当ブログでは、管理人自身が、気になる鉄道や交通系の書籍・雑誌をご紹介していますが、今回ご紹介するのは、鉄道ジャーナルの2019年4月号であります。
特集は、当ブログで触れないわけにはいかない、「関西の今と明日」。
来月16日に新大阪〜放出間が開業するJRおおさか東線、そして2025年万博開催を前に会場となる夢洲(ゆめしま)への延伸が計画されている大阪メトロ中央線など、ここにきて注目を浴びるテーマを中心に、関西の鉄道をまとめた特集となっています。
特集記事は以下の通りです。
鉄道ジャーナルの関西地区の特集としては、2018年1月号「特集 大阪の電車2018」以来だと記憶しています。
参考:鉄道ジャーナル2018年1月号「特集 大阪の電車2018」を読む : 阪和線の沿線から
この時は、前年に運行開始した京阪特急プレミアムカーの特集はありましたが、どちらかと言えばJR西日本の方に重きを置いた構成となっていましたが、今回は、おおさか東線の開業はありますが、それ以外はどちらかといえば民鉄、あるいは地下鉄、といったテーマが多いのかな、という印象を持ちました。
また、前回の特集記事に比べると、若干特集の掘り下げが薄いかな、と思っていたらその通りで、2018年1月号に比べて、関西特集に割かれているページが10ページ強(221系の車両解説も含めると20ページ強)減っているので、前回特集に比べるとやや物足りない感は感じるのですが、それでも今が旬の「おおさか東線」「万博誘致」をポイントに抑えた記事は、今後の記録としては貴重なものになるのかな、と思いました。
関西特集を目当てで購入した今回号ですが、個人的にはそれ以外の記事にも興味を持ちましたので、ご紹介したいと思います。
まず「富士急行」の記事ですが、まずは、一日中、富士急線内を往復してこれだけの車両に乗車して、その車内の様子もつぶさに観察した記事を書き上げたことを評価したいと思います。
何度も往復していれば、流石に飽きようなところ、富士急のバラエティに富んだ車両群が、そういった飽きを感じさせないことが、非常に伝わってくる記事でありました。
富士急については、私自身、下記の記事でご紹介したように昨年1月に訪問し、「富士山ビュー特急」に乗車しました。
富士山ビュー特急自体、満足できる列車でありましたが、すれ違う多彩な車両を見てみると、他の車両にも乗ってみたいと純粋に思うわけで、そういう向きにも満足できる記事だったといえるでしょうか。
参考:富士急行「富士山ビュー特急」に乗車する(2018.1.29) : 阪和線の沿線から
なお、この記事中では、沿線の都留市にキャンパスを置く「都留文科大学」についての歴史についても記されています。
さほど規模が大きいとはいえない都留市になぜ大学があるのか、その存在自体が気になっていましたが、その設立の過程や存廃の論争、一方全国各地から学生が集まってくる現状等が記されており、鉄道本題ではないものの、興味を持って読めた記事でした。
次に「アセラ・エクスプレス」についてですが、先進国の中ではヨーロッパ等に比べると注目度があまり高くないとも思われるアメリカ合衆国。
実際は、貨物輸送においては鉄道が主要な手段となっており、長編成の列車が行き交う様子などは、それはそれで魅力があるものですが、こと旅客に関して言うと、都市圏輸送については、大都市で機能しているものの、都市間の輸送については、自動車や航空が主体となり、鉄道はほとんど担うことがなくなり久しい時代が続いています。
しかし、アメリカ合衆国のなかで比較的人口が集中している北東回廊は、その例外中の例外で、全線架空電車線方式による電化(原則非電化、近郊路線では貨物輸送への障害を忌避するため第三軌条方式)であり、それを活かして高速運行を行っているのが、この「アセラ・エクスプレス」であります。
そのアセラ・エクスプレスについて、2020年にも登場する次期車両「アセラ・リバティ」の導入についても触れられており、現状アメリカの中・長距離鉄道旅客輸送において一人気を吐く「アセラ・エクスプレス」から、他の先進国とは違うアメリカの特殊な鉄道事情を垣間見ることができる、有益な記事に感じました。
「関西の今と明日」の特集が若干少なめだったのは、これら二つの記事のボリュームが割と大きかったからなのでは、とも思ったりしました。
それが故か、関西地区の特集を目当ての割には、こちらの二記事の方に逆に注目してしまいましたが、そんなことがあるのも、鉄道ジャーナル等、様々なテーマを扱う雑誌ならではの面白みなのかな、と感じた次第です。
ところで、今回の特集記事の中で、気になった箇所が1箇所ありました。
「関西民鉄のうごき(伊原薫)」のP39、南海電鉄の車両の動きについての箇所です。
泉北高速鉄道の3000系が南海電鉄に譲渡され、南海線で運行されていることは当ブログでもご紹介したことがあります。
参考:泉北高速鉄道から南海電鉄に譲渡された3000系を記録する : 阪和線の沿線から
