JR北海道では、JR東日本・東急電鉄・JR貨物の各社の協力のもと、北海道内の観光振興と地域活性化を目的とした観光列車プロジェクトの実施を発表しました。

JR北海道は、JR東日本・東急電鉄・JR貨物と協力し、道内に観光列車を走らせます 〜観光列車による道内観光の振興と地域活性化を行います〜|JR北海道
JR北海道は、JR東日本・東急電鉄・JR貨物と協力し、道内に観光列車を走らせます 〜観光列車による道内観光の振興と地域活性化を行います〜|JR東日本
JR北海道は、JR東日本・東急電鉄・JR貨物と協力し、道内に観光列車を走らせます 〜観光列車による道内観光の振興と地域活性化を行います〜|東急電鉄
JR北海道は、JR東日本・東急電鉄・JR貨物と協力し、道内に観光列車を走らせます 〜観光列車による道内観光の振興と地域活性化を行います〜|JR貨物

概要は以下の通りです。

●プロジェクト概要:
・JR東日本の「びゅうコースター風っこ」を使用した観光列車を、宗谷線(旭川〜音威子府または音威子府〜稚内)で運行。
運行予定時期は2019年7〜9月の土・日・祝日
・東急電鉄が提供する「THE ROYAL EXPRESS」を使用した観光列車を、札幌〜道東エリアに向けて運行。
運行予定時期は2020年5〜8月の間の約1ヶ月間、週4日を予定。


●各社の協力体制:
JR北海道・・・運行に関する業務、着地でのおもてなし体制への協力及び全体統括
JR東日本、東急電鉄・・・既存の観光列車の提供、運営等
JR貨物・・・北海道内で運行する車両を北海道まで回送運搬


●「びゅうコースター風っこ」使用列車概要:
使用車両:キハ48形改造車2両編成
運転日:2019年7月27日(土)〜9月8日(日)の土・日・祝日(15日間を予定)
列車名:「風っ子 そうや」号
運転区間:運転日により「稚内〜音威子府」または「旭川〜音威子府」で運転
運転編成:JR北海道の「北海道の恵み」シリーズ車両を「びゅうコースター風っこ」の前後に連結して運行

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▲JR東日本「びゅうコースター風っこ」
(上記発表資料(https://www.jreast.co.jp/press/2018/20190211.pdf)より引用)


●「THE ROYAL EXPRESS」使用列車概要:
使用車両:伊豆急行2100系「アルファリゾート21」改造車
列車名:THE ROYAL EXPRESS
運転日:2020年5月〜8月の間の約1ヶ月間、週4日程度を想定
運転エリア:札幌〜道東エリア
運転編成イメージ:北海道内での運転にあわせた編成について今後検討。
現在のイメージでは「THE ROYAL EXPRESS」に電源車・ディーゼル機関車を連結した編成

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▲東急電鉄「THE ROYAL EXPRESS」
(上記発表資料(https://www.jreast.co.jp/press/2018/20190211.pdf)より引用)



詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



安全運行への投資が不可欠である一方、自社単独での維持が困難な線区を多く抱え、経営再建が急務のJR北海道。
経営再建の道筋をつけるためには、事業の見直しとともに、新たな収入源の獲得が必要であり、これまでも不採算事業の見直しや路線の廃止等を行ってきました。

一方、新たな投資という点では、資金力に問題があることから、道内に数多くある観光資源を活用した観光列車の開発については、手が出せない状況であった、というのが実態であった、といえるかも知れません。

今回、JR北海道単独で観光列車を走らせるのではなく、JR東日本・東急電鉄から車両の提供を受け、道内の風光明媚な路線を中心に運行するという、これまでに聞いたことの無いプロジェクトに仰天した方もいらっしゃるのではないかと思われます。


各プロジェクトを見てみると、まず「びゅうコースター風っこ」を使用した「風っ子 そうや」は、現在観光列車の走ったことがない宗谷線で運行することとなっています。
天塩川を囲む森林や、サロベツ原野と利尻富士、といったように眺めているだけで楽しめるこの宗谷線ですが、窓ガラスを外して外の風を感じることのできる車両に乗ることで、より宗谷線の魅力を感じることができる、まさにうってつけの観光列車になるのではないかと思われます。

しかも、「びゅうコースター風っこ」の前後にキハ40形「北海道の恵み」車両を連結することから、これら4両の併結というシーンは貴重なものでもあるので、多くのファンの注目の的になるのではないかと思われます。


宗谷線「びゅうコースター風っこ」だけでも十分衝撃的ですが、それに輪をかけて驚きの発表が、東急「THE ROYAL EXPRESS(ザ・ロイヤル・エクスプレス)」を使用した観光列車。
現在、横浜〜伊豆急下田間を中心に運転されている「ザ・ロイヤル・エクスプレス」が、何と北海道で運行されることになるわけで、これだけでは、一体何が何やら、といった感じでしょうか。


そもそも「ザ・ロイヤル・エクスプレス」の使用車両である伊豆急行2100系は直流電車であるのに、直流電化区間がないJR北海道管内でどのように走るのか、謎にも感じた方が多いかも知れません。

その一つの答えとして、「ディーゼル機関車による牽引」「電源車によるサービス電源供給」のイメージが示されており、かつてJR九州の特急「有明」の豊肥本線・熊本〜水前寺間などで実施された、ディーゼル機関車と電車との併結運転が実施されるとは、本当に夢にも思えないのが正直なところでしょうか。
報道が先行した際にも、ガセネタと評されたのも理解せざるを得ないくらいの仰天なプロジェクトであるといえます。


いずれも、多くの観光客の注目を集めるプロジェクトだと思いますので、少しでも多くの方にこれらの観光列車プロジェクトを利用して欲しいな、と思いますし、これらの企画により、JR北海道の経営再建が少しでも進むことになればいいな、と感じたニュースでした。




●関連ニュースサイト:
北海道でJR東日本「風っこ」と東急「ザ・ロイヤル・エクスプレス」運行へ JR貨物も協力 | 乗りものニュース
JR北海道,「びゅうコースター風っこ」・「THE ROYAL EXPRESS」を使用した観光列車を運転へ|鉄道ニュース|2019年2月12日掲載|鉄道ファン・railf.jp
北海道内で「ロイヤルエクスプレス」を運転、JR北・東急 - 鉄道コム
「風っこ」と「THE ROYAL EXPRESS」、北海道で運転へ | RailLab ニュース



●関連ブログ:
「THE ROYAL EXPRESS」は北海道に行く: たべちゃんの旅行記「旅のメモ」



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