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みんな大好きPERCOBAAN

早いもので、2009年に初めてジャカルタに足を踏み入れて10年が経ってしまいました(厳密には9年と数か月ですが)。しかし、鉄道は進歩しても、いっこうにレベルが上がらないのが当方のインドネシア語力(笑)理屈っぽい人間にはインドネシア語は無理なんだなと、薄々わかってきました・・・。もちろん、鉄道用語はバッチリ、のつもりですけどね。

そんなわけで、当ブログにもしばしば登場する、この表示。10年前、右も左もわからない中やってきたインドネシアですが、当時Yopie様が運営されていた伝説のサイト、JABOTABEK RAIL NEWSをくまなく拝見し、最初に覚えたのがPERCOBAANでした。ぶっちゃけ、Kiri、KananとPercobaanしか覚えずに乗り込んできたと言っても過言ではありません(爆)駅でPercobaan放送入ったら、絶対撮ってやろうという魂胆でした。

まあ、実際こっちに来て、インドネシア語なぞ勉強するに値しないと言われましたので、結局何もせず、特に不便もしていないため、惰性でここまで来てるわけです。だって、文法なんてあってないような話で、単語さえ覚えれば、あとはどうにでもなるという世界ですので(逆に変に突っ込みすぎると、インドネシア人教師共々泥沼に落とされます)。戦後、連合国が中心になって(?)、混沌のこの国の統一言語として、世界一簡単な言葉として作られたはず・・・なのですが、この国の人が勝手な解釈、そして特例的な用法を乱発した結果、現在の状況があるのでは、と考えています。この言葉が、この国の社会そのものを表していますね。

前置きが長くなりましたが、PERCOBAANをこの際、文法的に見てみましょう。英語なら試運転はTest Runですので、このPercobaanに走行の意味合いが入っているのではと昔は思っていましたが、全くそんなことはなく、動詞のCoba又はMencobaの名詞形なのです。動詞のケツにANを付けると名詞になるのは有名な話ですが、PER~ANというタイプもときおりあるのです。しかし、実際に生活していてCobaを使うことはかなりありますが、Percobaanは鉄道の試運転以外にほぼ見かけたことがありません。例えば、学生がやるような試験(テスト)の場合、Ujianですので、Percobaanは機械などの試験という意味合いがあるのかもしれません。インドネシア語の先生に言わすと、文法的に間違いはないが、使用しない用例と言われるタイプかもしれませんね。ただ、面白いのは205系のLEDロムや字幕で、試運転のコマはPERCOBAANとならずに、UJI COBAとなっています。東のインドネシア語教師がそう教えたのでしょうか?? UJIもCOBAも「試す」ですので、同じ言葉を二度繰り返していて、くどさがあります。その後も作成されてる試運転サボは引き続き、PERCOBAANなので、インドネシア人にはこちらの方がしっくりくるのかもしれません。
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インドネシア語の回送表示はこんなに長い?

ついでに、駅の表示でやっぱり気になって仕方ないのが、【回送】表示。こちらも、ついでにやっておきましょう。205系の表示ではTIDAK UNTUK PENUMPANGとやたらに長くなっていますが、直訳すると、【乗客用ではありません】となります。ちなみに、インドネシア語の教科書を見ると、やはりTidakは動詞・形容詞を否定するときに用いるとあるので、やはりこれは本来であれば間違いなのですが、そこはインドネシア。否定詞と呼ばれるTidakとBukan、使い分けは正直どっちでもいい・・・そうです(インドネシア語を真面目に勉強する必要がないというのは、こういう理由です)。なお、KAIの社内用語では回送のことをKLBと呼んでおり、駅の放送もそう流れますが、さすがに表示にKLBと書いても誰も理解しないので、このように長ったらしい表記にしたのでしょう。KLBとはKereta Luar Biasaの略で、本来は回送だけでなく、臨時列車にも使える用語です。

ですので、駅でこんな放送が流れたら要注意です。

Jalur1 dari alah utala, akan melintas lansung KLB percobaan.

Jalur2 dari alah selatan, akan melintas lansung KLB KRL, bukan untuk penumpang.