その3000系ですが、なぜか本稿では南海譲渡後に「3500系」の系式名が付与されていることとなっています。
これが事実だとすれば、これまで私が何気なく称してきた「南海3000系」という呼称は間違いだった、ということになり、大幅な修正が必要で、ブログ管理人においては文字通り「えらいこっちゃ」な事態となります。
一方で、これまた南海電鉄を特集した鉄道ダイヤ情報2014年10月号「特集 南海電車2014」では、同車両について、以下のように記されています。
果たしてこの車両は3000系なのか、3500系なのか。
▲貝塚〜二色浜間で撮影した、元泉北3000系車両。
(2014.11.29撮影)
「南海3000系」のような気がしますが…
個人的には、鉄道ジャーナル2019年4月号の「3500系」がミスのような気もするのですが、わざわざ「譲渡後3500系として運用」と書いているところからすると、こちらが正式な系式名、という気もしないでもなく、果たしてどちらなのか、モヤモヤした感想も抱いてしまった次第であります。
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特集は、当ブログで触れないわけにはいかない、「関西の今と明日」。
来月16日に新大阪〜放出間が開業するJRおおさか東線、そして2025年万博開催を前に会場となる夢洲(ゆめしま)への延伸が計画されている大阪メトロ中央線など、ここにきて注目を浴びるテーマを中心に、関西の鉄道をまとめた特集となっています。
特集記事は以下の通りです。
●直結!おおさか東線 開業間近(鶴通孝・久保田敦)
3月16日に全線開業するおおさか東線の新規開業区間(新大阪〜放出)の現地取材や、これまでの建設の過程をの他、先行開業区間(放出〜久宝寺)や大和路線にも触れ、おおさか東線全通後の動向について考察。
●関西民鉄最新鋭車に乗る(土屋武之)
2010年代に登場した阪急・阪神・山陽・神戸電鉄・能勢電鉄・神戸市営地下鉄の最新鋭車両を紹介。
●関西民鉄電車のうごき(伊原薫)
先の「最新鋭車に乗る」で触れられてなかった近鉄・南海・京阪・大阪高速(大阪モノレール)・叡山電鉄・北大阪急行の各社の車両の動きを紹介。
●大阪メトロの今とこれから(伊原薫)
昨年4月に大阪市交通局から民営化された大阪市高速電気軌道(大阪メトロ)について、民営化前後の動きから車両の動きや主要駅のリニューアル、そして中央線延伸の展望等、大阪メトロのこの1年を中心にまとめた記事。
●これからの関西の鉄道(正司健一)
1990年代から2010年代を中心に、関西地区の鉄道を首都圏・中京圏と比較し、特に首都圏とのこの間の動きの違いを考察するとともに、将来的な関西地区の鉄道を考察。
●関西の鉄道を展望する(宇都宮浄人)
関西地区の鉄道ネットワークについて、大阪圏に加え、存続自体の議論もなされている関西圏周辺部の鉄道路線にも触れ、関西圏の鉄道の将来の展望について、鉄道ネットワークを活かす視点と具体的な方向を提案。
鉄道ジャーナルの関西地区の特集としては、2018年1月号「特集 大阪の電車2018」以来だと記憶しています。
参考:鉄道ジャーナル2018年1月号「特集 大阪の電車2018」を読む : 阪和線の沿線から
この時は、前年に運行開始した京阪特急プレミアムカーの特集はありましたが、どちらかと言えばJR西日本の方に重きを置いた構成となっていましたが、今回は、おおさか東線の開業はありますが、それ以外はどちらかといえば民鉄、あるいは地下鉄、といったテーマが多いのかな、という印象を持ちました。
また、前回の特集記事に比べると、若干特集の掘り下げが薄いかな、と思っていたらその通りで、2018年1月号に比べて、関西特集に割かれているページが10ページ強(221系の車両解説も含めると20ページ強)減っているので、前回特集に比べるとやや物足りない感は感じるのですが、それでも今が旬の「おおさか東線」「万博誘致」をポイントに抑えた記事は、今後の記録としては貴重なものになるのかな、と思いました。
関西特集を目当てで購入した今回号ですが、個人的にはそれ以外の記事にも興味を持ちましたので、ご紹介したいと思います。
●電車も楽しい富士急行を訪ねて(岩成正和・山井美希)
今や訪日外国人旅行者で賑わう富士急行をホリデー快速富士山→211系普通→成田エクスプレス→富士山ビュー特急→5000系トーマスランド号→フジサン特急→富士登山電車→富士山ビュー特急と、JR乗り入れ・富士急自社所有の車両を、特急フリー切符を使って乗り比べした記事。
●アセラ・エクスプレスの実力(冷水彰彦)
アメリカの東海岸、ボストン〜ニューヨーク〜ワシントンの「北東回廊」を結ぶアムトラックの「準高速鉄道」である「アセラ・エクスプレス」の乗車レポや、北東回廊を中心としたアメリカの鉄道事情について考察した記事。
まず「富士急行」の記事ですが、まずは、一日中、富士急線内を往復してこれだけの車両に乗車して、その車内の様子もつぶさに観察した記事を書き上げたことを評価したいと思います。
