下記エントリーのとおり、JR北海道では、JR東日本・東急電鉄・JR貨物の協力のもとで実施する観光列車プロジェクトを発表しています。

【JR北海道ほか】北海道内での観光列車運行を発表。JR東日本「びゅうコースター風っこ」は宗谷線、東急「THE ROYAL EXPRESS」は道東エリアへ : 阪和線の沿線から

このプロジェクトも含めて、2019年度以降のJR北海道における新たな観光列車の取り組みについて、この度発表がありました。

2019年度以降の新たな観光列車の取り組みについて|JR北海道

概要は以下の通りです。

JR北海道は、2018年7月に国土交通省より「事業の適切勝つ健全な経営に関する監督命令」を受け、その中でJR北海道の経営改善に向けた取り組みとして、観光列車の充実を求められたことから、以下の2点を柱に新たな観光列車の運行を検討。

●クルーズトレイン型の列車:
・道内観光地を巡るクルーズトレインについて、宿泊サービスを提供しない「昼行列車」タイプに絞って検討の結果、東急電鉄が保有する「THE ROYAL EXPRESS」車両を道内で運行。
・併せて、観光列車やイベント列車のほか、繁忙期の臨時列車等で使用する特急タイプの多目的車両を新製。

●地域活性化につながる列車:
・2018年にキハ40型「北海道の恵み」シリーズ車両を4両投入したが、2019年度に新たにキハ40形2両を新たに投入
・また、JR東日本の「びゅうコースター風っこ」を使用した新しい観光列車を運行。


●キハ40形「山紫水明(さんしすめい)」シリーズ:
・改造車両:キハ40形一般型気動車
・改造両数:2両
・車両名称:「紫水(しすい)」「山明(さんめい)」
・使用開始時期:2019年9月頃予定
・エクステリア:
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▲「紫水」号

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▲「山明」号

いずれも上記発表資料(http://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/20190214_KO_Kankou.pdf)より引用。


●261系多目的特急車両:
・車両系式:261系5000代特急形気動車
・製作両数:2編成(5両編成)
・使用開始時期:2020年秋を予定
・使用目的:多客臨時列車、イベント列車、定期列車の代替輸送など
・車両デザイン
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▲261系5000代エクステリアデザイン(検討中イメージ)
(上記発表資料(http://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/20190214_KO_Kankou.pdf)より引用)

・車両の特徴:
1号車を車内のイベントや食事などに利用できるフリースペース、2〜5号車の座席には、食事などの際に向かい合わせにしても使用できるテーブルを設置。
全座席に電源コンセントを設置するほか、無料公衆無線LANサービスを提供。



その他詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



既に先日のエントリーで「びゅうコースター風っこ」「THE ROYAL EXPRESS」の運行という、聞いたこともない内容の発表が行われたJR北海道の観光列車ですが、今回はそれも含めた、来年度(2019年度)以降の観光列車の取り組みの発表となります。

JR北海道では、過去に多彩な観光列車を運行していた実績があり、国鉄から引き継いだ「アルファコンチネンタルエクスプレス」「フラノエクスプレス」に加え、民営化後には「トマムサホロエクスプレス」「ニセコエクスプレス」といったスキーリゾート向けの車両を投入し、これらを含めた多彩な顔ぶれが道内各地で見られました。

しかし、これらの車両も老朽化が進んだことから相次いで引退していき、現在同社が保有する観光列車用車両は、特急気動車タイプは「ノースレインボーエクスプレス」「クリスタルエクスプレス」の2編成のみとなっており、かつての華やかさを知っている方々にとっては、物足りない印象を抱き続けているかも知れません。

一方、当のJR北海道も、近年の経営再建問題への対応から、観光列車への積極的な投資は後回しにせざるを得ない事情がありましたが、昨年7月に国土交通省から発出された監督命令の中で、観光列車の充実を求められており、今回の発表はその検討結果ということになります。


注目したのは、261系5000代の多目的特急車両でしょうか。
老朽化した特急形気動車の置き換えとして、近年増備が進んでいる261系気動車ですが、これをベースに、観光列車はもとより臨時列車や定期委列車代走として、様々な用途に使用できる編成として、今回の5000代が投入されることとなります。

そのデザインは、現在の261系のホワイト・パープル・イエローから一転、北海道を代表する花である「はまなす」「ラベンダー」のイメージをデザインしており、一目で5000代と分かるものとなっています。
また、その車内を目をやると、1号車にはフリースペースを設置し、イベント等で使用できる一方、2〜5号車は通常の特急列車にも使用できる座席が配置されており、文字通り様々な用途で使用できる車両になることが記されています。

またメカニズム的にも、既存の261系1000代をベースとしていることから、他編成との混結も可能と考えられることから、様々な編成が見られる可能性が考えられます。


以上のように、様々な運行スタイルが想像されるこの261系5000代。
道内の様々な路線で、ある時は団体列車、またある時は定期列車の代替として、その色々な姿を見ることのできる日を楽しみにしたいな、と感じたニュースでした。



●関連ニュースサイト:
JR北海道、観光・臨時列車用の特急車両を2編成新造 2020年秋使用開始へ | 乗りものニュース
JR北海道、観光列車にも使える「紫水」「山明」導入 キハ40形を改造 | 乗りものニュース
JR北、多目的特急形気動車を新造 - 鉄道コム
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●関連ブログ:
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