現地鉄も、ちょうどこの放送に当たれば、本来乗る列車を見逃して、何が来るか待ってしまうのです。もちろん、KLB KRLで、大したネタでもない定期回送だったりすると、ガッカリするのもまた同じです。

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Bukit Duriから突如現れた103系E27編成

2009年の初訪問時、当時故障修理中だった103系E27編成の臨時回送にたまたま出くわしました。もちろん、KLBだのPenumpangだのの単語を知りませんでしたから、何が起きたのかチンプンカンプンバンダンでしたが、誰も客が乗らないのを見て、回送なんだろうなと察しました。例のサボが出ていないので、最初は乗れるのでは?とも思ったのですが;;おそらく、上記放送が流れていたのでしょうが、全く記憶にありません。しかし、ご縁だけは昔からあったようですね。

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ドアが閉まらないかヒヤヒヤしながらも、車内の写真を撮っていたようです・・・
それにしても懐かしい・・・

鉄道コム

コメント

コメント一覧

    • wati
    • 2019年02月16日 15:18
    • > TIDAK UNTUK PENUMPANGとやたらに長くなっていますが、
      > 直訳すると、【乗客用ではありません】となります。
      > ちなみに、インドネシア語の教科書を見ると、やはりTidakは
      > 動詞・形容詞を否定するときに用いるとあるので、やはりこれは
      > 本来であれば間違いなのですが、そこはインドネシア。

      そうかなぁ?
      仮に tidak penumpang なら、「乗客では無い」という意味になり、
      名詞を tidak で否定しているので文法的な間違いです。

      しかし、tidak untuk penumpang なら、「乗客では無い」という
      意味では無い、つまり名詞を否定してはいませんね。
      ここで言いたいのは、「乗客用に運行していない」という事で、
      運行するという動詞を否定していると思います。
      フルセンテンスにすると、
      Kereta listrik ini tidak dioperasikan untuk penumpang.
      くらいになるのかな。

      なので、これは tidak で正しいと思います。

      > 否定詞と呼ばれるTidakとBukan、使い分けは正直どっちでもいい
      > ・・・そうです(インドネシア語を真面目に勉強する必要がないと
      > いうのは、こういう理由です)。

      tidakとbukanの使い分けは、結構厳密になされていると思います。
      そもそも間違った使い方はインドネシア人にとって、しゃべっていて
      気持ち悪いとか、感覚的に受け入れないと思います。
    • パクアン急行
    • 2019年02月17日 22:26
    • >wati様
      ご指摘ありがとうございます。
      この表示には、私の周囲のインドネシア人にも色々言いたいことがあるようですが、確かにTidak以下にdioperasikanが省略されているとするならば、しっくりきますね。駅の放送などでは、基本的にBukan untuk penumpangですが、何故かManggaraiの駅員はTidakを使います。このあたりも、正直使いわけをしてないと判断した所以です。ちなみに、tjはTidak melayani penumpangと表示させているので、有無を言わせません。
    • wati
    • 2019年02月22日 17:24
    • > 駅の放送などでは、基本的にBukan untuk penumpangですが、
      > 何故かManggaraiの駅員はTidakを使います。

      そうですか。
      それは逆に興味深いです。
      サボ(電光掲示もサボでいいのかな?)での表示は tidak untuk penumpang が得られる情報の全てだったのですが、駅の構内放送では全文が何だったか知りたいところです。
      先の投稿の時、ここは鉄道ネタのブログなので、あまり話を広げるのも難だと思い書かなかったのですが、bukan だと間違いか? と言われると、これでも文は構成できてしまいます。
      Kereta listrik ini bukan kereta listrik untuk penumpang.
      かなりくどい文でお勧めはしませんが、間違いでは無いと思います。
      (突っ込まれる可能性あり(^_^))

      先の投稿で、
      > tidakとbukanの使い分けは、結構厳密になされていると思います。
      と書いといて、こんな事を言うのは難ですが、インドネシア人のインドネシア語の理解度は、かなり低いです。
      何の根拠も無い私の経験値であり、かつどの程度で理解していると言えるのか? という問題はありますが、ざっと半数の人はまともに理解していないと思っています。
      Sudirmanの高層ビルに勤務する外資系のエリート社員()でさえ、例えば、動詞 menonton の kata dasar は何? というSDレベル(SMPレベルかも)の質問をしてみると、平気で nonton と答える人がいる始末です。
      ましてや今回の例のように、tidak と bukan のどちらが正しいか? なんて場合は、UIかUNPADの卒業生で、かつ学位称号がSSの人くらいに限定した方がいいと思います。(UGMの人は接した経験が無い)
    • パクアン急行
    • 2019年02月23日 01:42
    • >Wati様

      インドネシア人のインドネシア語の理解度は、かなり低いというのは、おっしゃる通りで私も同感です。彼らは、あくまでもインドネシア語は統一言語であり、母語はスンダ語なり、ジャワ語なりの民族語ですので、かなり雑に扱っているなというのが、10年来付き合っての印象です。だから、我々が多少変なインドネシア語を使っていても、許容される(逆に先にガチガチの教科書インドネシア語を習って乗り込んできた連中はインドネシア人スタッフにいつも笑われています)のでしょう。

      ちなみに、Tidak untuk penumpangの放送ですが、全文といっても回送を示す用語はそれだけです、残念ながら。Jalur 4, rangkaiannya hanya sampai Manggarai selanjutnya pulang dipo Bukit Duri,tidak(bukan) untuk penumpang. こんな感じです。
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