何度も往復していれば、流石に飽きようなところ、富士急のバラエティに富んだ車両群が、そういった飽きを感じさせないことが、非常に伝わってくる記事でありました。
富士急については、私自身、下記の記事でご紹介したように昨年1月に訪問し、「富士山ビュー特急」に乗車しました。
富士山ビュー特急自体、満足できる列車でありましたが、すれ違う多彩な車両を見てみると、他の車両にも乗ってみたいと純粋に思うわけで、そういう向きにも満足できる記事だったといえるでしょうか。
参考:富士急行「富士山ビュー特急」に乗車する(2018.1.29) : 阪和線の沿線から
なお、この記事中では、沿線の都留市にキャンパスを置く「都留文科大学」についての歴史についても記されています。
さほど規模が大きいとはいえない都留市になぜ大学があるのか、その存在自体が気になっていましたが、その設立の過程や存廃の論争、一方全国各地から学生が集まってくる現状等が記されており、鉄道本題ではないものの、興味を持って読めた記事でした。
次に「アセラ・エクスプレス」についてですが、先進国の中ではヨーロッパ等に比べると注目度があまり高くないとも思われるアメリカ合衆国。
実際は、貨物輸送においては鉄道が主要な手段となっており、長編成の列車が行き交う様子などは、それはそれで魅力があるものですが、こと旅客に関して言うと、都市圏輸送については、大都市で機能しているものの、都市間の輸送については、自動車や航空が主体となり、鉄道はほとんど担うことがなくなり久しい時代が続いています。
しかし、アメリカ合衆国のなかで比較的人口が集中している北東回廊は、その例外中の例外で、全線架空電車線方式による電化(原則非電化、近郊路線では貨物輸送への障害を忌避するため第三軌条方式)であり、それを活かして高速運行を行っているのが、この「アセラ・エクスプレス」であります。
そのアセラ・エクスプレスについて、2020年にも登場する次期車両「アセラ・リバティ」の導入についても触れられており、現状アメリカの中・長距離鉄道旅客輸送において一人気を吐く「アセラ・エクスプレス」から、他の先進国とは違うアメリカの特殊な鉄道事情を垣間見ることができる、有益な記事に感じました。
「関西の今と明日」の特集が若干少なめだったのは、これら二つの記事のボリュームが割と大きかったからなのでは、とも思ったりしました。
それが故か、関西地区の特集を目当ての割には、こちらの二記事の方に逆に注目してしまいましたが、そんなことがあるのも、鉄道ジャーナル等、様々なテーマを扱う雑誌ならではの面白みなのかな、と感じた次第です。
ところで、今回の特集記事の中で、気になった箇所が1箇所ありました。
「関西民鉄のうごき(伊原薫)」のP39、南海電鉄の車両の動きについての箇所です。
○ついに引退が発表された6000系
(略)
2012年には泉北高速鉄道(当時は大阪府都市開発)で余剰となった3000系の譲渡を受け、3500系として運用しているが、その活躍の場は南海本線に移されており、高野線車両の"若返り"には貢献しなかった。余談だが、同系とほぼ共通設計の6200系はVVVF制御方式への改造が行われているものの、3500系は抵抗制御方式のままである。
出典:鉄道ジャーナル2019年4月号 P39
泉北高速鉄道の3000系が南海電鉄に譲渡され、南海線で運行されていることは当ブログでもご紹介したことがあります。
参考:泉北高速鉄道から南海電鉄に譲渡された3000系を記録する : 阪和線の沿線から
その3000系ですが、なぜか本稿では南海譲渡後に「3500系」の系式名が付与されていることとなっています。
これが事実だとすれば、これまで私が何気なく称してきた「南海3000系」という呼称は間違いだった、ということになり、大幅な修正が必要で、ブログ管理人においては文字通り「えらいこっちゃ」な事態となります。
一方で、これまた南海電鉄を特集した鉄道ダイヤ情報2014年10月号「特集 南海電車2014」では、同車両について、以下のように記されています。
●3000系
泉北高速鉄道3000系のうち、2012(平成24)年度に廃車になった14両を譲り受け、南海電鉄3000系として2013年度に竣工した。
(出典:鉄道ダイヤ情報2014年10月号 P32)
果たしてこの車両は3000系なのか、3500系なのか。
▲貝塚〜二色浜間で撮影した、元泉北3000系車両。
(2014.11.29撮影)
「南海3000系」のような気がしますが…
個人的には、鉄道ジャーナル2019年4月号の「3500系」がミスのような気もするのですが、わざわざ「譲渡後3500系として運用」と書いているところからすると、こちらが正式な系式名、という気もしないでもなく、果たしてどちらなのか、モヤモヤした感想も抱いてしまった次第であります。
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