行き、17:39発普通上野行きとなっていたところを、17:14発を減便すると間隔が開きすぎるために17:30発を17:18発に変更して何とかしたためということです。

なお、東海道線の夕方についても着目しましたが、東京発17:00~19:30では特に変化はありません。混雑の激しい18時台後半の増発を期待しましたが、やはり改善されませんでした。

ダイヤ微修正による改善の芽を考える

これでは芸がありませんので、ダイヤの微修正(といえるレベルかな?)で通勤に使いやすいダイヤを考えてみましょう。日中時間帯まで考えると大変なことになるので、朝ラッシュ上りと夕方ラッシュ時下りを中心に考えます。

朝ラッシュ時に増発できるのは以下の通りでしょう(7:30以前は増発の意味は少ないと考えてあえて記していません)。

・東京着7:37(上野着7:30の宇都宮線が適当)
・東京着7:49(上野着7:42の高崎線が適当)
・東京着8:39(上野着8:33の宇都宮線が適当)
・東京着8:52(上野着8:44の高崎線が適当)
・東京着8:58(上野着8:50の常磐線が適当)

この条件を満たすと、以下のように増発できます(表3)。常磐線の増発が少ないですが、これは朝ラッシュ時に混雑を調査した結果、常磐線系統が比較的空いていることがわかったためです。ラッシュピーク時に宇都宮線と高崎線を各1本増発する格好です。本当であれば、上野-品川を毎時24本運転できるようにすれば良いのですが、それは高望みなのでしょうか。

表3. 上野東京ライン増発案(朝ラッシュ時)

上野東京ライン増発案(朝ラッシュ時)

今度は夕方について考察します。夕方の問題点は以下の通りでしょう。

・宇都宮線系統:東京発18:21と18:41の間に20分のダイヤホールがある
・高崎線系統:東京発17:36と18:03の間に27分のダイヤホールがある
・常磐線系統:東京発18:44と19:02の間に18分のダイヤホールがある
※ダイヤホールの後に来るのは中距離電車で混雑してしまいます
・大宮方面:東京発18:46と18:58の間に12分のダイヤホールがある

この欠点を補おうとすると、以下のダイヤ案となります(表4)。

表4. 上野東京ライン増発案(夕方ラッシュ時)

上野東京ライン増発案(夕方ラッシュ時)

上野始発をシフトさせる形となりますが、受益者の多い東京始発にすることで不満を退けます。また、10両編成の通勤快速を15両にすれば、トータルの供給座席数は増加し、より文句は出にくいでしょう。今回は宇都宮線内や高崎線内で増発しないことを前提に組みました。

具体的には、以下の通りです。

・宇都宮線系統の20分のダイヤホールを埋めるために18:29発を増発(現在は上野始発18:35の普通小金井行き)
・高崎線系統の27分のダイヤホールを埋めるために17:56を増発(現在は上野始発18:03の普通前橋行き)
・大宮方面のダイヤホールを埋めるために18:50を増発(現在は上野始発18:56の普通小金井行き)
・常磐線の18分のダイヤホールを埋めるために18:55発を増発(現在は上野始発19:02の快速取手行き)
・宇都宮線とのバランスを取るために18:36発の高崎線を増発(現在は上野始発18:42の通勤快速前橋行き)

これにより、高崎線系統のダイヤホールは27分から20分に縮まります。また、ラッシュピーク時の宇都宮線のダイヤホールも20分から12分に縮まります。また、大宮方面の12分のダイヤホールも9分に縮まります。この程度でも上野以北では輸送力は維持となり、混雑の均等化しか期待できません。それでも、使い勝手は大幅に向上します。

せっかく高い金額をかけて建設した上野東京ライン。もっと利用者にとって使い勝手の良いダイヤに変化させて欲しいものです。

関係路線のダイヤパターン

今回の記事は変化点を探るという「狭くて深い」内容の記事でした。では、それぞれの路線についてダイヤパターンを簡単に紹介する記事はあるのでしょうか。そのような声を踏まえて、関係する路線のダイヤパターンをまとめました。

宇都宮・高崎線(ダイヤパターン紹介)

常磐線(ダイヤパターン紹介)

東海道線(東京-熱海、ダイヤパターン紹介)

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